テレビの「ながら視聴」が多いのは男性? 女性?!(2011年社会生活基本調査)

2013/03/04 14:45

このエントリーをはてなブックマークに追加
食事をしながらテレビ総務省統計局は2012年7月13日から12月21日にかけて、2011年社会生活基本調査の結果を発表した。そこで【ボランティア活動の実態(2011年社会生活基本調査)】を手始めとし、気になる要素を随所から抽出し、必要な時には追加資料やデータベース上の詳細値を使って補足した上でグラフ化し、社会生活の基本的な面における状況の把握を行っている。今回はいわゆるテレビの「ながら視聴」について、視聴時間の面から動向を探っていくことにする(【平成23年社会生活基本調査(総務省)】)。


スポンサードリンク


今調査は1976年以降5年おきに行われているもので、1日の生活時間の配分と過去年間における主な活動状況などを調べている。そしてその結果は仕事と生活の調和の推進や男女共同参画社会の形成、少子高齢化対策などの各種行政施策の基礎資料として役立てられることになる。

先に【夕食しながらテレビを見る人26.9%(2011年社会生活基本調査)】でも記した通り、主な行動として「テレビを見た」以外に、他の行動のついでにテレビを見る(同時行動、ながら視聴)時間もそれなりの長さであることが確認されている。

↑ テレビを見ていた時間(2011年、週全体平均)(再録)
↑ テレビを見ていた時間(2011年、週全体平均)(再録)

他の項目では原則カウントされない、この「同時行動」のテレビ視聴について、今回はいくつかの視点から掘り下げていくことにする。まずは男女別で時間の比率を見たのが次のグラフだが、男性よりも女性の方が「同時行動」率が高い結果が出ている。

↑ 主行動+同時行動を合わせた「テレビ」時間に占める主行動・同時行動比率
↑ 主行動+同時行動を合わせた「テレビ」時間に占める主行動・同時行動比率

やはり「夕食しながらテレビを-」で記しているが、テレビを同時行動に持つ生活行動では、食事以外には家事が多い。自宅で家事をすることが多い女性は、必然的に同時行動でのテレビ視聴比率が高くなる。また朝食・夕食はともかく、昼食は男性が職場で食べる機会が多いことを考えれば、その点でも女性の「同時行動」によるテレビ視聴時間は長くなる。

次に挙げるのは、男女別々に区分した上で、世代・調査年別にテレビの視聴時間を「主行動」「同時行動」別に積み上げたもの。全般的には「歳を経るほど視聴時間が長くなる」「2006年より2011年の方が視聴時間が伸びている」結果が出ている。

↑ 年齢階級・行動主軸別「テレビ」の平均時間(週全体平均)(男性)
↑ 年齢階級・行動主軸別「テレビ」の平均時間(週全体平均)(男性)

↑ 年齢階級・行動主軸別「テレビ」の平均時間(週全体平均)(女性)
↑ 年齢階級・行動主軸別「テレビ」の平均時間(週全体平均)(女性)

まずは男女別だが、中堅-壮齢層までは女性が、それ以降は男性の方が視聴時間(ここでは主行動と同時行動を合わせた時間を意味する)が長い。そしてその多分を女性の「同時行動」視聴が担っていることが分かる。特に女性が家庭に入り、家事の時間が増える25歳以降でその傾向が強くなる。

世代別では上記で記した通り、歳を経るほど時間が伸びる。ただし女性は概して伸び方が緩やかなのに対し、男性は50代に届いたあたりから伸び率が大きくなり、定年退職後は急上昇を見せる。仕事を辞めるなどで時間を持て余すようになった男性が、テレビを友にする状況が容易に想像できる(「同時行動」による視聴時間はほとんど変化がないことに注意。つまり「テレビに首ったけ」なわけだ)。

また2006年から2011年に至る変化だが、概してテレビ視聴の時間は伸びている。ただし矢印で記した世代、具体的には男性が15-34歳、女性が10-14歳と25-44歳は減少する傾向を見せている。法則性は見出しにくいが、あえて可能性があるとすれば、いわゆる「若年層のテレビ離れ」(娯楽の多様化による価値観の変化で、「同時行動」ですらテレビを見なくなった)、あるいは子育てなどの日常生活の多忙感によるものが考えられる。

次の調査分となる2016年の結果で、この世代、さらにはその上の世代に似たような動きがあれば、その仮説がある程度裏付けられよう。


■関連記事:
【テレビ観る時「ながら」と「専念」どちらが多い?】


スポンサードリンク


関連記事


このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2024 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|Twitter|FacebookPage|Mail|RSS