たばこ購入者減少が響き売上高もマイナスを継続…2013年1月度コンビニ売上高は0.9%のマイナス

2013/02/21 15:45

日本フランチャイズチェーン協会は2013年2月20日、2013年1月度におけるコンビニエンスストアの統計調査月報を発表した。それによると1月は来客数が8か月連続でマイナス、平均客単価は8か月ぶりのプラスとなった。そしてその結果、売上高は前年同月比-0.9%と8か月連続のマイナスを記録している(いずれも既存店ベース)(【日本フランチャイズチェーン協会公式ページ】)。

スポンサードリンク


今調査の概要および調査対象企業は過去の記事まとめ【コンビニエンスストア(日本フランチャイズチェーン協会発表)】上で説明がなされている。そちらでチェックをしてほしい。

各データについて前年同月比は次のようになる。

●店舗売上高:既存店は8か月連続のマイナス、全店は16か月連続のプラス
・全店ベース……+4.1%
・既存店ベース…-0.9%

●店舗数(前年同月比)
・+5.5%

●来店客数:既存店は8か月連続のマイナス、全店は22か月連続のプラス
・全店ベース……+3.3%
・既存店ベース…-1.9%

●平均客単価:既存店は8か月連続のマイナス、全店は2か月連続のプラス。
・全店ベース……+0.8%(625.2円)
・既存店ベース…+1.0%(617.3円)

●商品構成別売上前年同月比(全店ベース)
・日配食品……+5.2%
・加工食品……+3.2%
・非食品………+0.9%
・サービス……+26.5%
・合計…………+4.1%

※既存店……1年以上営業中の店舗

1月は強い寒気の影響もあり、全国的に積雪量が多く、来店客の足が遠のく形となった。またこの数か月継続しているたばこ購入者の減少も、客数減少に拍車をかけている。一方、寒さを受けてカウンター商材(肉まんやおでん、揚げ物などレジ周辺の食材を中心とした商品)は堅調に推移したとのこと。

リリースでも言及されているが、中長期的なペースで減退しているたばこの売り上げが、該当する項目・非食品の売り上げの伸び悩み、さらに客単価の減少要因、来客数そのものの頭を押さえてしまっている。今回月はかろうじて前年同月比でプラスを示したが、他項目と比べれば歩みは遅い。直近のたばこ全体としての販売データを見ても、先細り感も合わせ、状況は思わしくない。

積雪量の増大で
来客数は減少。
たばこの低迷が
伸び悩みの一因。
店舗数が常にプラスを維持していることからも分かる通り、昨今のコンビニでは「売上」「来客数」で「全店プラス」「既存店マイナス」の動きが続いている。店舗の数的規模の拡大がコンビニ市場全体の売上の一端を担っているのが現状。

上記にも示した通り、たばこの販売動向は全体的に、そして確実に漸減中。喫煙者の本数減少や禁煙化、そして若年層の喫煙率が低下を続けるなど、マイナス要因は山ほど積み重ねられている。【コンビニでの「1店舗あたりの」たばこ販売動向をグラフ化してみる(2012年版)】でも解説しているが、たばこはそれ自身の売上高がコンビニ全体に対する大きなウェイトを占めているだけでなく(記事中実例に挙げたローソンでは、2012年において全売上の1/4ほどをたばこが占めている)、来店動機の一つ(=ついで買いの期待)にもなる。そのため、「たばこ売り上げの減少」はコンビニにとって避けがたく、早急な対処が求められる問題。

そのため昨今のコンビニでは地元をはじめ独自ルートで入荷した、さらには【コンビニも自前で野菜を創る時代】で解説している通り、自前で農場などを持ち提供する形での野菜販売を始めたり、カウンター商材の一層の充実とスーパーのような販売スタイルを実行したり、設置しているマルチコピー機を多機能化して便宜性を高めたり、【ファミリーマートでカウンターコーヒーの展開開始】のように淹れたてのコーヒー販売、各種エンタメ商品の展開(「一番くじ」などのくじ景品の展示、「初音ミク」などのキャラクタ色の強いコンテンツとの連動企画)など、さらなる「多面化」を推し進め、客層の開拓や、集客、リピーターの確保を画策している。そして同時にあわよくば、「たばこ」の減退を十分以上に補完しうる「大黒柱」的な商品を見つけようと奮戦している。

先日【コンビニエンスストアの商品構成別売上推移をグラフ化してみる(2012年12月分まで反映)】でも触れた通り、中でも中期的に重点を置いている日配食品の充実は確実に成果を生み出している。また、同時に客層を広める効果をもあげているようだ。

他方【セブン-イレブン、トヨタ車体の小型電気自動車「コムス」を使った宅配サービス「セブンらくらくお届け便」を開始】【ヤフーとローソンによる食材宅配サービス「スマートキッチン」オープン】などのように、大手コンビニの中にはその流通網と体力を活かし、店舗内小売という従来のコンビニの役割・立ち位置を超えて、時代の流れに対応しようとする動きが見受けられる。「買物困難者」への対応と「地域社会に一層融合した、存在感の強い店舗」を目指した動きが、各コンビニでは模索と実証実験の形で確認できる。

社会動向には敏感な動きを見せる各チェーン店の動向、そしてコンビニ業界全体の動き。日配食品の充実が他業種(例えば牛丼業界)にも影響を与えていることも推測され、単にコンビニだけの問題としてとらえ切れない状況となっている。今後も大いに注目していきたいところだ。

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー