総計33.3万台、年明けで大きく売上落ち込み前月・前年同月比共にマイナス(薄型テレビ出荷動向:2013年1月分)

2013/03/07 08:45

電子情報技術産業協会(JEITA)は2013年2月22日、【民生用電子機器国内出荷統計】の情報更新を行い、2013年1月分を発表した。それによると2013年1月の薄型テレビの出荷台数は33.3万台となり、前月比でマイナス61.0%、前年同月比でマイナス38.2%の動きを示している。今回は先月記事に続く形で、薄型テレビ、そしてテレビと深い関係のあるBD(ブルーレイディスクプレイヤー・レコーダー)の小売市場への出荷動向をまとめていくことにする。

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データ取得元の詳細やデータ内容に関する諸注意、また「出荷数」の定義などは一連の記事のまとめページ【定期更新記事:薄型テレビなどの出荷動向(電子情報技術産業協会(JEITA))】を参照してほしい。

さてまずは純粋な出荷台数。統計値に「薄型テレビ」の項目が登場した2009年以降は薄型テレビ全体とBD(それ以前は「プラズマ」「液晶」で分離掲載されている)、さらに薄型テレビは2010年以降限定だが、画面サイズ区分が記されているため、そちらも合わせてグラフ化する。

最初に挙げるのは直近2013年1月分の出荷台数。合わせて前月比・前年同月比を算出しておく。

↑ 薄型テレビ・BD国内出荷実績(万台)(2013年1月分、JEITA発表)
↑ 薄型テレビ・BD国内出荷実績(万台)(2013年1月分、JEITA発表)

↑ 薄型テレビ・BD国内出荷実績(前月比・前年同月比)(2013年1月分、JEITA発表)
↑ 薄型テレビ・BD国内出荷実績(前月比・前年同月比)(2013年1月分、JEITA発表)

冒頭でも触れた通り、2013年1月の薄型テレビ国内出荷台数は33.3万台。年末商戦の期間の直後の閑散期にあたり、前月比で大きくマイナス値を示している。さらに季節変動を無視できる前年同月比でもマイナス3割を超える値。これは以前の記事でも記した通り、2011年7月のアナログ波停波に伴う数年間の買い替えラッシュの反動。停波からすでに1年半近くが経過しているが、それでもなお停波前の活況の反動は続いており、業界にとっては好ましくない状況であるのが分かる。

【カラーテレビの買い替え年数をグラフ化してみる(2012年分対応版)】の通り、テレビは8-10年単位で買い替えるのが常。1年や2年程度で(数年間続いてきた)「特需」の反動が収まるとは考えにくい。販売台数そのもの、さらには台数の前年同月比でグラフを構成しても、「停波前特需、特に年末・年度末」「停波直前特需」「停波後の年の年末に慌てて購入」の3つの波があり、それ以降は停波後、押し並べて軟調な動きを継続しているのが確認できる。

↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、万台)
↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、万台)

↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、前年同月比)
↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、前年同月比)

薄型テレビの型別に見ると、アナログ波停止までは小型-中型が売れていたが(特に停波まで一年を切ったあたりで、その傾向が強くなる)、2012年に入ってからは大型の健闘(前年同月比でマイナスなことに変わりは無く、あくまでも小型や中型と比べての比較論だが)が確認できる。具体的には切り替えまでは緑色(大型)と青色・赤色(小型・中型)の差が大きく開いていたものの、切り替え後はその差が縮まり、「前年同月比」ではむしろ立ち位置を逆転しているという動きが該当する。これは地デジへの切り替えの際に「とりあえず一台だけでも」と小型・中型のテレビの更新をした後、大型の切り替えに入ったものと考えれば納得ができる。また昨今の大型テレビの価格下落も、購入を後押しするきっかけの一つと見なして良い。無論買い替えでは無く、新規購入派の対象も大型化していると考えられる。

2010年夏の啓蒙運動の成果、さらには地デジ切り替え直前の駆け込み需要が、非常に大きなものだったこと、そして切り替え後は「特需」が完全に過ぎ去り、低迷状態が継続中であることが分かる。

特に注目すべきは、「前年同月比」のグラフにおいて、切り替え・値のマイナス化が起きた2011年夏季から1年が経過した2012年秋季以降においても、前年同月比でマイナスを維持し続けていること。これは「切り替え前の特需との比較による反動だから、売上が落ちても仕方がない」とする、いわゆる「前年比のワナ」による説明がつかないレベルでの、売上減少が起きていることを意味する。

一方で前年同月比のマイナス値そのものは2012年7月をピークに以前よりも小さくなっており、少しずつだが改善の方向へ歩みを見せているのも事実ではある。無論「状況の改善」「下げ幅の縮小」に留まり、「販売台数の拡大」にまでは届いていない。「前年同月比」のグラフでプラスに転じるまでは、出荷の縮小が続いていることには違いない。

最後に季節変動を考慮しなくても済むもう一つの切り口として、毎月の動向を経年で比較した形にしたのが次のグラフ。毎年年度末・年末にテレビが売れること、その翌月である1月は反動もあり販売台数が大きく落ち込むこと、そして2010年の年末は「当時(2010年)の翌年(2011年)に切り替えが行われる」ことから良い機会として、爆発的な売れ行きを示したのが確認できる。

↑ 薄型テレビ国内出荷実績(万台)
↑ 薄型テレビ国内出荷実績(万台)

今年2013年は今件の1月分しかまだデータが無いが、前月の2012年12月は前年同月の半分程度でしかなく、低迷・縮小の継続が見て取れる。毎月確認をしている「チェーンストア」「景気ウォッチャー」でここしばらくはテレビ関係の不調が言及されていたが、前者では直近公開報告でテレビ関連商品の特記が無くなった。「大幅な売れ行き減」という状況は脱したようだが、厳しい状況にあることには違いない。

概算したところ現在の傾向が継続した場合、今年の夏ごろには大型テレビの前年同月比が、ようやくプラスマイナスゼロに届きそうという結果が出ている。しかしテレビそのものの寿命、さらにはテレビが映し出すコンテンツの質の問題まで合わせて考えると、あまり楽観視に過ぎるのも問題。今後も出荷動向には留意を払いたいところだ。

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