確実に進む「映画館離れ」とその理由

2013/03/18 08:45

映画館ライフメディアのリサーチバンクは2013年2月27日、映画に関する調査結果を発表した。今調査はこの数年間毎年一回、ほぼ同一条件で行われており、映画鑑賞に関する動向を確認できる。そこで今回は直近の2013年分も含めた3年間における、映画館で映画を観る頻度、さらには映画そのものは観るものの「映画館では」映画を観ない理由について見ていくことにする(【発表リリース】)。

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今調査のうち2013年分は同年2月15日から20日にかけて10-60代の男女に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1397人。男女比・10歳単位での世代構成はほぼ均等割り当て。2012年・2011年分もほぼ同一条件で行われており、比較対象が可能な値といえる。

先日【「映画館離れ」なのか「映画離れ」なのかを考えてみる】でも記した通り、この3年間で確実に映画そのものから離れる人が増えているが、それでも9割以上の人は(媒体はともあれ)映画を観ている。

↑ 映画を観る頻度(媒体問わず)(再録)
↑ 映画を観る頻度(媒体問わず)(再録)

それでは映画を観る人のうち、「映画館で」観る人はどれ位いるのだろうか。また観る人はどの程度の頻度なのだろうか。その変移を示したのが次のグラフだが、「映画そのものを観る人」の動向からある程度予測がついた通り、「映画館で」観る人も漸減、観ている人もその頻度を減らしている。

↑ 映画館で映画を観る頻度(「映画は観ない」以外)
↑ 映画館で映画を観る頻度(「映画は観ない」以外)

明らかに「映画離れ」と共に「映画館離れ」が起きているのが分かる。無論『「映画館離れ」なのか「映画離れ」なのかを考えてみる』でも記した通り、「映画館離れ」だけが「映画離れ」の原因ではない。他の媒体経由でも映画鑑賞傾向は減りつつある。

さてそれではなぜ映画館にいかないのか。この項目に関しては2011年分のが見当たらず、2012・2013年の2年分の比較しかできないが、ある程度の動きは分かる。

↑ 何故映画館には行かないのか(映画は観るが映画館には行かない人限定)(複数回答)
↑ 何故映画館には行かないのか(映画は観るが映画館には行かない人限定)(複数回答)

明確な理由では「自宅で観る方が楽」「観たい映画が無い」のみ回答率が上昇。先の記事でも挙げた通り、自宅内での映画観賞環境が整備され、映画館での鑑賞との差異が縮まり、対価や時間を費やしてまでのメリットを感じなくなった。その現象がさまざまな理由に分割された感はある。

また「観たい映画が無い」に関しては「映画離れ」を引き起こす一因でもあるが、映画界そのもの不調の他に「以前と比べて映画より楽しめる娯楽が増えたから」という見方もある。要は「他の娯楽に費やす時間やお金と引き換えにするほど、魅力ある映画が無い」とするもので、個々の価値観における相対的な地位の下落とでも呼べばよいだろうか。「特に理由は無い」とする意見が大きく上昇しているが、「深く考えるような要素を見いだせない」ほど、映画館での映画鑑賞の価値が回答者からは失われていると考えれば、もの悲しい話ではある。

ちなみに回答方法・選択肢が異なるので比較はできないが、リサーチバンクが2000年に行った映画関連の調査では、「全体を対象としたアンケートによる、『劇場での映画鑑賞の頻度』の結果」は次の通りとなる。

↑ 参考・あなたは劇場で映画をどのくらい見ますか?(2000年)(全体比)
↑ 参考・あなたは劇場で映画をどのくらい見ますか?(2000年)(全体比)

月一以上の頻度で映画館に足を運ぶ人は3割超え。「映画は観ない」人も合わせた、調査対象母集団全体における値であることを考えれば、今と比べて非常に高い比率である。10年強の間に娯楽・時間消費の選択肢が増え、映画館で映画を観ることの優先順位がどれほど下げられたかを、あらためて知ることができよう。


■関連記事:
【映画を月一以上で観る人約1/3、ただしメディアは映画館よりも地上波テレビ】

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