2018年は戸数は近畿圏で大幅増加、販売価格は大きな変化は無し…20年間のマンション販売戸数と平均単価をグラフ化してみる(最新)

2019/02/27 10:21

2019-0227不動産経済研究所は2019年2月20日、2018年の全国マンション市場動向を発表した。それによると民間マンションの2018年の発売戸数は8万0256戸となり、前年に比べて3.7%の増加となった。これは2年連続の前年比での増加となる。一方で戸あたりの平均価格は4759万円となり、前年比で0.4%の増加を見せている(【発表リリース一覧ページ:全国マンション市場動向2018年(年間のまとめ)】)。

スポンサードリンク


2018年における全国のマンション販売動向の詳細な解説はリリースにある通りだが、概要をまとめると以下のようになる。

・マンションの発売戸数は前年比3.7%増。首都圏、近畿圏、東海・中京、東北、九州が増加している。全国比で1/4強となる近畿圏では7.1%と大幅な増加ぶり。

・発売価格平均値は4759万。前年の4739万円と比べて0.4%増。1平方メートルあたりの単価は71.3万円。前年比で1.7万円・2.4%のアップ。

それでは早速過去のデータと合わせ、発売戸数と発売価格をグラフ化し、状況の推移を推し量ることにする。まずはマンション販売戸数の推移。首都圏・近畿圏・その他、そして全国の合計値について。

↑ 民間マンション販売戸数前年比(2018年)
↑ 民間マンション販売戸数前年比(2018年)

↑ 民間マンション発売戸数(地域別、戸)
↑ 民間マンション発売戸数(地域別、戸)

発売戸数そのものは、直近のいわゆる「不動産プチバブル」時期にも大きくプラスに転じていたわけでは無い。首都圏・近畿圏ではほぼ横ばいに推移し、「その他」地域が2005年から1、2年増えている動きを見ると、大都市圏では無くその周辺地域で発売物件数が増加していたことが分かる。

一方で首都圏では2005年から、近畿圏でも2006年あたりから発売戸数の減少が見られ、それに伴い全国合計数も減少。2007年以降は雪なだれ式にその数を減らしている。2009年にはその動きもようやくゆるやかなものとなり、2010年に至ると首都圏ではプラスに転じることになった。他方近畿圏や「その他」も持ち直しを見せているが、その歩みはゆるやかなものに留まっている。

2013年は景気の回復感、不動産に対する投資意欲の復帰、さらには消費税率引上げ前の駆け込み需要などプラス要素が重なり、特に首都圏で大きく上昇した。近畿圏はメインとなる大阪府の供給が前年からほぼ横ばいだったのを受け、上昇幅も大人しいものとなっている。

そしてその次の年となる2014年は消費税率引上げによる、直前までの特需の反動、さらには消費性向の減退に伴い、どの地域でも大きく販売戸数は減退。全国の値ではリーマンショック後に大きく下落した後、立ち直りを見せ始めた2010年の値である8万4701戸/年にほぼ近しい水準にまで下落してしまっている。

直近となる2018年では首都圏はそれなりの増加、近畿圏では大幅な増加を示す一方で、その他地域は最小限の増加幅に留まっている。2016年の前年比で「その他」がプラス20.5%と大幅な増加を計上したこともあり、その反動が残っているのだろう(実戸数も2018年時点でなお2016年の値には届いていない)。

大きく増加した近畿圏の内情を見るに、京都府や滋賀県、和歌山県では減少したものの、大阪府や兵庫県、奈良県では増加している。特に近畿圏のシェアの2割を超える兵庫県でプラス24.2%と大幅な増加を示したのが、近畿圏全体の戸数底上げにつながっている。またシェア6割を超える大阪府もプラス6.0%を計上したのも影響としては大きい。

首都圏ではここ数年記録の限りにおいて最少値を更新していたが、2017年以降はかろうじて前年比プラスを計上している。2018年は千葉県でプラス48.5%を計上したことが大きく影響している。

続いて販売価格推移。「その他の地域」は値が非公開のため、全国、首都圏、近畿圏のみの動向を記す。

↑ 民間マンション販売価格前年比(2018年)
↑ 民間マンション販売価格前年比(2018年)

↑ 民間マンション発売価格(地域別、万円)
↑ 民間マンション発売価格(地域別、万円)

販売戸数の動向とは連動性の無い形でのグラフが描かれている。元々マンションは高額商品であり大抵は一生、あるいは半生をかけてローンを支払っていくもの。年間で10%も20%も上下されては困るが、それでも(大きな上昇が見える)2007年は7.1%も上昇していた。2008年は2.3%と上昇率が落ちたが、まだ全国平均では上昇していた。

「このまま上昇を続けるのでは」とも思われたが、需給バランスの関係から高値維持は難しいようで、2009年はさすがに下落傾向を見せた。しかし2010年には大手デベロッパーが主導する形で都市部の市場を形成し、それぞれの圏域での上昇を支えていた。その後数年は下げ基調にあったものの、2013年以降は増加に転じ、その上昇率も以前同様、さらにはそれ以上の動きを示す形となっている。

直近の2018年では全国の上昇率はプラス0.4%、首都圏ではマイナス0.6%、近畿圏ではプラス0.2%。その他地域総合の価格動向が無いのは残念だが、戸数が大きく増加した近畿圏で販売価格も上昇しているのが興味深い。レポートではいくつかの地域の価格も計上されているが、首都圏では神奈川県と埼玉県で下落する一方で都下と千葉県では上昇。近畿圏では兵庫県や京都府や奈良県が下落する一方で、大阪府や滋賀県、和歌山県が上昇している。



不動産の動向は取引単価が大きいことから、経済そのものの流れにおいて無視できぬ要素となる。2018年は全体戸数・販売価格が増加しており、経済的な観点では好ましい結果となったと評価できる。

なお同研究所では2019年の販売動向について、8.0万戸・0.3%の減とのを予想している。その予想にどこまで実態が近づくか、消費税率の動向に絡んだ動きと合わせ、注意深く見守りたい。


■関連記事:
【投資マンションの勧誘電話をピタリと止める魔法の呪文】
【戸建とマンション、住むのならどっち? そしてその理由は……】
【一人暮らしの女性の決断? 男女別単身世帯の分譲マンション比率をグラフ化してみる(最新)】
【首都圏新築分譲マンション購入者の概況をグラフ化してみる(2011年分データ反映版)】

スポンサードリンク


関連記事



▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2019 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー