正社員59.8%、パート・アルバイト28.6%…日本の雇用形態の現状をグラフ化してみる(2011年社会生活基本調査)

2013/02/17 10:00

雇用総務省統計局では2012年7月13日から12月21日にかけて順次各項目について、2011年社会生活基本調査の結果を発表している。そこで今年の1月31日に掲載した【ボランティア活動の実態をグラフ化してみる(2011年社会生活基本調査)】のように、注目すべき項目を逐次抽出し、必要な場合は追加資料やデータベース上の詳細値を使ってグラフ化し、状況の把握と精査を行っている。今回は調査時点(2011年10月)の、日本の雇用形態の状況を把握できるデータをいくつかグラフ化し、概況を精査することにした(【平成23年社会生活基本調査(総務省)】)。

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今調査は1976年以降5年おきに行われている、定点観測的なもの。人々の1日における生活時間の配分と過去年間における主な活動状況などを調べている。そしてその結果は各種行政施策の基礎資料として役立てられる。

まずは雇用形態別の人口と比率。正規職員・従業員(正社員)は3199.2万人、雇用されている人全体に占める比率は59.8%。

↑ 雇用形態別人口(万人、2011万人)
↑ 雇用形態別人口(万人、2011万人)

今件のようなグラフを呈した時に必ず受ける誤解が、男性正社員・非正社員のみをイメージした上で「正社員比率が低すぎる」というもの。今件グラフは主婦層のパート・アルバイトまでをも合算したもので、例えば男性のみで正社員・非正社員比率を計算すると76.9対23.1となる(女性のみだと38.8対61.2となり、正社員・非正社員率の大小が逆転する)。

それぞれの労働形態における、平均的な労働時間は次の通り。正社員は7時間強、契約社員は6時間強、パートは4時間となる。

↑ 雇用形態別仕事時間(時間:分)(2011年)(週全体における一日平均)
↑ 雇用形態別仕事時間(時間:分)(2011年)(週全体における一日平均)

今件は土日も含めた上での平均なので、例えば正社員の場合は平均で1週間あたり7時間13分×7=50時間31分働いている。今件には法定労働時間(週40時間)に残業や副業も含まれているため、仮に週休2日制として概算すると毎日1時間半ほどの残業・副業をこなしていることになる。かなりハードな状況、かもしれない(一部では「それでもまだ短い」とする意見もあるだろうが)。またパートやアルバイトの就業時間の短さや、派遣社員・契約社員の時間の長さに、それら職種への認識を改める人もいるかもしれない。

世間一般には「正社員の数が減り、その分非正社員が増えた」と言われている。それを今回の「社会生活基本調査」で確認するため、前回調査の2006年分と合わせ、雇用形態別労働人口の変移をグラフ化する……が、2006年時点では契約社員・嘱託の区分が無く、その他非正規社員に合わせてカウントしているため、やや変則的なグラフとなってしまっている。

↑ 雇用形態別人口(万人、2006-2011年)
↑ 雇用形態別人口(万人、2006-2011年)

雇用されている人全体の数はほぼ変わらず。正社員が減り、パートとアルバイトを合わせた数もほぼ同じ。さらにいわゆる「派遣バッシング」とそれに伴う法改正など社会情勢の変化を受け、派遣社員は大幅減。

その結果、正社員と派遣社員の減少分を補う形で、契約社員+嘱託+その他非正規社員が増加する形となっている。この傾向は別の公的発表データ「労働力調査」が表している実情(【派遣以外は増加中…非正規社員の現状をグラフ化してみる(2011年版)】)と同じであり、状況の再確認もできる。

雇用形態別人口の比率変化、つまり労働市場や職場における正社員・非正社員の配分の変化に伴い、市場全体に占める労働時間(≒全体の労働力)や、個々の労働形態の立場にある人たちの労働時間はどのような変化を見せたのだろうか。

↑ 仕事時間総量(万時間、2006-2011年、週一全体、一日平均)
↑ 仕事時間総量(万時間、2006-2011年、週一全体、一日平均)

↑ 2006年から2011年における雇用形態別平均仕事時間増減(一日あたり、分)
↑ 2006年から2011年における雇用形態別平均仕事時間増減(一日あたり、分)

正社員・非正社員間の比率は変わったものの、総労働時間に変わりはほとんどない。むしろ減っている。もっともこれは上記にある通り、雇用形態上において正社員がもっとも長時間働いていることを考えれば道理は通る。

そして5年前と比較した、一人あたりの一日平均労働時間だが、パートやアルバイト、派遣社員は減少しているのに対し、正社員は逆に増加してしまっている。上記にある通り法定労働時間をすでに超過していることを考慮すれば、この「プラス2分」も残業によるものであることは容易に想像できよう。



数字の上でも、そして男女ともに正社員数・比率が減り、非正社員が増えていることは事実である。一方で、世間一般に言われているような状況とは雰囲気を異にする現状であることも、今件データからは見えてくる。毎年更新される「労働力調査」の結果と合わせ、正しい現状を認識したいものである。

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