一人暮らしの食生活には必需品なお弁当やおにぎり!?…中食系主食の購入動向(家計調査報告(家計収支編))(最新)

2022/02/16 03:05

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2022-0210フライヤーの機能充実や調理・保存技術の進歩による、主にコンビニにおける提供食品種類の多様化やサービスの拡充の影響を受け、そして先の震災以降のライフスタイルの変化が後押しする形で、食生活の上で中食への注力が目立つようになった。そこで今回は総務省統計局が2022年2月8日付で発表した、【家計調査報告(家計収支編)における2021年分平均速報結果】の各種公開値を基に、お弁当やおにぎり、調理パンなどのような「中食に該当する主食系の食事」の購入性向について、単身世帯(一人暮らし世帯)と二人以上世帯(原則夫婦世帯)に区分した世帯種類の違いから、その最新状況を確認していくことにする。

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今回スポットライトを当てる対象項目は、「主食的調理食品」のうち「弁当」「すし(弁当)」「おにぎり・その他」「調理パン」「他の主食的調理食品(冷凍食品も含む、他の選択肢に該当しない主食的な調理食品。中華まん、お好み焼、たこ焼、各種グラタン、レトルト食品など)」とする。また「購入世帯率」「世帯購入頻度」などの言葉の意味は、「家計調査報告(家計収支編)」を用いた先行記事【雑誌や書籍の支出額(家計調査報告(家計収支編)・総世帯版)】などで解説しているので、そちらを参照のこと。なお、お菓子の類(「菓子類」の分類。ようかんやまんじゅう、カステラ、ケーキなど)も購入実情を考えれば中食に相当するが、主食ではないので今回は考察からは除外する。

まずは月あたりの世帯購入頻度。二人以上世帯の場合は夫か妻の片方どちらか、さらには子供が購入しても(子供の小遣いでの調達までは「家計」にはカウントされないため、あくまでも「世帯全体のお財布から買った」もののみ)購入世帯として該当することになる。

↑ 月あたり世帯購入頻度(主食的調理食品、世帯種類別)(2021年)
↑ 月あたり世帯購入頻度(主食的調理食品、世帯種類別)(2021年)

月あたり単身世帯は平均2.5回ほど、二人以上世帯は2.1回ぐらいは弁当を購入している。イメージ通り単身世帯の方が購入性向が強い。一人暮らしをしている人は自分の経験と比べて「この値、少なめではないか?」との感想を抱く人もいるかもしれない。しかし今件は都心部に限らないこと、高齢者まで含まれていることを思い返せば、納得できるはず。

そして弁当だけでなく、おにぎり・その他も単身世帯の方が購入性向は強い。単身世帯における、中食を多用した食事事情がすけて見えてくる。

一方で同じお弁当でもすし(弁当)や、調理パン、他の主食的調理食品は二人以上世帯の方が多い。例えば一人暮らしの人がピザのオーダーをしても、一度に食べ切るのは難しいことを考えれば、二人以上世帯の購入性向が強いのも納得がいく。

今回の2021年分と前回年2020年分の違いを確認したのが次のグラフ。

↑ 月あたり世帯購入頻度(主食的調理食品、前年比、世帯種類別、ppt)(2020年)
↑ 月あたり世帯購入頻度(主食的調理食品、前年比、世帯種類別、ppt)(2020年)

単身世帯の弁当以外は増加、特に二人以上世帯における増加の動きが著しい。新型コロナウイルス流行に影響を受けた中食化が進み、世帯人数の大きい二人以上世帯で、より多くの需要が生じたのかもしれない。

これを金額ベースで見たのが次のグラフ。二人以上世帯では一人あたりの額も試算して、グラフを併記しておく。もっとも子供と大人では消費性向が異なるため、それを平均化しても大きな意味は無い。あくまでも参考値程度。

↑ 月あたり支出金額(主食的調理食品、世帯種類別、円)(2021年)
↑ 月あたり支出金額(主食的調理食品、世帯種類別、円)(2021年)

↑ 月あたり支出金額(主食的調理食品、一人あたり、世帯種類別、円)(2021年)
↑ 月あたり支出金額(主食的調理食品、一人あたり、世帯種類別、円)(2021年)

おにぎりは単身世帯と二人以上世帯でほぼ同額、それ以外は二人以上世帯の方が金額的に大きなものとなる(世帯単位で見た場合)。他方、一人あたりの金額で見るとすべての項目において単身世帯の方が大きな値となる。一人あたりで考えれば単身世帯は二人以上世帯以上に、中食に傾注していることが分かる。

支出金額で見ると、世帯購入頻度同様に2021年は前回年から興味深い動きを示している。

↑ 月あたり支出金額(主食的調理食品、前年比、世帯種類別、円)(2021年)
↑ 月あたり支出金額(主食的調理食品、前年比、世帯種類別、円)(2021年)

単身世帯の弁当のみ減少で、それ以外はすべてで増加。特に二人以上世帯全体と、単身世帯での他の主食的調理食品において大きな増加が生じている。やはり新型コロナウイルス流行で中食化が進んだ動きが数字となって表れているのだろう。とりわけ子供がいる世帯では学校が休校・自宅学習になるケースも多く、当然自宅での食事が増えるため、食事の用意には保護者も頭を痛めているに違いない。そのような状況下では弁当や調理パンなどは、頼りになる存在といえよう。



コンビニの一人用レトルト惣菜単身世帯の数そのものが増加傾向にあることはすでに複数の調査結果で明らかにされている。例えば【増える核家族と単身世帯…種類別世帯数の推移(最新)】によれば2019年時点の単身世帯数は1490万7000世帯に達している。スーパーや小売店、各種食品販売企業で、お弁当やおにぎりをはじめとした、小口の商品、一人用の食材、使い切りを考慮したパッケージによる商品が増えてくるのも、理解できる。

さらに今後は高齢層人口の増加や晩婚化=需要増加に伴い、少量パッケージの需要はますます増加する。単身世帯向けの中食用商品のうち、特に需要が大きい弁当、他の主食的調理食品部門で、従来品よりも量が少なめの商品展開が一層活発化することだろう。

また、新型コロナウイルスの流行という特殊事情で一気に拡大した中食需要が、流行の沈静化・平穏化後も、ある程度は継続する可能性が高い。これもまた、中食用商品の需要における大きな要素に違いない。


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