高齢層は若年層の数倍…年齢階層別に見た休養や4マス接触などの自由時間動向をグラフ化してみる(最新)

2017/11/10 05:20

2017-1109プライベートな時間の過ごし方は人それぞれだが、心身共に休みを取るとの観点では一番選ばれるであろうのが休養やくつろぎ。そしてテレビやラジオ、新聞、雑誌といった従来型の大手マスメディアの利用も、自分の時間を過ごすのには手軽で心も体も落ち着かせる時間の取り方として、多くの人が堪能している。今回は総務省統計局が2017年7月14日以降順次結果を発表している2016年社会生活基本調査の結果を用いて、それらの自由時間の過ごし方の実情を多方面から確認していくことにする(【平成28年社会生活基本調査】)。

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今調査の調査要綱は先行記事【ボランティア活動の実態をグラフ化してみる】を参照のこと。

今調査では生活様式に関して「睡眠」「身の回りの用事」「食事」「通勤・通学」「仕事(収入を伴う仕事)」「学業(学生が学校の授業やそれに関連して行う学習活動)」「家事」「介護・看護」「育児」「買物」「移動(通勤・通学を除く)」「テレビ・ラジオ・新聞・雑誌」「休養・くつろぎ」「学習・自己啓発・訓練」「趣味・娯楽」「スポーツ」「ボランティア活動・社会参加活動」「交際・付き合い」「受診・療養」「その他」の20に区分している。今回はこの中で「テレビ・ラジオ・新聞・雑誌」「休養・くつろぎ」を合わせ「休養など自由時間活動」と定義し(いわば明確な目的意識を持たない上でのプライベートタイム)、その動きを確認する。

なお「テレビ・ラジオ・新聞・雑誌」は録画や録音による利用も含むが、学習として視聴した場合は該当しない。またDVDの購入やレンタルによる視聴も該当しない。また「休養・くつろぎ」は具体例として家族との団らん、仕事場または学校の休憩時間、おやつ、お茶の時間、食休み、うたたね、家族の見舞いが挙げられている。テレビ・ラジオなどを視聴しながらくつろいだ時間は「テレビ・ラジオ・新聞・雑誌」に該当する。

まずは直近2016年の男女別・年齢階層別動向だが、若年層は女性、中堅層以降は男性の方が多くなることが多い。これは女性の方が家事などに時間を割いていることに起因する。

↑ 男女、年齢階層別休養など自由時間活動の時間(2016年、週全体、1日あたり、時間:分)
↑ 男女、年齢階層別休養など自由時間活動の時間(2016年、週全体、1日あたり、時間:分)

40代までは3時間近くでほぼ安定しているものの、それ以降は一様に増加。定年退職を迎える60代前半になると、男性4時間36分、女性も4時間11分と4時間超えを計上する。仕事や子育て、パートなどから解放され、自由に過ごせる時間が増える形である。男性は70歳、女性は80歳を超えると6時間以上となり、若年層の3時間足らずとの水準と比較して2倍以上となる。睡眠時間を8時間と仮定すると、起きている時間の4割強が休養などの自由時間活動になる。

「休養など自由時間活動」全体、そしてその構成要素である「テレビ・ラジオ・新聞・雑誌」「休養・くつろぎ」を別個に計算し直した上で、今回調査結果の2016年だけでなく、過去のデータとを比較したのが次のグラフ群。自由時間の行動様式の変化が把握できる。

↑ 年齢階層別休養など自由時間活動の時間(2001年-、週全体、時間:分、一日あたり)
↑ 年齢階層別休養など自由時間活動の時間(2001年-、週全体、時間:分、一日あたり)

↑ 年齢階層別テレビ・ラジオ・新聞・雑誌の時間(2001年-、週全体、時間:分、一日あたり)
↑ 年齢階層別テレビ・ラジオ・新聞・雑誌の時間(2001年-、週全体、時間:分、一日あたり)

↑ 年齢階層別休養・くつろぎの時間(2001年-、週全体、時間:分、一日あたり)
↑ 年齢階層別休養・くつろぎの時間(2001年-、週全体、時間:分、一日あたり)

「休養など自由時間活動」の動向は中堅層まででやや短くなる傾向があるが、大よそ変わりはない。ただ直近の2016年に限ると中堅層まではいくぶん短いように見える。

一方、それを構成する要素のうち「テレビ・ラジオ・新聞・雑誌」は「若年層から中堅層…減少」「高齢層…増加」、「休養・くつろぎの時間」は「若年層から中堅層…増加」「高齢層…減少」の動きが見られる。特に直近の2016年において「テレビ・ラジオ・新聞・雑誌」の若年層から中堅層までの減少ぶりが著しい。

まとめると、

・特定の意識を持たないプライベートな時間に変化は無い。若年層が若干減った程度。

・高齢層はより多くの時間をテレビやラジオなどの4マスに費やすようになった。その分、休養やくつろぎの時間は減っている。

・若年層はテレビやラジオなどの4マスへの消費時間を大きく減らしている。そのため特定の意識を持たないプライベートな時間そのものも減っている。

といった形になる。若年層の4マス離れは、4マスと若年層との相性や、他の趣味趣向への傾注による相対的な価値基準の低下だけでなく、「休養など自由時間活動」全体の減少ににも影響を及ぼしていることになる。今回は取り上げていないが同時に「他の趣味趣向」としての筆頭となる「趣味・娯楽」(映画・美術・スポーツなどの観覧・鑑賞、観光地の見物、ドライブ、ペットの世話、ゲーム機で遊ぶ、趣味としての読書(漫画を含む)、 クラブ活動・部活動で行う楽器の演奏、趣味としての大工作業やお菓子作り)への注力時間は伸びている。

要はプライベートの時間の過ごし方が、ぼんやりとした受け身のスタイルから、自分で能動的に行うスタイルにシフトしていると考えれば道理は通る。実際「趣味・娯楽」の値の推移を見ると、その通りとなっている。

↑ 趣味・娯楽の時間(2001年-、週全体、時間:分、一日あたり)
↑ 趣味・娯楽の時間(2001年-、週全体、時間:分、一日あたり)

「テレビを観ている暇があったら、その分ゲームをしたり漫画を読んでいたい」次第。

一方、高齢層の4マスへの時間の伸びにも目が留まる。高齢者の4マス、特にテレビやラジオのような受動スタイルのメディア好きは他の調査でも十分知られている話。今件は「昔からの傾向」であると同時に「昨今ではさらに傾注度が高まっている」ことを示唆する内容となっている(80歳以上ではやや減少ぶりが見られるが)。

今後さらに高齢層の4マスとの密接化が続くのか、それともデジタル機器の普及に伴い高齢層にもその方面への注力が増し、4マスから離れるようになるのか。2021年分の調査結果が待ち遠しい。


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