パチンコも読書もする人減少中…種類別・趣味娯楽をする人の変化(最新)

2017/11/06 05:14

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2017-1105人は衣食住を充足すればそれで日々の暮らしにすべて満足するわけではなく、自分の趣味趣向にあわせて多様な娯楽を楽しむ時間を過ごすことで、はじめて生活の充実を確認することができる。人々はどのような趣味や娯楽をたしなんでいるのか、総務省統計局が2017年7月14日以降順次結果を発表している2016年社会生活基本調査から、その実情を確認していく(【平成28年社会生活基本調査】)。


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今調査の調査要綱は先行記事の【ボランティア活動の実態】を参照のこと。

今件項目は回答時から過去1年間において、自分の趣味・娯楽としてその行動をしたか否かを聞いた結果をまとめたもの。調査では広範囲にわたる趣味・娯楽が対象となっているが、今回はパチンコ、テレビゲーム・パソコンゲーム、カラオケ、園芸・庭いじり、趣味としての読書、写真の撮影・プリント(機種の限定はないため、デジカメやスマートフォンによる撮影も含む)に限定した。頻度は問わず、1年以内に一度でも手にした・実行すれば該当する。

そのうち4項目に限定して年齢階層別に見たのが次のグラフ。調査対象母集団全体ではパチンコ8.5%、テレビゲーム・パソコンゲーム35.8%、カラオケ30.7%、写真撮影やプリント24.9%との結果となった。なお写真撮影に関しては質問票では特に詳しい説明はなく、紙焼きのカメラ以外にデジタルカメラ、モバイル端末による写真撮影も含まれると考えて良い。またテレビゲーム・パソコンゲームはスマートフォンのゲームも含まれるか否かは判断が難しいところだが、他の一部項目では「テレビ・スマートフォン・パソコンなどは除く」と仕切り分けがしてあること、スマートフォンに限定したゲームの項目がないことを併せ考えると、回答者がスマートフォンのゲームで遊んだ場合に「テレビゲームみたいなものだから」と判断して該当すると回答した可能性は多分にある。

↑ 「趣味・娯楽」の年齢階層別行動者率(パチンコ、テレビゲーム・パソコンゲーム)(2016年)
↑ 「趣味・娯楽」の年齢階層別行動者率(パチンコ、テレビゲーム・パソコンゲーム)(2016年)

↑ 「趣味・娯楽」の年齢階層別行動者率(カラオケ、写真撮影・プリント)(2016年)
↑ 「趣味・娯楽」の年齢階層別行動者率(カラオケ、写真撮影・プリント)(2016年)

パチンコは20歳以降ほぼ一定率で遊んでいる人がいる。最多行動者率は30台前半の12.3%。60代までは1割前後を維持し、70代に入ってようやく値は減り始める。しかし75歳以上でも2.7%の人が遊んでいる。

一方テレビゲーム・パソコンゲームは10代前半がピーク。以降行動者率は減っていくが、40代後半以降は減少率がやや大きなものとなる。他のデジタル系ツールに関する調査でも大体この年齢階層で断崖的な差異が生じており、デジタルギャップがこの年齢階層で発生しているものと思われる。あるいは老眼によるものだろうか。

一時は大いに流行り、あちこちにカラオケボックスが点在することになったカラオケも、今では全体で約3割。若年層の利用率は高めで、20歳前半では2/3近い行動者率を見せている。またパチンコ同様、高齢層でも一定率の利用者がいるのも特徴的な動き(75歳以上でも1割以上が利用経験ありとしている)。

写真撮影・プリントもまた、高齢者でも高い利用率を示している。もっともこちらは30代がピーク。多分に世帯を持ち、子供の写真を撮る必然性が生じてのものだろう。

さてこれら4項目に、いくつかの趣味・娯楽として例に挙げられることが多い項目を加え、前世紀末からの行動者率の動きを見たのが次のグラフ。

↑ 「趣味・娯楽」の行動者率推移(1996-2016年)
↑ 「趣味・娯楽」の行動者率推移(1996-2016年)

テレビゲーム・パソコンゲームは本体普及率や上記説明の通りスマートフォン上のゲームも回答に含まれている可能性もあり、値は増加の一途をたどっている。今回取り上げた中では唯一、前世紀末から継続して上昇を見せている項目。他の娯楽は読書や写真撮影、日曜大工のように一時上げ基調を見せたものの、大よそ減少傾向にある(日曜大工は直近で増加したが)。特にカラオケは、1996年から2011年にかけて、16%ポイント以上もの減少が確認できる。直近では30.7%と3割台を回復したが、一時的なものか、回復基調に転じたかは現時点では見極めにくい。

「趣味趣向、娯楽の多様化」との指摘はよく耳にする。しかし実際には既存の娯楽から疎遠になる人が増え、特定の趣味の中で細分化している感は否めない。今件社会生活基本調査の「趣味・娯楽」の項目には無いが、例えばソーシャルメディアでのやり取り、テレビ視聴、ウェブサーフィンのように、他の趣味趣向を包括しうるものに取り込まれている気がしてならない。

幸いにも2016年分では新規項目として「スマートフォン・パソコンなどの使用について」が設けられ、ネットショッピングや趣味・娯楽、交際・付合い・コミュニケーションの利用状況を推し量ることが可能になった。経年変化をたどることはできないが、機会があればこの項目についても精査を行うことにしよう。


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