乳幼児がいる世帯における諸外国の働き人達のライフスタイルをグラフ化してみる(2011年社会生活基本調査)

2013/03/11 07:55

育児2012年7月13日から12月21日に渡る形で総務省統計局では「2011年社会生活基本調査」の結果を公開した。そこで【ボランティア活動の実態をグラフ化してみる(2011年社会生活基本調査)】にはじまる形で、気になる要素の値を基に、必要な時にはさらなる資料や統計局のデータベース上の詳細値を用いて補足した上でグラフ化し、社会生活の基本的な面での状況の把握を記事化している。今回は諸国における有業者(働き人)のうち、世帯に6歳以下の子供が居る人における主要生活行動の中から仕事・家事や家族のケア・自由時間の3項目に的を絞り、その平均時間を眺めてみることにした(【平成23年社会生活基本調査(総務省)】)。

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調査方法や調査対象母集団など、調査要件に関する詳しい内容は、以前2013年3月5日の記事【インターネットの利用時間動向をグラフ化してみる(2011年社会生活基本調査)】を参照してほしい。一方、今件該当部分は各国の主要調査結果を元に生成されたデータであり(例えばEU諸国は「Comparable time use statistics ‐National tables from 10 European countries - February 2005」が基)、各項目には定義の違いによる差異が生じ得ることを心得ておく必要がある。

まずは男性の生活時間配分。週全体なので平日だけでなく土日も含めた平均時間であることに注意してほしい。

↑ 行動の種類別総平均時間(週全体、有業者、末子が6歳以下(日米は5歳以下))(男性)
↑ 行動の種類別総平均時間(週全体、有業者、末子が6歳以下(日米は5歳以下))(男性)

本来休みの日曜、そして職種によっては休みの土曜も含まれているにも関わらず、日本の平均労働時間が8時間を超え、他国から群を抜いている。これはひとえに残業が多い、土日出勤がかさんでいることを意味している。アメリカはやや多いがそれでも6時間強、その他EU諸国は5時間前後。日本との労働時間の差は1日あたり約3時間という計算になる。

以前【睡眠時間は8時間前後、家事の時間は?…諸外国の働き人達のライフスタイルをグラフ化してみる(2011年社会生活基本調査)】で「日本は他国と比べて就労時間が長いので、その分自分自身以外の家族へのケアや家事に回す時間が無い」と言及した。子供が幼い世帯では、子供が居ない・居るが大きい世帯と比べて自分以外の家族へのケアの必要性は高まるが、それでも他国と比べ日本は半分-1/3程度しか時間を取れていない。また、自分自身のための自由時間も少ない。ちょうど「仕事の増加分」=「家事・家族のケアの減少分」+「自由時間減少分」といったところ。

これが女性になると日本だけでなく、いくつかの諸外国でも変わった「事情」が見えてくる。

↑ 行動の種類別総平均時間(週全体、有業者、末子が6歳以下(日米は5歳以下))(女性)
↑ 行動の種類別総平均時間(週全体、有業者、末子が6歳以下(日米は5歳以下))(女性)

子供を持つ世帯の女性の就労はパート的なものが多いようで、男性よりも仕事時間は短め。しかしアメリカは突出して長く、同国の男性との差異は1時間強でしかない。子供が居ても女性が最前線で働き続ける仕事ぶりが見て取れる。子供は多分にベビーシッターなどに預けるのだろうが、それでも時間に不足があるようで家族へのケアや家事もまた、アメリカが一番短い。

逆にドイツは仕事時間が他国よりかなり短く、家事は平均程度、そして自由時間はかなり長め。自分自身の生活を楽しんでいるようだ。

日本はといえば仕事時間は他国とあまり変わらないものの、自由時間が非常に短い。家事・家族のケアを行うため、自分のプライベートの時間をつぶしているようすがうかがえる。



今件はあくまでも比較論以上のものでしかなく、さらに冒頭で触れたように調査国によって回答項目・定義基準が異なるので、厳密な比較内容とまでは言い難い。また社会制度や、仕事や育児をはじめとした家族ケアに対する社会的な価値観、慣習も異なるため、単純に時間の比較だけですべてを判断するのにはリスクがある。とはいえ、働き人で乳幼児を持つ人における日常生活上の、日本と諸外国との違いが透けて見えることに違いは無い。

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