共働きか否かで大きく変わる妻の家事時間(2011年社会生活基本調査)

2013/02/19 07:55

育児総務省統計局は2012年7月13日から12月21日にかけて、2011年社会生活基本調査の結果を発表した。そこで【ボランティア活動の実態をグラフ化してみる(2011年社会生活基本調査)】を皮切りに、気になるポイントを逐次抽出し、必要な場合には追加資料やデータベース上の詳細値を使い補足した上でグラフ化し、状況の把握を行っている。今回は共働きの世帯と、夫が働き妻が専業主婦をしている世帯とにおける、妻の家事や育児の時間を比較していくことにする(【平成23年社会生活基本調査(総務省)】)。

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今調査は1976年以降5年おきに行われているもので、1日の生活時間の配分と過去年間における主な活動状況などを調べている。そしてその結果は仕事と生活の調和の推進や男女共同参画社会の形成、少子高齢化対策などの各種行政施策の基礎資料として役立てられることになる。

今調査では生活様式に関して「睡眠」「身の回りの用事」「食事」「通勤・通学」「仕事(収入を伴う仕事)」「学業(学生が学校の授業やそれに関連して行う学習活動)」「家事」「介護・看護」「育児」「買物」「移動(通勤・通学を除く)」「テレビ・ラジオ・新聞・雑誌」「休養・くつろぎ」「学習・自己啓発・訓練」「趣味・娯楽」「スポーツ」「ボランティア活動・社会参加活動」「交際・付き合い」「受診・療養」「その他」の20に区分している。今回はこの中で家事関連(「家事」「介護・看護」「育児」「買物」)と、その中の1要素である「育児」にスポットライトを当て、夫婦が共に働く「共働き世帯」・夫が働き妻が無業(=専業主婦)の世帯における時間の差異を見ていく。

まずは「家事関連」全体。妻が兼業主婦でも専業主婦でも、夫の時間に差異はほとんどない一方、妻は3時間近い差異が確認できる。

↑ 共働きか否か別・生活時間(家事関連)(2011年、週全体、夫婦と子供の世帯の夫・妻)
↑ 共働きか否か別・生活時間(家事関連)(2011年、週全体、夫婦と子供の世帯の夫・妻)

専業主婦世帯に比べて共働き世帯では、夫婦合わせた「家事関連」に費やす時間が1日あたり3時間ほど少ないことになる。家事を色々と工夫して時間短縮の努力をしないと、家の中が煩雑なものになりかねない。なおこれは平日だけでなく土日も合わせた週全体の平均であることを考えると、「平日は忙しいので、お互いが休みの時にまとめて、あるいは夫も積極的に家事を手掛けることで、世帯全体として専業主婦世帯並の家事時間を確保する」という動きはないようだ。

家事の中でも特に問題視されることが多い「育児」に割く時間はどうだろうか。これは子供の年齢により面倒を見なければならない(=育児の)時間は大きな違いを見せるため、末子の年齢別に区分して見ていくことにする。

↑ 末子の年齢階級別生活時間(家事のうち育児)(2011年、週全体、夫婦と子供の世帯の夫・妻)(共働き世帯)
↑ 末子の年齢階級別生活時間(家事のうち育児)(2011年、週全体、夫婦と子供の世帯の夫・妻)(共働き世帯)

↑ 末子の年齢階級別生活時間(家事のうち育児)(2011年、週全体、夫婦と子供の世帯の夫・妻)(夫有業・妻無業世帯)
↑ 末子の年齢階級別生活時間(家事のうち育児)(2011年、週全体、夫婦と子供の世帯の夫・妻)(夫有業・妻無業世帯)

まず双方とも、末子の年齢が幼いほど多くの時間を費やしている。健康的にも不安定な場合が多く、そばに居てやらねばならない時間も長くなる。夜泣きなどで通常の睡眠時間帯に起こされる事例も少なくない。0歳児の時には共働き・専業共に妻は6時間近く、夫は約1時間と大きな違いは出てこない。手間の必然性を考えれば、他の行動より優先して時間を割かねばならないということだ。

夫の育児違いが出てくるのは1歳以降。専業主婦では相変わらず長時間を育児に費やせるが、共働きでは育児時間が専業主婦と比べて大幅に減少する。これは子供の年齢が1歳を超えたあたりで、妻が再びパートなどに出る状況を表している。保育施設や仕事場の子供預り所、あるいは祖父母に任せるなど、選択肢は人それぞれだが、面倒を見切れない時間をサポートしてもらうことになる。

もっとも末子の年齢が9歳以上のあたりで、いわゆる「育児」の時間はほとんど必要が無くなり、共働き・専業の差異は誤差の範囲に収まることになる。見方を変えれば、1-8歳位の間において、共働き世帯における育児時間の不足が懸念されることになる(これは単純に「時間」のつぎはぎとしてだけでなく、上記にある「保育施設」に代表される、代替し得る手立てを使う場合の経済的な負担、あるいは公共サービスの確保という選択肢も想定される)。

一方どちらの事例でも夫は有職状態にあることから、末子の子供に伴う育児時間の変移には差はほとんどない。「夫がもう少し、できれば仕事が休みの土日だけでも……」という意見もあるだろうが、今件は週全体の平均値なので、土日にそれなりの育児をした上で、結果としてこの値が出ていることになる。



工夫をすれば育児時間はある程度短縮できるが、それとて限界もある。そして単純に効率化すれば良い類のものではないのも事実(子供の立場にすれば、親がいつもそばにいる、育児をしてもらえることで、心の安寧を覚えるものだ)。育児時間を増やせる工夫は、皆が知恵を絞って生み出していかねばならない。


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