一人暮らしの食生活には必需品なお弁当やおにぎり!?…中食系主食の購入動向をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編))(最新)

2018/03/09 05:03

2018-0308フライヤーの機能充実や調理・保存技術の進歩による、主にコンビニにおける提供食品種類の多様化やサービスの拡充の影響を受け、そして先の震災以降のライフスタイルの変化が後押しする形で、食生活の上で中食への注力が目立つようになった。そこで今回は総務省統計局が2018年2月16日付で発表した、【家計調査報告(家計収支編)における2017年分平均速報結果】の各種公開値を基に、お弁当やおにぎり、調理パンなどのような「中食に該当する主食系の食事」の購入性向について、単身世帯(一人暮らし世帯)と二人以上世帯(夫婦世帯)に仕切り分けした世帯種類の違いから、その最新状況を確認していくことにする。

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今回スポットライトを当てる対象項目は、「主食的調理食品」のうち「弁当」「すし(弁当)」「おにぎり・その他」「調理パン」「他の主食的調理食品(冷凍食品も含む、他の選択肢に該当しない主食的な調理食品。中華まん、お好み焼、たこ焼、各種グラタン、レトルト食品など)」とする。また「購入世帯数」「購入(世帯)頻度」などの言葉の意味は、「家計調査報告(家計収支編)」を用いた先行記事【週刊誌や雑誌、書籍の支出額をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編)・総世帯版)】などで解説しているので、そちらを参照のこと。なおお菓子の類(「菓子類」の分類。ようかんやまんじゅう、カステラ、ケーキなど)も購入実情を考えれば実質的には中食ではあるが、主食では無いので今回は考察からは除外する。

まずは月次購入頻度。二人以上世帯の場合は夫か妻の片方どちらか、さらには子供が購入しても(子供の小遣いでの調達までは「家計」にはカウントされないため、あくまでも「世帯全体のお財布から買った」もののみ)「購入世帯」として該当することになる。

↑ 単身・二人以上世帯の月次購入頻度(2017年、主食的調理食品)(世帯あたり)
↑ 単身・二人以上世帯の月次購入頻度(2017年、主食的調理食品)(世帯あたり)

月あたり単身世帯は平均で2.9回、二人以上世帯は1.7回ほど「弁当」を購入している。イメージ通り単身世帯の方が利用性向が高い。一人暮らしをしている人は自分の経験と比べて「この値、少なめでは無いか?」との感想を抱く人もいるかもしれない。しかし今件は都心部に限らないこと、高齢者まで含まれていることを思い返せば、納得は行くはず。

そして「弁当」だけで無く、おにぎり、あるいはそれに類するものも単身世帯の方が購入性向は高い。単身世帯における、中食を多用した食事事情がすけて見えてくる。

一方で同じお弁当でも「すし(弁当)」や、「他の主食的調理食品」は二人以上世帯の方が多い。例えば一人暮らしの人がピザのオーダーをしても、一度に食べきるのは難しいことを考えれば、二人以上世帯の利用性向が高いのも納得がいく。

今回分2017年と前回年2016年分の違いを確認すると、大よその属性で増加が確認できる。

↑ 単身・二人以上世帯の月次購入頻度(2017年、主食的調理食品)(世帯あたり)(前年比)
↑ 単身・二人以上世帯の月次購入頻度(2017年、主食的調理食品)(世帯あたり)(前年比)

特に単身世帯では「弁当」「おにぎり・その他」「調理パン」「他の主食的調理食品」と多数の項目で大きな増加を示している。コンビニやスーパーなどでの利用が促進された結果であることがうかがい知れる。二人以上世帯でも「他の主食的調理食品」が大きく伸び、食卓に彩りを添えたり、中華まんのような副食的な食品や、レトルト食品の活用化が進んでいることが透けて見える。

これを金額ベースで見たのが次のグラフ。二人以上世帯では一人あたりの額も試算して、グラフを併記しておく。もっとも子供と大人では消費性向が異なるため、それを平均化しても大きな意味は無い。あくまでも参考値程度。

↑ 単身・二人以上世帯の月次「世帯あたり」平均支出金額(円)(2017年、主食的調理食品)(二人以上世帯平均構成人数2.98人)
↑ 単身・二人以上世帯の月次「世帯あたり」平均支出金額(円)(2017年、主食的調理食品)(二人以上世帯平均構成人数2.98人)

↑ 単身・二人以上世帯の月次「一人あたり」平均支出金額(円)(2017年、主食的調理食品)(二人以上世帯平均構成人数2.98人)
↑ 単身・二人以上世帯の月次「一人あたり」平均支出金額(円)(2017年、主食的調理食品)(二人以上世帯平均構成人数2.98人)

購入性向と同じように、「弁当」「おにぎり・その他」は単身世帯の方が、「すし(弁当)」「調理パン」「他の主食的調理食品」は二人以上世帯の方が金額的に大きなものとなる(世帯単位で見た場合)。金額面でも単身世帯は二人以上世帯よりも「弁当」や「おにぎり・その他」に、ひとり頭単位で考えればそれら以外も含めた中食全体に支えられていることが分かる。

購入金額で見ると、2017年は前年から興味深い動きを示している。

↑ 単身・二人以上世帯の月次平均支出金額(円)(2017年、主食的調理食品)(前年比)
↑ 単身・二人以上世帯の月次平均支出金額(円)(2017年、主食的調理食品)(前年比)

「すし(弁当)」は単身世帯で大きく減少。「おにぎり・その他」「調理パン」は大きな変化は無いが、「弁当」は単身世帯で大幅増加、二人以上世帯では大きな減少。「他の主食的調理食品」は単身世帯も二人以上世帯も大きな増加を示している。中食の浸透に併せ、それぞれの世帯種類の食への方向性の違いが見えてくるような動きではある。



コンビニの一人用レトルト惣菜単身世帯の数そのものが増加傾向にあることはすでに複数の調査結果で明らかにされている。例えば【増える核家族と独り身世帯…種類別世帯数の推移をグラフ化してみる(最新)】によれば2016年時点の単身世帯数は1343万4000世帯に達している。スーパーや小売店、各種食品販売企業で、お弁当やおにぎりをはじめとした、小口の商品、一人用の食材、使い切りを考慮したパッケージによる商品が増えてくるのも、理解できる。

さらに今後は高齢層人口の増加や晩婚化=需要増加に伴い、少量パッケージの需要はますます増加する。単身世帯向けの中食用商品のうち、特に需要が大きい「弁当」「他の主食的調理食品」部門で、従来品よりも量が少なめの商品展開が一層活発化することだろう。


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