正社員58.8%、パート・アルバイト29.2%…日本の雇用形態の現状をグラフ化してみる(最新)

2017/11/08 05:10

2017-1107総務省統計局が2017年7月14日以降順次結果を発表している2016年社会生活基本調査では、多種多様な切り口から人々の生活様式を知れる調査が行われ、その結果が公開されている。今回はその公開データを用い、雇用者の実情を多方面から確認していくことにする(【平成28年社会生活基本調査】)。

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正規・非正規それぞれの人数と比率


今調査の調査要綱は先行記事【ボランティア活動の実態をグラフ化してみる】を参照のこと。

まずは雇用形態別の人口と比率。直近年となる2016年時点では正規職員・従業員(正社員)は3285.0万人、雇用されている人全体に占める比率は58.8%。

↑ 雇用形態別人口(雇用されている人、15歳以上、万人、2016年)
↑ 雇用形態別人口(雇用されている人、15歳以上、万人、2016年)

今件のようなグラフを呈した時に必ず受ける誤解が、男性正社員・非正社員のみをイメージした上で「正社員比率が低すぎる」なるもの。今件グラフは主婦層のパート・アルバイトまでをも合算したもので、例えば男性のみで正社員・非正社員比率を計算すると74.9対25.1となる(女性のみだと39.8対60.2となり、正社員・非正社員率の大小が逆転する)。また昨今では高齢者による定年退職後の契約社員などの立場での再雇用例も増えており、これもまた正社員比率を押し下げる一因となっている。

平均的な労働時間は?


それぞれの労働形態における、平均的な労働時間は次の通り。正社員は7時間強、契約社員は6時間強、パートは約4時間となる。

↑ 雇用形態別仕事時間(時間:分)(2016年)(週全体における一日平均)
↑ 雇用形態別仕事時間(時間:分)(2016年)(週全体における一日平均)

今件は土日も含めた上での平均なので、例えば正社員の場合は平均で1週間あたり7時間09分×7=50時間03分働いている。今件には法定労働時間(週40時間)に残業や副業も含まれているため、仮に週休2日制として概算すると、勤務日では毎日2時間ほどの残業・副業をこなしていることになる。かなりハードな状況、かもしれない(一部では「それでもまだ短い」とする意見もあるだろうが)。またパートやアルバイトの就業時間の短さや、派遣社員・契約社員の時間の長さに、それら職種への認識を改める人もいるだろう。

世間一般には「正社員の数が減り、その分非正社員が増えた」と言われている。それを今回の「社会生活基本調査」で確認するため、今世紀以降の調査分も合わせ、雇用形態別労働人口の変移をグラフ化する。なお2001年から2006年の調査結果は雇用形態の区切りが簡略化されている(その他非正規社員に契約社員と嘱託が含まれている)のに注意が必要。

↑ 雇用形態別人口(万人、2001-2016年)
↑ 雇用形態別人口(万人、2001-2016年)

雇用されている人全体の数は漸増。正社員は減少傾向だが2016年では微増、パートとアルバイトを合わせた数は漸増。「派遣バッシング」とそれに伴う法改正など社会情勢の変化を受け、派遣社員は2011年に大幅減となったが、2016年は2006年を超える値にまで増加している。

2016年に限れば景況感の改善に伴う労働市場の活性化を受けて、正社員も非正規社員も大きく増加している。減っているのはアルバイトぐらい。年齢階層的には正社員は主に若年層が、パートは中堅の女性、契約社員や嘱託や派遣社員は高齢層の増加(上記説明の通り定年退職後の再雇用)が主な増加理由。詳しくは労働力調査を基にした【正規・非正規就業者数の詳細をグラフ化してみる】【人口動向も含めた正規・非正規就業者数などの詳細をグラフ化してみる】を参照のこと。

総労働量を仕事の総時間で確認


雇用形態別人口の比率変化、つまり労働市場における正社員・非正社員の配分の変化に伴い、市場全体の総労働時間(≒全体の労働力)や、個々の労働形態の立場にある人たちの労働時間はどのような変化を見せたのだろうか。併せて直近調査分における前回調査分からの、雇用形態別の一人・一日あたりの平均仕事時間の変化を確認する。

↑ 仕事時間総量(万時間、2001-2016年、週一全体、一日平均)
↑ 仕事時間総量(万時間、2001-2016年、週一全体、一日平均)

↑ 2011年から2016年における雇用形態別平均仕事時間増減(一日あたり、分)
↑ 2011年から2016年における雇用形態別平均仕事時間増減(一日あたり、分)

労働者の数は漸増しているが、中身としては多分に短時間労働者の非正規社員増加であるため、仕事時間総量の伸び方は穏やか。2011年では前回調査比で減少までしている。

そして5年前と比較した、直近年の一人あたりの一日平均労働時間だが、すべての雇用形態で減少している。雇用されている人全体の数の増加ぶりと比べ、仕事時間総量の増え方が穏やかな一因は、それぞれの雇用形態における残業が減ったことによるものだろう。



数字の上でも正社員の比率が減り、非正社員が増えていることは事実である。一方で、世間一般に言われているような状況とは雰囲気を異にする現状であることも、今件データからは見えてくる。毎年更新される「労働力調査」の結果と合わせ、正しい現状を認識したいものだ。


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