YouTubeの国内における公式チャンネル、視聴者数でトップはVEVO、次いでフジ

2013/02/27 08:45

VEVO世界各地に調査パネルを持つアメリカ合衆国の調査機関comSCOREの、日本支社コムスコア・ジャパンは2013年2月19日に、オンライン上の動画サイトに関する包括的な調査手法「ビデオ・メトリックス(Video Metrix)」を用いて分析した、日本の動画ストリーミングサイトの最新利用状況レポート(2012年12月分)を公開した。その公開データによれば、YouTube内における日本国内の公式チャンネルで、もっとも多くのユニーク視聴者数を確保しているのはVEVOであることが分かった。次いでフジテレビ、SMEJ、avexが続いている。これらの上位陣内で再生回数の違いを見るとVEVOがトップには変わりないものの、その次にavexが上位ランクインしており、チャンネル毎のコンテンツの傾向、それに伴う視聴者の視聴スタイルに違いがあることが確認できる(【発表リリース】)。

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今調査結果はcomSCOREにおける「3秒以上のストリーム」を計測対象とし、パソコンからのストリーミングを可視化した、オンライン上のストリーミング消費を計測したデータ「ビデオ・メトリックス(Video Metrix)」を元にしている。詳細は【公式サイト上の解説ページ】にて解説しているとあるが、英語版の概要解説を読むとアメリカ国内だけで100万件、全世界では200万件に及ぶ回答者を有しており、各データは個々の国における国勢調査などの人口統計学上の補正を受けて利用されるとある。

先日【利用者数ではYouTubeがナンバーワン…日本の動画視聴サイト動向をグラフ化してみる】でも記したように、利用者数で見ると日本国内におけるオンライン動画サイトの上位3サービスはYouTube、ニコ動、FC2動画となる。

↑ 日本のオンライン動画サイト利用者数(2012年12月・月間総数推計、15歳以上のネットユーザー対象、万人、comScore Video Metrixから試算)(再録)
↑ 日本のオンライン動画サイト利用者数(2012年12月・月間総数推計、15歳以上のネットユーザー対象、万人、comScore Video Metrixから試算)(再録)

その最上位にあるYouTubeにおける、公式チャンネルのランキングが今回のチェック項目。今レポートではユニーク視聴者総数(調査月の2012年12月に一度でもそのチャンネルの動画を視聴した人)を基準に序列を創り、その上位10位を示している。

↑ 日本におけるYouTube公式チャンネルトップ10(コンテンツ動画のみ)(2012年12月、15歳以上のインターネットユーザー対象、ユニーク視聴者数(万人)、comScore Video Metrixから試算)
↑ 日本におけるYouTube公式チャンネルトップ10(コンテンツ動画のみ)(2012年12月、15歳以上のインターネットユーザー対象、ユニーク視聴者数(万人)、comScore Video Metrixから試算)

最上位はVEVOで、389万8000人。音楽系大手のサイトで、複数のメジャーレコードレーベルに対応している(専用動画サービスVEVOのプロモーション的な役割も果たしている)。

次いで多いのはフジテレビで、347万3000人。ソニーミュージックが328万4000人、avexが315万7000人と、この4チャンネルまでが300万人超。TBSがギリギリ300万人足らずで第5位につき、以降はやや大きな差がついている。

一方各チャンネルの動画再生回数を見ると、視聴者数とは異なる動きを示す。次と、最後のグラフはあえて直上(ユニーク視聴者数のランキング)と同じ並びでグラフを生成する。

↑ 日本におけるYouTube公式チャンネルトップ10(コンテンツ動画のみ)(2012年12月、15歳以上のインターネットユーザー対象、月次総動画再生回数(万回)、comScore Video Metrixから試算)
↑ 日本におけるYouTube公式チャンネルトップ10(コンテンツ動画のみ)(2012年12月、15歳以上のインターネットユーザー対象、月次総動画再生回数(万回)、comScore Video Metrixから試算)

視聴者数ではさほど変わりのない上位陣だが、再生回数で見るとVEVOが群を抜き、次いでavexが入っている。これは両チャネルとも音楽系の映像がメインであり、新着の動画を利用者が次々とチェックするため(無論多くは最後まで見続ける)、必然的に回数も増加していくものと考えられる。

他方、動画新着率の高さでは大きな変わりがない、むしろ音楽系よりも多いはずのニュース動画系、例えばフジやTBS、テレビ朝日や時事通信では、再生回数が少ない。元々ニュース系映像の多くは「資料映像」「参考動画」の傾向が強く、それ単独で(つまりテレビを見ているようなスタイルで)視聴されることを前提としていない場合が多い(実際動画の解説の多くは「詳しくはこちらから」とあり、サイトへの誘導を前提としている)。それでは再生回数が少ないのも当然といえる。視聴者の利用スタイルも、直接公式チャンネルにアクセスしてまんべんなく新着動画を見るスタイルは少なく、気になった動画のみをチェックしているもの、あるいはブログなどに貼られた映像を見ているものと考えられる。

それら公式チャンネル別の視聴者の利用性向が垣間見れるのが、次のグラフ。1視聴者あたりの平均視聴分数(月単位)と、諸数から算出した1視聴者あたりの平均月次再生回数を示したものだが、VEVOが両項目で抜きんでいるのが分かる。

↑ 日本のYouTube公式チャンネルトップ10における1視聴者あたりの平均月次再生回数と平均月次視聴分数(コンテンツ動画のみ)(2012年12月、15歳以上のインターネットユーザー対象、comScore Video Metrixから試算)
↑ 日本のYouTube公式チャンネルトップ10における1視聴者あたりの平均月次再生回数と平均月次視聴分数(コンテンツ動画のみ)(2012年12月、15歳以上のインターネットユーザー対象、comScore Video Metrixから試算)

VEVOは利用者一人一人の再生回数も多く、再生時間も長い。利用者が音楽系の動画を良くチェックしているようだ。再生時間こそ短いが、avexやソニーミュージックやワーナーミュージックも似たような傾向を持つ。バンダイチャネルは音楽系ではないが、アニメ系の動画を多数有しており、「長く観る」という点では似たような結果が見られる。

他方TBSやフジテレビなどは再生回数の割に再生時間が短い。短時間のニュース映像をチェックしているか、あるいはそれらですら途中で断ち切っているスタイルが想像できる。テレビ朝日はテレビ・ニュース系としてはやや異例の視聴分数の長さが見られるが、これは同公式チャンネルでは短編ニュース以外にアニメや子供向け特撮、ドラマ、そしてニュース番組の中でも10分前後の長めな特集映像などもそれなりに用意されており、それらで時間が積み上げられているものと考えられる。


↑ テレビ朝日の公式チャンネルで再生回数上位陣にある、ニュース番組中の特集部分の映像「「メガ乗せ」回転寿司がブーム!」。
↑ テレビ朝日の公式チャンネルで再生回数上位陣にある、ニュース番組中の特集部分の映像「「メガ乗せ」回転寿司がブーム!」。【直接リンクはこちら】

音楽系とニュース系の公式チャンネルの運用上の違いとしては、多分に前者が動画視聴そのもので利用者が目的を完結できるのに対し、後者はあくまでも添え物・オマケ的なものとしてとらえている点にある。テレビのニュースを見る際には多種多様な細切れのニュースをまとめて見れるからこそ番組を見るのであり、個別のニュースを見るために番組を選ぶ人はあまりいない(特定の事象・事件を確認したいためにテレビをつける場合はある)。

ニュース系チャンネルは連動性にこだわるあまり、動画サイトの特性を活かしきれていないため、再生数や視聴分数が伸び悩む結果となっている。「そのような使い方のために運用している」のならそれはそれで「有り」なのだが、宝の持ち腐れの感は否めまい。

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