総計39.9万台、小型テレビの売れ行きが特に不調(薄型テレビ出荷動向:2013年2月分)

2013/03/25 07:55

電子情報技術産業協会(JEITA)は2013年3月22日、【民生用電子機器国内出荷統計】の情報更新を行い、2013年2月分のデータ開示を行った。それによると2013年2月の薄型テレビの出荷台数は39.9万台となり、前月比でプラス19.8%、前年同月比でマイナス31.8%の動きを示している。今回は先月記事に続く形で、薄型テレビ、さらにはテレビと深い関係のあるBD(ブルーレイディスクプレイヤー・レコーダー)の小売市場への出荷動向をグラフ化し、状況の把握を行うことにする。

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データ取得元の詳細やデータ内容に関する諸注意、また「出荷数」の定義などは一連の記事のまとめページ【定期更新記事:薄型テレビなどの出荷動向(電子情報技術産業協会(JEITA))】を参照してほしい。

まずは純粋な出荷台数。公開統計値に「薄型テレビ」の項目が登場した2009年以降は薄型テレビ全体とBD(それ以前は「プラズマ」「液晶」で分離掲載されている)、さらに薄型テレビは2010年以降の限定となるが、画面サイズによる区分が記されているため、そちらも合わせてグラフ化する。

最初に挙げるのは直近2013年2月分の出荷台数。合わせて前月比・前年同月比を算出し、グラフ化する。

↑ 薄型テレビ・BD国内出荷実績(万台)(2013年2月分、JEITA発表)
↑ 薄型テレビ・BD国内出荷実績(万台)(2013年2月分、JEITA発表)

↑ 薄型テレビ・BD国内出荷実績(前月比・前年同月比)(2013年2月分、JEITA発表)
↑ 薄型テレビ・BD国内出荷実績(前月比・前年同月比)(2013年2月分、JEITA発表)

冒頭でも触れた通り、2013年2月の薄型テレビ国内出荷台数は39.9万台。年末商戦の期間の直後の閑散期にあたり、数を大きく減らした1月を上回る値を示している。一方で季節変動を無視できる前年同月比ではマイナス3割を超える値を継続中。これは以前の記事でも記した通り、2011年7月に行われたアナログ波停波に伴う、それ以前、さらにはその直後までをも含めた、数年間の買い替えラッシュの反動に他ならない。停波からすでに1年半が経過しているが、それでもなお停波前の活況が原因の反動による下落は続いており、業界にとっては頭痛のタネ。

【カラーテレビの買い替え年数をグラフ化してみる(2012年分対応版)】の通り、テレビは普通8-10年単位で買い替えが行われる。1年や2年で(過去数年間続いた)「特需」の反動が収まるとは思えない。販売台数そのもののグラフ、さらには台数の前年同月比を算出してグラフを構成しても、「停波前特需、特に年末・年度末」「停波直前特需」「停波後の年の年末に購入」の3つの上昇に繋がる波があり、それ以降は停波後、押し並べて軟調な動きで推移しているのが改めて確認できる。

↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、万台)
↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、万台)

↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、前年同月比)
↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、前年同月比)

薄型テレビの型別に動向を確認すると、グラフ中にも吹き出しで特記したアナログ波停止までは小型-中型が売れていたが(特に停波まで一年を切ったあたりで、その傾向が強くなる)、2012年に入ってからは大型の健闘(前年同月比でマイナスなことに変わりは無く、小型や中型と比べてマイナス幅が小さいだけの話だが)が確認できる。具体的には地デジ切り替えまでは緑色(大型)と青色・赤色(小型・中型)の差が大きく開いていたものの、切り替え後はその差が縮まり、「前年同月比」ではむしろ緑色が位置的に上に達するという動きが該当する。

これは購入者側の立場で考えると、地デジへの切り替えの際に「とりあえず一台だけでも」と小型・中型のテレビの買い替えをした後、大型への切り替えに入ったものと考えれば納得ができる。また昨今の大型テレビの価格下落(多分にだぶつきや他に比較する機能がさほどない)も、大型のテレビを購入を後押しするきっかけ。無論買い替えでは無く、新規購入派の対象も37型以上の大型にスライドしていると考えられる。

2010年夏の切り替え啓蒙運動の成果、さらには地デジ切り替え直前の駆け込み需要が、非常に大きなものだったことが、グラフにおける上昇幅の高さからうかがえる。そして切り替え後は「特需」が終結、低迷状態が継続中であることが分かる。

大型テレビの売り場特に注目すべきは、「前年同月比」のグラフにおいて、地デジへの切り替えによる需要の大幅な減退により、値のマイナス化が起きた2011年夏季から1年が経過した2012年秋季以降でも、前年同月比がマイナスのままなこと。2012年夏までは「前年同月が地デジ特需でプラスだから、それとの比較になるのでマイナス値でも仕方がない」とする説明もできたが、それ以降は理由づけにならない。むしろ「前年同月が大きくマイナスだったので、今年はプラスになるはず」という説明までできてしまう。しかし現実は前年同月比でマイナス値を示したまま。

一方で前年同月比のマイナス値そのものは2012年7月の下落をピークに、以前よりも小さくなっていることから、少しずつだが改善の方向へ歩みを見せているのも事実。無論「状況の相対的な改善」「下げ幅の縮小」に留まり、「販売台数の拡大」にまでは届いていない。「前年同月比」のグラフでプラスに転じるまでは(マイナス域にいる間は)、出荷の縮小が続いていることには違いない。

最後に季節変動を考慮しなくても済むもう一つの切り口によるグラフとして、個々月の毎月動向を経年で比較した形にしたのが次のグラフ。毎年年度末・年末にテレビが売れること、その翌月である1月は反動もあり販売台数が大きく落ち込むこと、そして2010年の年末は「当時(2010年)の翌年(2011年)に放送の切り替えが行われる」ことから良い機会として、爆発的な売れ行きを示したのがグラフの長さからも分かる。

↑ 薄型テレビ国内出荷実績(万台)
↑ 薄型テレビ国内出荷実績(万台)

今年2013年は2月分までそろったが、1月・2月共に月単位で見ても2011年をピークとして減少が続いているのが見て取れる。毎月確認をしている「チェーンストア」「景気ウォッチャー」で数か月ほどはテレビ関係商品の不調が言及されていたが、前者では2か月前のレポートでは特記が消え、直近期ではさらにBDレコーダー・プレイヤーの堅調ぶりが記されていた。テレビ本体の「大幅な売れ行き減」は峠を越え、BDなどの周辺機器は前年同月比でもプラスを果たしており、ほんのわずかずつだが風向きが変わってきた雰囲気を覚える。

先月概算した通り、現在の動きがこのまま継続した場合、今年の夏ごろには大型テレビの前年同月比が、プラスマイナスゼロに届くことになる。しかしテレビそのものの寿命、さらにはテレビが映し出す(、そしてテレビ購入の最大要因であるはずの)コンテンツの質の問題まで合わせて考えると、あまり楽観視に過ぎるのも問題。場合によってはマイナス幅の減少の足踏みが続く可能性もある。それらの点も含め、今後もテレビ及びその関連の出荷動向には留意を払いたいところだ。

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