シニアの自動車運転意識、楽しい? 運転したい?

2013/03/22 07:55

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自動車運転ゲインは2013年3月13日、同社が運営するアンケートサイトQzooにおいて実施した「シニアの車の運転に関する意識調査」の結果を発表した。それによると60-70代で自動車を所有する男女から成る調査対象母集団においては、全体の4割強の人が「運転は楽しいし積極的に運転したい」と考えていることが分かった。一方で1/3強は「運転は楽しいができれば運転したくない」、2割強は「仕方なく運転している。できれば運転したくない」と考えている(【ゲイン公式ページ】)。


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今調査は2013年3月2日から3日にかけてインターネット経由で60-70歳の自動車を保有する男女に対して行われたもので、有効回答数は300人。男女比は1対1、居住地域比率は都市部対地方が3対2。世代構成比は非公開。

高齢化や老化を起因とする事故が報じられるたびに問題視されるシニアの自動車運転。運転する本人でも8割近くは何らかの不安を覚えている。先日【自分の運転に自信が無いシニアドライバー3割強、不安に覚えるのは「判断力の衰え」】でも触れた通りだが、特に判断力の低下に対する不安が大きい。

↑ 運転する上で不安に感じていること(複数回答)(再録)
↑ 運転する上で不安に感じていること(複数回答)(再録)

それでは当事者たちは、自動車運転そのものにどのような思いを抱いているのだろうか。運転が楽しいか否か、そして運転したいのかしたくないのかに関し、3つの選択肢から一番自分の気持ちに近いものを選んでもらった結果が次のグラフ。

↑ 自動車運転に対する気持ち
↑ 自動車運転に対する気持ち

全体では44.3%が「運転は楽しい・積極的に運転したい」。一方で34.3%は「運転は楽しいができれば運転したくない」、21.3%は「仕方なく運転している。できれば運転したくない」と答えている。具体的理由の一部もリリースにはあるが、それによると「楽しい・できれば運転したくない」では「自分では大丈夫だと思っているが、子供からよく運転について注意される」「事故を起こさないように不安を感じながの運転が疲れる」、「仕方なく・運転したくない」では「買い物が不便なので運転せざるを得ない」「母の病院の送迎に必要」などが挙げられている。

男女別では男性の「積極運転したい」率が高く、女性と14%ポイントもの差が出ている。男性の運転への自信のほどが見えてくる(男性が女性よりも運転の上で自信を持つ人が多いことに関しては、すでに「自分の運転に自信が無いシニアドライバー3割強-」で解説ずみ)。他方女性は「仕方なく運転」の回答率が高いが、これは直上で触れた通り日常生活の中で「生活の足」として自動車が必要不活になっている状況を表している。

この「可能ならば運転はしたくない。けれども普段の生活で自動車が使えないと非常に不便になる」状況は、都市居住者と比べて「仕方なく」の割合が高いという、地方居住者の結果にも表れている。都心部のように徒歩の行動範囲内で公共機関・商業施設の多くへたどり着けるような便宜性が無い以上、行動領域を広げられる自動車の存在は、まさに「生命線」に他ならない。しかし体力などの衰えを覚え、運転のリスクを実感しているため、やむ無く運転している感はある。

高齢者と自動車の問題を考える際には、この「できれば運転したくない」層において「なぜ運転しているのか、せざるを得ないのか」に配慮しなければならないのは、言うまでもあるまい。


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