一人暮らしと夫婦世帯との間の「週刊誌や雑誌、書籍の支出額」の違いをグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編))(最新)

2019/02/22 04:53

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2019-0213先に【週刊誌や雑誌、書籍の支出額をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編)・総世帯版)】において、「二人以上の世帯」と「一人暮らしの世帯(単身世帯)」を合わせた「総世帯」、つまり全部の世帯における、「新聞や雑誌、書籍などの購入度合い」を検証した。今回は「二人以上の世帯」「単身世帯」それぞれ別個の紙媒体の購入頻度や購入額の違いを、2019年2月8日に年次データが更新され直近分となる2018年分が反映された【家計調査報告(家計収支編)】の内容を元に、精査していくことにする。

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単身世帯の新聞購入率は7割足らず


データの取得元だが、場所は【家計調査(家計収支編)調査結果】で先の記事と同じ。そのページにある「4.詳細結果表」の項目から、「二人以上の世帯」「単身世帯」それぞれ別個について、やはり同じように「購入世帯頻度」と「支出金額」を確認する。今回は収録されている年次データのうち、先日更新されたばかりの一番新しいもの、2018年分を用いる。

グラフ中などで使われている「世帯購入頻度」とは、世帯単位での購入頻度を指す。例えば構成員の誰かが特定期間に2回雑誌を購入すれば、その世帯の該当期間における世帯購入頻度は200%。非購入世帯も含めての平均値であることに注意。また、単身世帯は当然構成員が世帯主一人しかいないので、本人のみの購入が計測されることになる。例えば単身世帯で月に4回(≒毎週)週刊誌を購入していれば、その世帯の雑誌の世帯購入頻度は400%となる。

まずは月次の世帯購入頻度。今グラフに関しては「世帯単位での動き」であることに注意。単身世帯は上記にある通り本人のみ、そして二人以上世帯は夫か妻の片方どちらか、さらには子供が購入しても(子供の小遣いによる調達までは「家計」にカウントしきれていないので、あくまでも「世帯全体のお財布から買った」もののみとなるが)「購入世帯」として該当する。

↑ 単身・二人以上世帯の世帯購入頻度(月次、種類別)(2018年)
↑ 単身・二人以上世帯の世帯購入頻度(月次、種類別)(2018年)

雑誌・週刊誌は単身世帯の方が値は高い。世帯の可処分所得のうち自身の趣味に投じる割合を自由に采配できるのが、数字となって表れているのだろう。

「二人以上世帯は単身世帯と比べて、購入する機会を持つ人が2倍以上(少なくとも夫婦)なのだから、世帯購入頻度も2倍ぐらいの差が出るはず。そこまでいかなくとも、二人以上世帯の方が高くなるのは当然」との意見もあるに違いない。その考え方は一理ある。しかしいずれの媒体においても、両種類世帯間で差異はさほど大きなものでは無い。一方で前年比を算出すると、それぞれの世帯でどのような変化が起きたのかが分かる。

↑ 単身・二人以上世帯の世帯購入頻度(月次、前年比、種類別、ppt)(2018年)
↑ 単身・二人以上世帯の世帯購入頻度(月次、前年比、種類別、ppt)(2018年)

紙媒体が苦境の中にあるのは複数の調査結果から明らかにされているが、今件でもそれが表れる内容となっている。二人以上世帯では書籍のみがプラス。新聞はマイナス3.0%ポイント。他方単身世帯では新聞がプラスを示しているものの、雑誌・週刊誌と書籍はマイナス。しかも書籍は1割以上もの下げ幅を示している。

単身世帯における新聞のプラスは、高齢者比率の増加が影響している可能性はある。高齢層が新聞好きなのはよく知られている話だが、単身世帯では特にその傾向が強い。実際、2018年における単身世帯でその年齢階層別の新聞への支出金額を見ると(年齢階層別の世帯購入頻度のデータは公開されていないので、購入者・非購入者を合わせた支出金額から購入動向を推測するしか無い。また新聞単価そのものは種類によって大きな違いは無い)、若年層と高齢層との間で新聞購入への姿勢に大きな違いがあるのが分かる。

↑ 単身世帯支出金額(新聞、月次、年齢階層別、円)(2018年)
↑ 単身世帯支出金額(新聞、月次、年齢階層別、円)(2018年)

単身世帯では34歳までの場合、新聞へは月に200円足らずしか支出していない。他方60歳以上は2000円以上。65歳以上に区切るとさらに金額が上乗せされるため、より高齢になるほど新聞への支出金額が上乗せされることは容易に想像できる。

ちなみに家計調査における単身世帯での抽出率調整後の世帯分布を見ると、高齢層は増加の一途をたどっている。

↑ 単身世帯・世帯数分布(抽出率調整、年齢階層別)
↑ 単身世帯・世帯数分布(抽出率調整、年齢階層別)

新聞をよく読む高齢層の回答者数比率が増えれば、単身世帯全体の世帯購入頻度の値が前年比でプラスとなる結果が出ても、何ら不思議では無い。

金額ベースで動きを見てみよう


この動きを金額ベースで見たのが次のグラフ。子供の存在を考えると数字に大意は無い(大人と子供で購入性向は大きく異なるにもかかわらず、それらをまとめて計算してしまう)のだが、一応二人以上世帯では「一人あたり」も(平均世帯構成人数から)算出して、グラフを併記しておく。

↑ 単身・二人以上世帯の支出金額(二人以上世帯の平均構成人数2.98人、月次、種類別、円)(2018年)
↑ 単身・二人以上世帯の支出金額(二人以上世帯の平均構成人数2.98人、月次、種類別、円)(2018年)

↑ 単身・二人以上世帯の支出金額(二人以上世帯の平均構成人数2.98人、月次、一人あたり、種類別、円)(2018年)
↑ 単身・二人以上世帯の支出金額(二人以上世帯の平均構成人数2.98人、月次、一人あたり、種類別、円)(2018年)

雑誌・週刊誌において世帯購入頻度は単身世帯の方が上だった。そして金額面でも単身世帯の方が上の結果が出ている。一人あたりの計算では当然、しかも差異が開く形で単身世帯の方が上になる。二人以上世帯の紙媒体離れだけで無く、単身世帯の(高齢化による比率相対的な)購入額の積み上げが同時に起きているのだろう。



「新聞は二人以上世帯の方が世帯購入頻度が高い」「単身世帯では雑誌・週刊誌や書籍離れが進んでいる」「二人以上世帯では穏やかながらも新聞や雑誌・週刊誌離れが進んでいる」「単身高齢世帯の増加に伴い、単身世帯では新聞の購入性向の底上げの可能性がある」など、業界を取り巻く現状・環境の再確認ができたことになる。

今後他調査などで各業界の動向を精査する際にも、今回の結果が役に立つに違いない。


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