一人暮らしの食生活には必需品なお弁当やおにぎり!?…中食系主食の購入動向をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編))(2016年)(最新)

2016/03/11 11:50

フライヤーの機能充実や調理・保存技術の進歩による、主にコンビニにおける提供食品種類の多様化やサービスの拡充の影響を受け、そして先の震災以降のライフスタイルの変化が後押しする形で、食生活の上で中食への注力が目立つようになった。そこで今回は総務省統計局が2016年2月16日付で発表した、【家計調査報告(家計収支編)における2015年分平均速報結果】の各種公開値を基に、お弁当やおにぎり、調理パンなどのような「中食に該当する主食系の食事」の購入性向について、単身世帯(一人暮らし世帯)と二人以上世帯(夫婦世帯)に仕切り分けした世帯種類の違いから、その最新状況を確認していくことにする。

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今回スポットライトを当てる対象項目は、「主食的調理食品」のうち「弁当」「すし(弁当)」「おにぎり・その他」「調理パン」「他の主食的調理食品」とする。また「購入世帯数」「世帯購入頻度」などの言葉の意味は、「家計調査報告(家計収支編)」を用いた先行記事【週刊誌や雑誌、書籍の支出額をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編)・総世帯版)】などで解説しているので、そちらを参照のこと。

まずは月次購入頻度。「二人以上世帯」の場合は夫か妻の片方どちらか、さらには子供が購入しても(子供の小遣いでの調達までは「家計」にはカウントされないため、あくまでも「世帯全体のお財布から買った」もののみ)「購入世帯」として該当することになる。

↑ 2015年における単身・二人以上世帯の月次購入頻度(主食的調理食品)(世帯当たり)
↑ 2015年における単身・二人以上世帯の月次購入頻度(主食的調理食品)(世帯当たり)

月当たり「単身世帯」は平均で2.2回、「二人以上世帯」は1.6回ほど「お弁当」を購入している。イメージ通り「単身世帯」の方が利用性向が高い。一人暮らしをしている人は自分の経験と比べて「この値、少なめではないか?」との感想を抱く人もいるかもしれない。しかし今件は都心部に限らないこと、高齢者まで含まれていることを思い返せば、納得は行くはず。

そして「お弁当」だけでなく、おにぎり、あるいはそれに類するものも「単身世帯」の方が購入性向は高い。単身世帯における、中食を多用した食事事情がすけて見えてくる。

一方で同じお弁当でも「すし(弁当)」や、「他の主食的調理食品(具体的にはピザや冷凍ピラフ、お好み焼きなど)」は「二人以上世帯」の方がはるかに多い。例えば一人暮らしの人がピザのオーダーをしても、一度に食べきるのは難しいことを考えれば、「二人以上世帯」の利用性向が高いのも納得がいく。

今回分2015年と前年2014年分の違いを確認すると、いずれの属性でも増加が確認できる。

↑ 2015年における単身・二人以上世帯の月次購入頻度(主食的調理食品)(世帯当たり)(前年比)
↑ 2015年における単身・二人以上世帯の月次購入頻度(主食的調理食品)(世帯当たり)(前年比)

一部属性だけなら誤差の可能性もあるが、上昇幅はともあれ全属性で増加していることから、単身世帯・二人以上世帯を問わず、中食が進んでいると見て良いだろう。

これを金額ベースで見たのが次のグラフ。「二人以上世帯」では「一人当たり」も試算して、グラフを併記しておく。もっとも子供と大人では消費性向が異なるため、それを平均化しても大きな意味は無い。

↑ 2015年における単身・二人以上世帯の月次「世帯当たり」平均支出金額(主食的調理食品)(二人以上世帯・平均構成人数3.02人)
↑ 2015年における単身・二人以上世帯の月次「世帯当たり」平均支出金額(主食的調理食品)(二人以上世帯・平均構成人数3.02人)

↑ 2015年における単身・二人以上世帯の月次「一人当たり」平均支出金額(主食的調理食品)(二人以上世帯・平均構成人数3.02人)
↑ 2015年における単身・二人以上世帯の月次「一人当たり」平均支出金額(主食的調理食品)(二人以上世帯・平均構成人数3.02人)

購入性向と同じように、「お弁当」「おにぎり・その他」は「単身世帯」の方が、「すし(弁当)」「調理パン」「他の主食的調理食品」は「二人以上世帯」の方が金額的に大きなものとなる(世帯単位で見た場合)。金額面でも「単身世帯」は「二人以上世帯」よりも大いに「お弁当」や「おにぎり・その他」に、ひとり頭単位で考えればそれら以外も含めた中食全体に支えられていることが分かる。

また購入金額で見ても、2015年は前年と比べて増加を示しているのが分かる。なお各金額には消費税が含まれるので2014年4月から実施された消費税率の引き上げが影響している可能性はあるが、実質的に前税率の適用は2014年分は3か月のみであること、前述の通り購入性向も増加していることから、ほとんど影響はないものと見て良い。物価上昇の影響もあり得るが、同様の理由でごくわずかなものと見て良いだろう。

↑ 2015年における単身・二人以上世帯の月次平均支出金額(主食的調理食品)(前年比)
↑ 2015年における単身・二人以上世帯の月次平均支出金額(主食的調理食品)(前年比)

特に単身世帯で増加が著しい。



コンビニの一人用レトルト惣菜「単身世帯」数そのものが増加傾向にあることはすでに複数の調査結果で明らかにされている。例えば【増える核家族と独り身世帯…種類別世帯数の推移をグラフ化してみる(2015年)(最新)】によれば2014年時点の単身世帯数は1366万2000世帯に達している。スーパーや小売店、各種食品販売企業で、お弁当やおにぎりをはじめとした、小口の商品、一人用の食材、使い切りを考慮したパッケージによる商品が増えてくるのも、理解できる。

さらに今後は高齢層人口の増加=需要増加に伴い、少量パッケージの需要はますます増加する。単身世帯向けの中食用商品のうち、特に需要が大きい「お弁当」「おにぎり・その他」部門で、従来品よりも量が少なめの商品展開がより一層活発化することだろう。


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