自動車の国内需要をグラフ化してみる(2017年)(最新)

2017/03/18 04:59

日本自動車工業会は2017年3月16日、2016年度における新車の販売台数(見込み)と2017年度の見通しを発表した。それによると2016年度の自動車(四輪車)の需要は503.8万台・前年度比プラス2.0%の実績(見込み)を示した一方、2017年度には500.0万台・前年度比マイナス0.8%の縮退を見せる予想を算出したことが明らかになった。2017年度における減少理由は主に税制改正によるエコカー減税の適用基準の厳格化によるものと説明している(【発表リリース:2017年度年(平成29年度)自動車国内需要見通し】)。

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リリースなどによると2016年度の需要結果(見込み)、そして2017年度の需要予想の概要は次の通りとなる。2016年度は新型車の登場による需要喚起などがあり全体としては伸びる形となった。他方軽自動車に限ると前年度の軽自動車税の増税の影響が続いているのに加え、某社の燃費問題などの影響もあり、前年度を下回る結果が見込まれている。

他方2017年度は税制改正によりエコカー減税の適用基準が厳しくなることから全体では軟調さを示すが、軽自動車に限れば前年度の燃費問題の影響が希薄化するため、増加となる見通し。

↑ 2016年度自動車国内需要実績(見込み)(万台)
↑ 2016年度自動車国内需要実績(見込み)(万台)

↑ 2016年度-2017年度自動車国内需要見込み・見通し(前年比)
↑ 2016年度-2017年度自動車国内需要見込み・見通し(前年比)

今回のリリースも合わせ過去のデータを検証することで、1989年度以降の各種値を取得できる。そこでそのうち自動車について、グラフ化を行い需要動向を確認する。まずは全体の単純推移。

↑ 自動車国内需要(台)(-2016年度)
↑ 自動車国内需要(台)(-2016年度)

この後の各種グラフにもいえることだが、2003年に計測方法の変更(登録車の分類基準を、シャシーベースからナンバーベースに変えた)が行われており、2002年度の値が一部空欄になっているなど、データの完全な連続性はない。特にトラックで差異が大きく生じているので注意が必要となる。しかしその非連続性を考慮しても、日本国内における新規自動車の需要は漸減していたことが把握できる。

とりわけ金融危機以降は大きく低迷し、震災がさらに畳み掛ける形となっている。しかしその翌年の2012年度では需要は反転する形で盛り上がりを見せる。水準としては2007年のそれに近い値にまで戻しており、特異な動きだった。その後も増加は続くが、2013年度をピークに失速。2015年度は税制周りのマイナス要因が多々あり、金融危機当時に迫る水準にまで落ち込んでしまう。

直近となる2016年度は新型車の盛況ぶりを受けてやや持ち直しを見せたが、中長期の動向としては誤差の領域でしかなく、トレンドの転換を見出すまでには程遠い。

続いてこれを主要車種別に分けたもの、さらに車種別の需要推移、そして2016年度における自動車需要の各車種別割合を前年比でグラフ化する。上記の通りカウント形式の変更で2002年度分は空白になっているので注意が必要。

↑ 自動車需要台数推移(台)(-2016年度)
↑ 自動車需要台数推移(台)(-2016年度)

↑ 自動車国内需要前年度比
↑ 自動車国内需要前年度比

↑ 自動車需要(車種別比)(2016年度)
↑ 自動車需要(車種別比)(2016年度)

昨今の燃料費高騰のあおり(もっともこの数年ほどの間は値下がりを見せているが)、さらには経費の削減(要求)、自動車利用状況における利用人数の減少(≒少子化・核家族化・少世帯人数化)などもあり、燃料コストを低く抑えられるコンパクトな軽自動車が、他車種と比べて高い伸び率を示している。ただし2014年度以降は消費税率の引上げ、さらには軽自動車税の引き上げで需要を抑えられる形となり、2016年度では前年度比でマイナス6.6%もの減退を示す形となった。



やや余談となるが、各年の自動車需要全体に占める、普通・小型四輪車と軽四輪車、つまり普通・小型自動車と軽自動車の比率の推移をグラフ化すると次の通りとなる。

↑ 自動車の国内需要全体に占める普通・小型自動車と軽自動車の比率推移
↑ 自動車の国内需要全体に占める普通・小型自動車と軽自動車の比率推移

↑ 自動車の国内需要全体に占める普通・小型自動車と軽自動車の比率推移(2001年度-)
↑ 自動車の国内需要全体に占める普通・小型自動車と軽自動車の比率推移(2001年度-)

多少の凸凹はあるが、普通・小型がほぼ横ばいなのに対し、軽は一様に上昇を続けている。2010年度以降は普通・小型が減退にかじ取りを変えたのも目に留まる。他方、2015年度から2016年度がこれまでのトレンドをくつがえすような動きを示したのは、軽自動車税の引き上げに伴い需要台数が減少した、直近年度に限れば燃費問題が生じたからに他ならない。

とはいえ大きな需要変化の流れを変えるとは考えにくい。次年度の見通しでは軽自動車は前年度比でプラスに転じるが、普通はマイナスとなるとの予想も出ている。自動車へのトレンドが確実に変化していることを再確認できるグラフには違いない。


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