高齢者は若年層の2倍以上…世代別に見た休養や4マス接触などの自由時間動向をグラフ化してみる(2011年社会生活基本調査)

2013/02/18 07:55

テレビを観るお年寄り総務省統計局は2012年7月13日から12月21日にかけて、2011年社会生活基本調査の結果を発表した。そこで【ボランティア活動の実態をグラフ化してみる(2011年社会生活基本調査)】を皮切りに、気になるポイントを逐次抽出し、必要な場合には追加資料やデータベース上の詳細値を使い補足した上でグラフ化し、状況の把握を行っている。今回は「テレビ・ラジオ・新聞・雑誌(4マス)の利用」と「休養・くつろぎ」から成る「休養など自由時間活動」の動向を、いくつかの切り口で見ていくことにする(【平成23年社会生活基本調査(総務省)】)。

スポンサードリンク


今調査は1976年以降5年おきに行われているもので、1日の生活時間の配分と過去年間における主な活動状況などを調べている。そしてその結果は仕事と生活の調和の推進や男女共同参画社会の形成、少子高齢化対策などの各種行政施策の基礎資料として役立てられることになる。

今調査では生活様式に関して「睡眠」「身の回りの用事」「食事」「通勤・通学」「仕事(収入を伴う仕事)」「学業(学生が学校の授業やそれに関連して行う学習活動)」「家事」「介護・看護」「育児」「買物」「移動(通勤・通学を除く)」「テレビ・ラジオ・新聞・雑誌」「休養・くつろぎ」「学習・自己啓発・訓練」「趣味・娯楽」「スポーツ」「ボランティア活動・社会参加活動」「交際・付き合い」「受診・療養」「その他」の20に区分している。今回はこの中で「テレビ・ラジオ・新聞・雑誌」「休養・くつろぎ」を合わせ「休養など自由時間活動」と定義し(いわば明確な目的意識を持たない上でのプライベートタイム)、その動きを見ていくことにする。

まずは直近2011年の男女別・世代別動向だが、若年層は女性、中堅層以降は男性の方が多くなる。これは多分に女性の方が家事などに時間を割いていることに起因する。

↑ 男女、年齢階級別休養など自由時間活動の時間(2011年、週全体、1日あたり、時間:分)
↑ 男女、年齢階級別休養など自由時間活動の時間(2011年、週全体、1日あたり、時間:分)

40代までは3時間前後でほぼ安定しているものの、それ以降は一様に増加。定年退職を迎える60-64歳になると、男性4時間42分、女性も4時間12分と4時間超えを記録する。仕事や子育て、パートなどから解放され、自由に過ごせる時間が増える次第。80歳を超えると6時間以上となり、若年層の3時間前後という水準と比較して2倍以上となる。睡眠時間を8時間と仮定すると、起きている時間の4割強が自由時間になる。

「休養など自由時間活動」全体、そしてその構成要素である「テレビ・ラジオ・新聞・雑誌」「休養・くつろぎ」を別個に計算し直した上で、今回調査結果の2011年だけでなく、1986年・1996年と古めのデータとを比較したのが次のグラフ群。自由時間の行動様式の変化が垣間見れる。

↑ 年齢階級別・休養など自由時間活動の時間(1996・2001・2011年、週全体、時間:分、一日あたり)
↑ 年齢階級別・休養など自由時間活動の時間(1996・2001・2011年、週全体、時間:分、一日あたり)

↑ 年齢階級別テレビ・ラジオ・新聞・雑誌の時間(1986・1996・2011年、週全体、時間:分、一日あたり)
↑ 年齢階級別テレビ・ラジオ・新聞・雑誌の時間(1986・1996・2011年、週全体、時間:分、一日あたり)

↑ 年齢階級別休養・くつろぎの時間(1986・1996・2011年、週全体、時間:分、一日あたり)
↑ 年齢階級別休養・くつろぎの時間(1986・1996・2011年、週全体、時間:分、一日あたり)

「休養など自由時間活動」の動向は年齢区分の変更などから、1986年分のデータが無い事に注意(1996年時点ですら、70歳以上で包括してしまっているので、ややイレギュラーな動きを見せている)。ともあれ、若年層でやや減少の動きを見せるものの、ほとんどの世代において長さに変わりはないことが分かる。

一方、それを構成する要素のうち「テレビ・ラジオ・新聞・雑誌」は明らかに「若年層…減少」「高齢層…増加」、「休養・くつろぎの時間」は「若年層…増加」「高齢層…減少」の動きが見られる。まとめると、

・特定の意識を持たないプライベートな時間に変化は無い。若年層が若干減った程度。
・この25年の間に、高齢者はプライベートタイムのうち、より多くの時間をテレビやラジオなどの4マスに費やすようになった。その分、休養やくつろぎの時間は減っている。
・この25年の間に、若年層はプライベートタイムのうち、より多くの時間を休養やくつろぎに費やすようになった。その分、テレビやラジオなどの4マスへの消費時間は減っている。

という具合になる。若年層の4マス離れは、4マスと若年層との相性や、他の趣味趣向への傾注による相対的な価値基準の低下だけでなく、「休養など自由時間活動」全体の減少に伴う調整分として、最初に削られている面もあるのだろう。「テレビを観ている暇があったら、その分休んでいたい」という次第である。

一方、高齢層の4マスへの時間の伸びにも目が留まる。高齢者の4マス、特にテレビやラジオのような受動スタイルのメディア好きは【テレビの視聴時間、若年層で減少中、でもその分高齢者が増えて…】など、他の調査でも十分知られている話ではある。今件は「昔からの傾向」であると同時に「昨今ではさらに傾注度が高まっている」ことを示唆する内容となっている。

今後さらに高齢層の4マスとの密接化が続くのか、それともタブレット機やスマートフォンなどの普及に伴い、高齢層にもその方面への注力が増し、4マスから離れるようになるのか。2016年分の結果が待ち遠しい。


■関連記事:
【5年の間にこれだけ変わる…テレビ視聴と新聞購読時間の変移をグラフ化してみる(2011年版情報通信白書より)】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー