カップ麺の動きを探ろうじゃないか…世帯単位での「カップ麺」の購入性向推移をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編))(最新)

2019/02/24 05:21

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2019-0215先行する記事【世帯単位での主食3品目の購入性向推移をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編)】において、二人以上の世帯と単身世帯を合わせた総世帯における主食3食品項目である米、パン、麺類の世帯購入頻度や支出金額の2018年分の分析を、2019年2月8日にデータ更新(2018年・年次分反映)が行われた【家計調査(家計収支編)調査結果】から取得したデータを基に行った。今回はその記事から派生する形で、世帯単位でのカップ麺の購入性向などを見ていくことにする。主食の一つ「麺類」の中でも、気軽に調達し食することができるため、もっとも多くの人がお世話になっているであろうカップ麺は、どれほど購入されているのだろうか。

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カップ麺は月に一世帯のうち一人が一個ぐらい


次以降のデータは家計調査報告(家計収支編)の総世帯から、食料内の穀類(要は内食部分)の内部にあるカップ麺を選択し、各種必要な値を抽出したもの。先の記事で取り上げた米、パン、麺類も、比較対象として併記する。なおグラフ中や文中に登場する購入世帯率や世帯購入頻度などの言葉の意味は、先行記事【週刊誌や雑誌、書籍の支出額をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編)・総世帯版)】などですでに解説済みなので、そちらを参照のこと。

なお先行記事でカップ麺を含めなかったのは、カップ麺が麺類の中の一項目でしか無く、混乱が生じてしまうのを防ぐため。麺類はカップ麺以外に生うどん・そば、乾うどん・そば、スパゲッティ、中華麺、即席麺、他の麺類から成り、カップ麺はその中の一要素でしか無い。他の上位項目とともに掲載するには、今件のように敢えてスポットライトを当てる必要がある。

まずは直近データの2018年分について概要を確認する。主要項目の世帯購入頻度と支出金額、さらには一人あたりの支出金額をグラフ化したのが次の図。繰り返しになるが、カップ麺は麺類の一項目でしか無いことに留意する必要がある(他の3項目と比べて各値が少なめになるのも当然)。

↑ 主食3項目とカップ麺の支出金額・世帯購入頻度(総世帯、月あたり、種類別、円)(2018年)
↑ 主食3項目とカップ麺の支出金額・世帯購入頻度(総世帯、月あたり、種類別、円)(2018年)

↑ 主食3項目とカップ麺の一人あたり支出金額(総世帯、月あたり、種類別、円)(2018年)
↑ 主食3項目とカップ麺の一人あたり支出金額(総世帯、月あたり、種類別、円)(2018年)

カップ麺の世帯購入頻度は1.590回/月。金額は315円/世帯・月。商品種類にもよるが、大体1つ200円前後のものを「一世帯で一人が」月1個強の割合だろうか。調理が容易なことから一人暮らしの人の中には「毎日三食のうち一食はカップ麺」的な生活の人もいるものと思われるが、今件はあくまでも総世帯の話。むしろごく少数事例に属すると考えてよい。また、仮に夫婦と子供一人の世帯が1つ200円のカップ麺を食べると、それだけで600円となり、世帯平均から換算すると約2か月分になる。「家族みんなが揃ってカップ麺」との事例はあまり無いようだ。

増えて、減って…? 経年推移を探る


この世帯購入頻度と支出金額の推移を、総務省統計局の公開データベースe-stat上にデータが収録されている2002年以降のものにつき、時系列で再整理してグラフ化したのが次の図。なおカップ麺単独の項目は2005年以降の登場であることから、グラフ上の値も2005年以降のものとなる。

↑ 主食3項目とカップ麺の世帯購入頻度(総世帯、月あたり、種類別)
↑ 主食3項目とカップ麺の世帯購入頻度(総世帯、月あたり、種類別)

↑ 主食3項目とカップ麺の支出金額(総世帯、月あたり、種類別、円)
↑ 主食3項目とカップ麺の支出金額(総世帯、月あたり、種類別、円)

カップ麺は他項目と比べて一つ下層の区分であることから、特に支出金額の面で少なめとなる。その一方、登場した2005年以降、何度かの起伏を見せながら、確実に世帯への浸透を深めている。

2012年から2013年に生じているカップ麺離れ的な動きは、タイミングから考えると先の震災がトリガーとなった可能性は高い。震災を機に日本人のライフスタイルのさまざまな面で変化が生じたが、食生活の食品選択性向においても例外では無い。その影響がカップ麺の購入にも一時的な現象として表れたと考えられる。しかしながら2014年以降は再び、世帯購入頻度も支出金額も増加の動きに転じている。



インスタント技術の進歩や、震災による常備食の需要増加、さらには食生活の多様化に対応した数々の新商品の展開で、「カップ麺」は今後ますます需要増加が期待される。特に世帯動向における単身世帯比率の増加が、大きく助長することになる。

他方食品に対する安全・健康志向の高まりや、スーパー・コンビニの食生活へのアプローチの積極姿勢を受け、中食が確実に増加の動きを示している。2012年から2013年におけるカップ麺の低迷ぶりは、それらの影響を受けた可能性もある。しかし2014年以降は再び増加に転じて現在まで継続している。その前後に具体的な動きを示している中食の盛況ぶりと併せ考えると、食生活はさまざまな観点で新しいステージを迎えた感はある。

他項目同様、カップ麺もまた、注意深くその動向を見守りたいところだ。


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