カップめんの動きを探ろうじゃないか…世帯単位での「カップめん」の購入性向推移をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編))(2016年)(最新)

2016/03/12 11:06

先行する記事【世帯単位での主食3品目の購入性向推移をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編)】において、「二人以上の世帯」「単身世帯」を合わせた「総世帯」における主食3食品項目「米」「パン」「めん類」の購入頻度や購入金額の2015年分の分析を、2016年2月16日にデータ更新(2015年・年次分反映)が行われた【家計調査(家計収支編)調査結果】から取得したデータをもとに行った。今回はその記事から派生する形で、世帯単位での「カップめん」の購入性向などを見ていくことにする。主食の一つ「めん類」の中でも、気軽に調達し食することができるため、もっとも多くの人がお世話になっているであろう「カップめん」は、どれほど購入されているのだろうか。

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カップめんは月に一世帯のうち一人が一個強


次以降のデータは家計調査報告(家計収支編)の「総世帯」から、「食料」「穀類」(要は内食部分)の内部にある「カップめん」を選択し、各種必要な値を抽出したもの。先の記事で取り上げた「米」「パン」「めん類」も、比較対象として併記する。なおグラフ中や文中に登場する「購入世帯数」「世帯購入頻度」などの言葉の意味は、先行記事【週刊誌や雑誌、書籍の支出額をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編)・総世帯版)】などですでに解説済みなので、そちらを参照のこと。

なお先行記事で「カップめん」を含めなかったのは、「カップめん」が「めん類」の中の一項目でしかなく、混乱が生じてしまうのを防ぐため。「めん類」は「カップめん」以外に「生うどん・そば」「乾うどん・そば」「スパゲッティ」「中華めん」「即席めん」「他のめん類」から成り、「カップめん」はその中の一要素でしか無い。他の上位項目と共に掲載するには、今件のように敢えてスポットライトを当てる必要がある。

まずは直近データの2015年分について概要を確認する。主要項目の「購入世帯頻度」と「平均支出額」、さらには「一人当たり」の金額をグラフ化したのが次の図。繰り返しになるが、「カップめん」は「めん類」の一項目でしかないことに留意する必要がある(他の3項目と比べて各値が少なめになるのも当然)。

↑ 2015年における総世帯の平均支出金額・購入世帯頻度(主食3項目+α)(月次換算)
↑ 2015年における総世帯の平均支出金額・購入世帯頻度(主食3項目+α)(月次換算)

↑ 2015年における総世帯の”一人当たり”平均支出金額(主食3項目+α)(月次換算)
↑ 2015年における総世帯の”一人当たり”平均支出金額(主食3項目+α)(月次換算)

「カップめん」の平均購入頻度は1.344回/月。金額は280円/世帯・月。商品種類にもよるが、大体1つ200円前後のものを「一世帯で一人が」月1個強の割合だろうか。調理が容易なことから一人暮らしの人の中には「毎日三食のうち一食はカップめん」的な生活の人もいるものと思われるが、今件はあくまでも「総世帯」の話。むしろごく少数事例に属すると考えてよい。また、仮に夫婦と子供一人の世帯が1つ200円のカップめんを食すると、それだけで600円となり、世帯平均から換算すると2か月分ほどになる。「家族みんなが揃ってカップめん」との事例はあまり無いようだ。

また昨年2014年の値と比べると、購入頻度・額共に増加している(前年は123.3%・256円)。景況感の回復によるものか、単なる商品価格の値上げによるものか。ただし後者は頻度上昇の理由付けにはならない、むしろ減退への影響があることから、説明としては的外れの感は強い。前者もあまり連動性はなさそう。むしろ中長期的な上昇傾向の中の、定例パターンとしての流れと見た方が無難ではある。

増えて、減って…? 経年変化を探る


この「購入世帯頻度」「支出額」の推移を、e-stat上にデータが収録されている2002年以降のものにつき、時系列で再整理してグラフ化したのが次の図。なお「カップめん」単独の項目は2005年以降の登場であることから、グラフ上の値も2005年以降のものとなる。

↑ 総世帯の平均購入頻度(-2015年)(主食3項目+α)(総務省統計局発表)(月次)
↑ 総世帯の平均購入頻度(-2015年)(主食3項目+α)(総務省統計局発表)(月次)

↑ 総世帯の平均支出金額(-2015年)(主食3項目+α)(総務省統計局発表)(月次、円)
↑ 総世帯の平均支出金額(-2015年)(主食3項目+α)(総務省統計局発表)(月次、円)

「カップめん」は他項目と比べて一つ下層の区分であることから、特に支出金額の面で少なめとなる。その一方、2005年から2011年にかけて、確実に浸透率を高めている。購入頻度は2011年時点で1.01回/月から1.20回/月で0.19回/月分(19%)だけプラス、支出金額は220.8円/月から261.1円/月で40.3円/月(18%)のプラスという上昇ぶり。ところが2012年は購入頻度・支出金額共に前年比で減少してしまう。

この減少傾向は2013年まで継続したが、2014年以降は購入頻度・支出金額共に増加に転じている。ラーメン購入においてこの数年のイレギュラーがようやく補正される動きを示した雰囲気ではある。

2012年から2013年のカップめん離れ的な動きは、タイミングから考えると先の震災がトリガーとなった可能性は高い。震災を機に日本人のライフスタイルのさまざまな面で変化が生じたが、食生活の食品選択性向においても例外ではない。その影響が「カップめん」の購入にも一時的な現象として表れたと考えられる。2014年ではその一時的な動きが終息し、再び増加への動きを示す形となったのだろう。



インスタント技術の進歩や、震災による常備食の需要増加、さらには食生活の多様化に対応した数々の新商品の展開で、「カップめん」は今後ますます需要増加が期待される。特に世帯動向における「単身世帯」比率の増加が、大きく助長することになる。

他方食品に対する安全・健康志向の高まりや、スーパー・コンビニの食生活へのアプローチの積極姿勢を受け、中食が確実に増加の動きを示している。2012年から2013年におけるカップめんの低迷ぶりは、それらの影響を受けた可能性もある。

他項目同様、「カップめん」もまた、注意深くその動向を見守りたいところだ。


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