なぜ「映画は観る」けど「映画館では観ない」のか

2013/03/14 07:55

自宅で映画鑑賞ライフメディアのリサーチバンクは2013年2月27日、映画に関する調査結果を発表した。それによると調査対象母集団のうち映画を観る人で、テレビなどでは観るものの映画館で観ない人に対し、その理由を聞いたところ、もっとも多い人が挙げたのは「自宅で観る方が楽」というものだった。約半数が同意を示している。ほぼ同数で「入場料が高い」が続いている(【発表リリース】)。

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今調査は2013年2月15日から20日にかけて10-60代の男女に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1397人。男女比・10歳単位での世代構成はほぼ均等割り当て。

先に【映画を月一以上で観る人約1/3、ただしメディアは映画館よりも地上波テレビ】で記した通り、今調査対象母集団においては、媒体はともあれ映画を観る人は90.6%に達している。

↑ 映画を観る頻度(媒体問わず)(再録)
↑ 映画を観る頻度(媒体問わず)(再録)

そして【「映画は観る」けど「映画館で半年に一度以上観る」人は半数に届かず】で解説したように「映画は観るが映画館には行かない」人は、「映画を観る人」の9.0%に及んでいる。

↑ 映画館で映画を観る頻度(「映画は観ない」以外)(再録)
↑ 映画館で映画を観る頻度(「映画は観ない」以外)(再録)

この9.0%の人に、「なぜ映画を観るのに映画館へ行かないのか」を聞いたのが今回の項目。もっとも多くの人が理由として挙げたのは、「自宅で観る方が楽」とするもので、50.9%に達していた。

↑ 何故映画館には行かないのか(映画は観るが映画館には行かない人限定)(複数回答)
↑ 何故映画館には行かないのか(映画は観るが映画館には行かない人限定)(複数回答)

放映時間が限られる、自宅からは距離がある、中で寝そべるなどの自由行動も不可能となれば、確かに自宅でゆっくりと気を落ち着かせて観賞した方が、楽には違いない。しかし映画館には「テレビやDVDソフトより先行して話題作が観られる」「他のお客との一体感」「大迫力スクリーンでの臨場感」など、自宅の観賞では得られない体験が得られる……はずなのだが、家庭内テレビをはじめとしたオーディオ機器の高性能化で、その「特徴」がさほどメリットとして感じられなくなったことが、「この程度の差なら自宅での方が」との判断を下させたのだろう。

映画館の同時上映この「自宅での映画観賞の環境の充実化」に伴う、映画館での鑑賞とのメリットの縮小が、第2位の「入場料が高い」にも結び付いている。「大した差は無いのにこの金額は高い」というのが本音。映画館での映画鑑賞そのものの価値は低下しているどころか、整備により上昇しているはず。それでも「高い」扱いされてしまうのは、相対的に無料のテレビ観賞の質が上がっているからに他ならない。

「近くに映画館が無い」「長時間座っているのが嫌」「他の客が気になる」などは、映画館としては仕方のない話。これらをすべて解消するには、大型トラックに個室を多数設けて個人ベースで映画が観賞できる、移動型の映画館を創るしかない。しかし採算が取れるはずもなく、これら「行かない理由」は映画館の宿命ともいえる。やはり問題なのは上位2つ。

最近では3D映画や多数映画の同時放映、さまざまな休憩施設の充実など、映画館側も付加価値を盛り込むことで映画館での映画鑑賞のメリットを増やそうとしている。しかし成果は今一つのようだ。何か抜本的な変化、発想の転換すら必要なのかもしれない。

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