前年より改善も厳しさは続く…大学生の2013年1月末時点での就職率は81.7%・前年比1.2%ポイントのプラス

2013/03/16 15:00

厚生労働省は2013年3月15日、2012年度(2012年4月1日-2013年3月31日)の大学など新卒者の就職状況に関する最新調査結果を発表した。それによると2013年2月1日(1月末)時点での大学新卒者の就職内定率(就職希望者に占める就職(内定)取得者の割合)は81.7%だったことが明らかになった。これは昨年同時期より1.2%ポイント改善されている(【発表リリース(平成24年度「大学等卒業予定者の就職内定状況調査」)】)。また、同省では同日【高校・中学新卒者の就職(内定)状況(平成24年度「高校・中学新卒者の求人・求職状況・内定状況取りまとめ」)】も発表しており、それによれば高校新卒者の就職(内定)率は88.3%となり、昨年同期から1.9ポイントの増加(改善)を見せていることも分かった。

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今調査は全国の大学、短期大学、高等専門学校、専修学校の中から、設置者・地域の別などを考慮して抽出した112校に対して行われたもの(調査校の内訳は、国立大学21校、公立大学3校、私立大学38校、短期大学20校、高等専門学校10校、専修学校20校)で、調査対象人員は6250人(大学、短期大学、高等専門学校併せて5690人、専修学校560人)。各大学などにおいて、所定の調査対象学生を抽出した後、電話・面接などの方法により、性別、就職希望の有無、内定状況などにつき調査をしている。なお高校・中学卒業予定者に対しての調査は、学校や公共職業安定所の紹介を希望する生徒の状況をとりまとめたもの。

公表された調査結果によると、2013年2月1日時点で大学の就職内定率は81.7%。前年同期と比べて1.2ポイントのプラスとなる。

↑ 中卒-大卒予定者の就職内定率(2013年1月末時点と2012年同時期)
↑ 中卒-大卒予定者の就職内定率(2013年1月末時点と2012年同時期)

元々短期大学の就職内定率は大学や高専と比較して低い傾向にあるが、今年は幸いにも他の学歴同様に上昇した。前年同期における伸び率は今回調査対象となった諸学校の中で一番高く、実に11.9%ポイントもの増加を見せている。先日発表された景気ウォッチャー調査の最新版【2013年2月分の景気ウォッチャー調査結果は現状・先行き共に上昇】でも雇用関連指数は良い値を示しており、状況の改善が進んでいることがうかがえる。

就職率が最も高いのは高等専門学校。これは以前【日本における学歴・性別と失業率との関係をグラフ化してみる(2011年版)】などでも触れているように、高専の卒業生が求人側の需要に合致しやすいため。この「企業側にとっては即戦力となりにくい」という状況が、いわゆる「大学離れ」の一因との説もある。

このうち大学(国公立・私立の合計、個別)について、男女別に見ると次のようなグラフになる。

↑ 国公立・私立大の男女別就職内定率(2013年1月末時点と2012年同時期)
↑ 国公立・私立大の男女別就職内定率(2013年1月末時点と2012年同時期)

国公立大男女を除き、昨年同時期と比べていずれも高い値を見せている。前回調査分では男子国公立大学生のみが前年同期比でマイナスだったが、今回は女子国公立大学生もマイナスに転じてしまった。国公立大の就職状況の厳さがさらに際立っている感がある。

直近10年間における内定率推移をグラフ化すると、次の通りとなる。「昨年・一昨年よりは」改善しているものの、依然厳しい状況には違いない。

↑ 就職(内定)率の推移(大学・全体)
↑ 就職(内定)率の推移(大学・全体)

今件グラフ範囲内だけで見ると「数年前の底値から、状況は順次回復傾向にある」との感想を得られる。とはいえ金融危機・リーマンショックによる、内定率に影響が出始める前の同期値(8割後半-9割近く)にはまだ戻していない。

今回発表資料では上記で苦境について触れた国公立大学男女だが、就職内定率だけでなく就職希望率も低迷している。男子はマイナス1.5%ポイント、女子はプラスだが0.2%ポイント(女子の学校別区分中最小値)。男子の場合はとりわけ「今年度に卒業予定でも就職を希望しない人」の割合が増えていることを意味しており、注意を要する。就職希望率が下がっている(=内定率算出の際の母数が減る)にも関わらず、内定率も下がっている国公立大学男子の就職内定状況は、想像以上に厳しいようだ。



高卒者の内定率も上昇、つまり就職状況は改善している。内容を確認すると高校新卒者においては、

・求人数は22.1万人。前年同期で9.9%増
・求職者数は17.1万人。前年同期で3.1%増
・就職(内定)者は15.1万人。前年同期で5.3%増

との値となっている。求人数が大幅に増え、求職者はそれなりに増加。結果として(高卒者側から見れば)就職状況は改善の動きを見せている。求人倍率は1以上(1.29)と、「求人数>>求職者数」ではあり、前回調査結果の1.18倍からさらに改善しているが、企業と求職者のマッチングを考えれば、未だに安穏とできる状況ではない。

また【大卒正社員率は82.7%…学歴や年齢別の若者労働者の正社員・非正社員割合をグラフ化してみる】でも指摘しているように、中高生は正社員以外(非正規雇用)の雇用形態比率が大きく、昨今の経済状態を踏まえて雇用調整がしやすい形での内定を出している可能性もある。さらに【3年で中卒者は2/3、高卒者は4割が離職…学歴別・就職後の離職状況をグラフ化してみる(2011年版 子供・若者白書)】で指摘している通り、中高卒は大学卒と比べて短期間での離職率が高い。中高生の就職率が高いこと自体は喜ばしい話だが、一概に諸手を挙げて喜ぶのは、まだ気が早いかもしれない。

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