「歳をとるとよく眠る」は本当か…平均的な一日の生活時間配分をグラフ化してみる(最新)

2017/11/07 05:15

2017-1106いかなる人にも1日に与えられた時間は24時間でしかない。その時間を睡眠や食事、学業や仕事、その他さまざまな仕事に割り当てて日々を過ごしていくことになる。世間一般では「歳をとると睡眠時間が増える」「若年層ほど早食い」とのイメージがあるが、統計的に正しい話なのだろうか。総務省統計局が2017年7月14日以降順次結果を発表している2016年社会生活基本調査から、その実情を確認していく(【平成28年社会生活基本調査】)。

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今調査の調査要綱は先行記事の【ボランティア活動の実態をグラフ化してみる】を参照のこと。

今件では生活様式を「睡眠」「身の回りの用事」「食事」「通勤・通学」「仕事(収入を伴う仕事)」「学業(学生が学校の授業やそれに関連して行う学習活動)」「家事」「介護・看護」「育児」「買物」「移動(通勤・通学を除く)」「テレビ・ラジオ・新聞・雑誌」「休養・くつろぎ」「学習・自己啓発・訓練」「趣味・娯楽」「スポーツ」「ボランティア活動・社会参加活動」「交際・付き合い」「受診・療養」「その他」の20に区分。さらに睡眠・食事など生理的に必要な活動を「1次活動」、仕事・家事など社会生活を営む上で義務的な性格の強い活動を「2次活動」、これら以外の各人が自由に使える時間における活動を「3次活動」としている。

そして一週間の平均(平日・土曜日・日曜日すべて。平日平均×5+土曜日平均+日曜日平均を7で割って算出)として、各年齢階層がどのような時間配分で各生活様式に時間を配しているかを見たのが次のグラフ。まずは男性だが、早い人は未成年のうちから就労を始めるものの、多くの人は20代前半までに就労を開始するため、「仕事」の項目に割かれる時間は30代前半まで大きな増加を続けることになる(未就労の人もあわせた平均のため)。ピークは30代後半だが、未就労者の就職だけでなく、就労者の就労時間が伸びているのも平均値を引き上げているのだろう。

↑ 年齢階層別・行動の種類別生活時間(週全体・1日あたり平均)(2016年、男性、分)
↑ 年齢階層別・行動の種類別生活時間(週全体・1日あたり平均)(2016年、男性、分)

仕事時間の増加と共に、「睡眠」や「3次活動」の時間が削られているのが分かる。大いに首を縦に振りたくなる人もいるはずだ。しかし「睡眠」「3次活動」の圧迫は50代前半がピークで、それ以降は少しずつ、そして確実に「睡眠」「3次活動」が増えていく。定年退職を果たしても再就職事例も多いため「仕事」の時間がゼロになることはないが、「3次活動」の時間の長さとは立ち位置が逆転しており、悠々自適な感はある。

また、「食事」は20代前半の82分が最短。これは3食(食べている人の場合)合わせた時間であり、随分と短い。これが少しずつ、そして確実に増加し、60代後半時点では112分と、30分も延長されている。「睡眠」の短さは50代前半が一番短く、「食事」とはやや異なるが、やはり年上になるほど伸びていく動きを見せる。

女性は男性とは似て非なる配分が行われている。

↑ 年齢階層別・行動の種類別生活時間(週全体・1日あたり平均)(2016年、女性、分)
↑ 年齢階層別・行動の種類別生活時間(週全体・1日あたり平均)(2016年、女性、分)

女性は男性と比べて専業主婦にしてもパート・アルバイトによる兼業主婦にしても、結婚した上で家業を多分に任されるため、「家事関係」の項目が20歳後半以降大きく増加する。時間のやりくりの大変さは男性以上のようで、中堅層以降では「睡眠」は男性より短い。一方で「食事」は数分長いが、これは子供と一緒に食事をとる場合が多分にあり、自分のペースで食せるとは限らないのが一因。また女性も男性同様、年上になるほど食事・睡眠の時間は伸びていく。

そのほか「身の回りの用事」は女性が概して長い、女性中堅層の「通勤・通学」は男性より短く、自宅の近所でパートなどをしているようすがうかがえるなど、普段の生活の上で実感させられている事柄で数字的な裏付けが見え、非常に興味深い。

これらは平均値で、しかも平日・休日を合わせた上での算出のため、実際には特に就労層における平日と土日で、大きな差が出るものと考えられる。今件は社会全体、行動様式としての、各年齢階層における大まかに時間配分と見るべき。年齢階層間の時間の配分の違いから、何が求められているのか、不足しているのかを推し量る素材となろう。


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