2020年は戸数は大幅減少、販売価格は近畿圏で大きめの上昇…22年間のマンション販売戸数と平均単価(最新)

2021/02/25 09:14

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2021-0225不動産経済研究所は2021年2月24日、2020年の全国マンション市場動向を発表した。それによると民間マンションの2020年の発売戸数は5万9907戸となり、前年に比べて15.2%の減少となった。これは2年連続の前年比での減少となる。一方で戸あたりの平均価格は4971万円となり、前年比で3.8%の上昇を見せている(【発表リリース一覧ページ:全国マンション市場動向2020年(年間のまとめ)】)。

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2020年における全国のマンション販売動向の詳細な解説はリリースにある通りだが、概要をまとめると以下のようになる。

・マンションの発売戸数は前年比15.2%減。首都圏、近畿圏、九州・沖縄などが減少している。全国比で4割台となる首都圏では12.8%と大幅な減少ぶり。

・発売価格平均値は4971万。前年の4787万円と比べて3.8%増。1平方メートルあたりの単価は75.8万円。前年比で3.2万円・4.4%のアップ。

それでは早速過去のデータと合わせ、発売戸数と発売価格をグラフ化し、状況の推移を推し量ることにする。まずはマンション販売戸数の推移。首都圏・近畿圏・その他、そして全国の合計値について。

↑ 民間マンション販売戸数前年比(2020年)
↑ 民間マンション販売戸数前年比(2020年)

↑ 民間マンション発売戸数(地域別、戸)
↑ 民間マンション発売戸数(地域別、戸)

発売戸数そのものは、直近のいわゆる「不動産プチバブル」時期にも大きくプラスに転じていたわけではない。首都圏・近畿圏ではほぼ横ばいに推移し、「その他」地域が2005年から1、2年増えている動きを見ると、大都市圏ではなくその周辺地域で発売物件数が増加していたことが分かる。

一方で首都圏では2005年から、近畿圏でも2006年あたりから発売戸数の減少が見られ、それに伴い全国合計数も減少。2007年以降は雪なだれ式にその数を減らしている。2009年にはその動きもようやくゆるやかなものとなり、2010年に至ると首都圏ではプラスに転じることになった。他方近畿圏や「その他」も持ち直しを見せているが、その歩みはゆるやかなものに留まっている。

2013年は景気の回復感、不動産に対する投資意欲の復帰、さらには消費税率引上げ前の駆け込み需要などプラス要素が重なり、特に首都圏で大きく上昇した。近畿圏はメインとなる大阪府の供給が前年からほぼ横ばいだったのを受け、上昇幅も大人しいものとなっている。

そしてその次の年となる2014年は消費税率引上げによる、直前までの特需の反動、さらには消費性向の減退に伴い、どの地域でも大きく販売戸数は減退。全国の値ではリーマンショック後に大きく下落した後、立ち直りを見せ始めた2010年の値である8万4701戸/年にほぼ近い水準にまで下落してしまっている。

直近となる2020年ではすべての区分地域で減少、特に近畿圏やその他の地域での減少幅が大きい。この動きはもちろん新型コロナウイルス流行による経済の沈滞化で消費者側の購入意欲が鈍化した結果によるもの。さらに販売側も(環境が思わしくないため)戸数を意図的に絞ったことも一因としてあるようだ。

近畿圏の内情を見ると、大阪府や滋賀県で1割以上の減少を示しているが、奈良県では2倍以上、和歌山県では1.8倍近くもの増加が確認できる。人口密集地域からの忌避の動きと解釈すべきか。他方首都圏では東京都区部や神奈川県、埼玉県で2割台の減少幅が生じている一方、都下や千葉県では2割台の増加が生じている。やはりこちらも人口密集地域からの忌避の動きのように見える。

続いて販売価格推移。「その他の地域」は値が非公開のため、全国、首都圏、近畿圏のみの動向を記す。

↑ 民間マンション販売価格前年比(2020年)
↑ 民間マンション販売価格前年比(2020年)

↑ 民間マンション発売価格(地域別、万円)
↑ 民間マンション発売価格(地域別、万円)

販売戸数の動向とは連動性の無い形でのグラフが描かれている。元々マンションは高額商品であり大抵は一生、あるいは半生をかけてローンを支払っていくもの。年間で10%も20%も上下されては困るが、それでも(大きな上昇が見える)2007年は7.1%も上昇していた。2008年は2.3%と上昇率が落ちたが、まだ全国平均では上昇していた。

「このまま上昇を続けるのでは」とも思われたが、需給バランスの関係から高値維持は難しいようで、2009年はさすがに下落傾向を見せた。しかし2010年には大手デベロッパーが主導する形で都市部の市場を形成し、それぞれの圏域での上昇を支えていた。その後数年は下げ基調にあったものの、2013年以降は増加に転じ、その上昇率も以前同様、さらにはそれ以上の動きを示す形となっている。

直近の2020年では全国の上昇率はプラス3.8%、首都圏でプラス1.7%、近畿圏ではプラス8.1%。その他地域総合の価格動向が無いのは残念だが、どの地域でも上昇している。近畿圏の中身を見ると、特に大阪府での上昇率が大きくプラス11.3%を示している。人件費の高騰などによるコストの増加や、利便性の高い地域への人気の集中などを受け、単価は上昇傾向を続けており、今後もこの右肩上がり状態は続きそうだ。むしろ単価が上昇しているからこそ、(直近年の新型コロナウイルス流行の影響は別にしても)販売戸数が減少しているのかもしれない。



不動産の動向は取引単価が大きいことから、経済そのものの流れにおいて無視できぬ要素となる。2020年は新型コロナウイルス流行という特殊要因があったが、全体戸数が減少・販売価格が上昇しており、高級化志向の動きではとの推測ができる。

なお同研究所では2021年の販売動向について、約6.9万戸・15.2%の増とのを予想している。その予想にどこまで実態が近づくか、新型コロナウイルス流行をはじめとした多数の要因の影響も合わせ、注意深く見守りたい。


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