店舗数漸減と規模拡大は継続…CDレンタル店舗数をグラフ化してみる(最新)

2017/10/14 05:06

2017-1013日本レコード協会は2017年10月13日、2017年度におけるCDレンタルショップの動向をまとめた報告書の概要【CDレンタル店調査2017年度概要】を発表した。そこで今回はこのデータを基に、最新のCDレンタル店の動向を複数のグラフとして描き起こし、状況の精査を行うことにした。

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店舗数減少継続、店舗規模拡大化再開


同調査は店舗規模・業態を勘案したサンプル調査方式で、900店を訪店調査した結果によるもの(全店舗数は2184店舗)。それによれば2017年度におけるCDレンタル店舗の特徴として、

・店舗数減少傾向は緩やかだが継続

・大型化は継続中

・CD総在庫は減少だが1店舗あたりの在庫は増加継続

などの傾向が確認できる。

まずは店舗数の動向。今データでは2016年分まではその年の年末、最新の2017年分は2017年6月末時点のを適用している。

↑ レコード・CDレンタル店数の推移(各年年末、店舗数)(最新年は6月末時点)
↑ レコード・CDレンタル店数の推移(各年年末、店舗数)(最新年は6月末時点)

ゆるやかなカーブを描いてはいるが、減少傾向を続けていることに違いは無い。直近の変化率は前年比でマイナス1.8%(41店舗減)とゆるやかに見えるが、6月末時点までの値で計算した減少率であり、あと半年丸々残っている(=さらに店舗数が減少する可能性がある)ことを考えると、予断を許さない状況が続いていることは否定できない。

店舗面積の上では、拡大から横ばい、そして再び拡大化の動きが見受けられる。

↑ CDレンタル店のコーナー別店舗面積(1店舗平均、平方メートル、コーナー別)
↑ CDレンタル店のコーナー別店舗面積(1店舗平均、平方メートル、コーナー別)

データを確認できるもっとも古い1994年以降、「その他」の売り場も含めた平均店舗面積は拡大を続け、「店舗数の縮小」と共に「業態の多様化・兼業化の促進」と「規模の拡大」、さらには「小規模店舗の統廃合、自然淘汰」が行われていた。

ところが2009年にイレギュラー的な落ち込み、そしてそれを乗り越えて2010年にさらなる増加を見せたものの、その年をピークとし、2011年以降はこれまでとは逆に減少の動きを示した。過去において面積増加の牽引力だった「その他(つまり複合業態)」「レンタルビデオ」共に減少しており、トレンドが「拡張一本やり」から変化した雰囲気があった。

しかしながら2013年ではその流れから再び舵を切り直して増加の動きに転じ、以降直近の2017年に至るまで、その流れが続いている。直近年ではこれまでピークの2010年の値すら超えて、今後さらに増加する可能性は高い。かつての傾向の通り「店舗数減少」「店舗面積拡大」といった集約的方向に動き出したようだ。

1店舗あたりの在庫数はやや増加


レンタル用CDの在庫だが、今世紀初頭から続いている「シングルの減少」「アルバムの増加」の傾向に大きな変化はない。総枚数はデータが確認できる1994年以降では以前のピークの1997年・4504万枚を超え、2014年時点で最大の4750万枚に達した。店舗数の減少と大型店舗化(、小規模店舗の閉店・合併など)の動きでは後者が前者を上回るスピードだったために総在庫数は増加の一途をたどっていたが、直近の2017年はシングル、アルバム共に前年と比べ減少しており、総数も前年比でわずかな減少を見せ、4557万枚となった。店舗数の減少によるところが少なくない。ただし1店舗あたりの平均在庫数は相変わらず増加中。

↑ CD総在庫数(千枚)
↑ CD総在庫数(千枚)

↑ 1店舗平均在庫数
↑ 1店舗平均在庫数

店舗平均のアルバム在庫中は漸増する一方で、シングルは減少の動きを示していた。しかしこの数年、具体的には2011年を底値に再び増加の方向に舵を取りつつある。ただし直近年の2017年は前年比で大きく減少。シングルからアルバムへの需要の変化が急速化し、店舗あたりの平均値にも再び反映されはじめたようだ。

各店舗側は在庫を増やすことで一人でも多くの顧客の需要に、しかも即時に応えられるよう、努力しているように見える。デジタルメディアと異なり物理メディアでは、在庫不足は顧客が店舗で示す「衝動的な需要」に応えられない可能性を生み出し、それは大きな機会損失になりうるからだ。メジャータイトルなら「貸し出し中」の喧伝は逆に人気のバロメーターとなり、宣伝効果も期待できるのだが。

また、ずらりと在庫を並べて充実感を演出することで、潜在的需要の掘り起しを生み出す期待もできる。充実した図書館に足を運ぶと、つい手に取って目を通したり、借りたくなる、あの現象である。多くの在庫は利用客の安心感を想起させる。

なおCDシングルの在庫総数の全体に占める比率は低く、大部分がアルバムCDの状態が続いている。2017年では枚数換算で94.7%がアルバムCDで占められており、この比率は年々増加しつつある。総在庫数に占めるCDシングルの割合が5%を切る、つまり20枚のレンタルCDのうちシングルは1枚しかない状況も、もう間もなくのことだろう。

なお各店舗の在庫CD枚数による店舗「数」シェアだが、この数年は概して大量在庫店舗の比率が増加する傾向にある。これもまた、「顧客の需要に即時対応できる店舗=大型化」の傾向の裏付けとなる。2017年では最大区分の「1万5000枚以上/店」の店舗比率が2/3を超える状態が2016年から継続する形となった。

↑ CD在庫規模別店舗数分布
↑ CD在庫規模別店舗数分布

2011年から数年は中堅規模(4000-6999枚)の店舗シェアが持ち直しの動きを見せていたが、2014年で大きく後退。その動きは現在まで続いている。4000-6999枚の店舗数も顕著に減り、その分が数字的には大規模店舗にシフトした形となっている。直近年は1万5000枚以上の超大型店の比率が前年比で減り、その分1万-1万4999枚の準大型店の比率が大きく増えた形となったが、1万枚以上で仕切り分けすればますます大型店舗へのシフトが進んでいることに違いは無い。

兼業傾向は相変わらず不明


残念ながら今件レポートでは該当店舗の兼業状況について、2010年度のレポートを最後に、数字の公開は行われなくなった。個別業種の区分が難しくなり(多種多様化したため)、個々の業態に該当するか否かを見極めカウントするのが不可能になったからかもしれない。最近ではスナック菓子や雑貨の販売まで始めるレンタルショップすら見受けられる。

レポートではそれを裏付けるかのように、店舗面積の内訳の解説で「その他」の項目の増加に関して「前年比6.5%増の507平方メートルとなり、CDレンタル店におけるCDやDVDのレンタル以外の書籍・コミックのレンタル・販売等のサービスの拡大傾向が続いている」と説明しており、レンタル店が単なるCDやDVDのような光媒体の映像メディアの貸し出しだけでなく、多種多様なエンターテインメントツールのレンタル、さらには販売にまで手を広げ、総合アミューズメント・レンタル店の様相を呈していくようすが想像できる。あるいはソフトメディアレンタル&セールショップと表現すべきか。

↑ CDレンタルショップの兼業状況(2010年分までのもの、再構築の上で再録)
↑ CDレンタルショップの兼業状況(2010年分までのもの、再構築の上で再録)



レンタルショップの店舗数の減少は続いている。この流れは【書店数とその坪数推移をグラフ化してみる】【本屋の場所、大きさ別・雑誌やコミックの売上全体に占める割合をグラフ化してみる】でも指摘しているような、書店業界の動きと何ら変わりが無い。ピーク時の1989年当時と比べて、すでに4割足らずに減っているのが現状ではある。

スマートフォンに代表される、モバイル端末の普及率がさらに高まり、デジタル機器に慣れ親しんだ世代(デジタルネイティブ)が歳を重ねていくにつれ、CDそのものやCDレンタルの需要は減少していく。音楽もデジタル経由で、自分の好きな曲だけを選択して、聴きたいと思ったその時点でダウンロード購入し、すぐに耳にできる時代。さらには定額制による聴き放題サービスも浸透を続けている。今後も試行錯誤を繰り返しながら、CDレンタルショップは自らの長所を活かす様態に変化を重ね、進化を遂げていくに違いない。


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