震災によるボランティア活動の活性化実態をグラフ化してみる(2011年社会生活基本調査)

2013/02/01 11:50

災害に関係したボランティア活動総務省統計局は2012年7月13日から12月21日にかけて、2011年社会生活基本調査の結果を発表した。今調査は1976年以降5年おきに行われているもので、1日の生活時間の配分と過去年間における主な活動状況などを調べている。そしてその結果は仕事と生活の調和の推進や男女共同参画社会の形成、少子高齢化対策などの各種行政施策の基礎資料として役立てられることになる。今回はその中から、ボランティア活動への取り組みのうち、2011年3月に発生した東日本大地震・震災によるものと考えられる、「災害に関係した活動」の行動者率の特異的な変移について見ていくことにする(【平成23年社会生活基本調査(総務省)】)。

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今件における「ボランティア活動」とは、報酬を目的とせずに自分の労力や技術、時間を提供して地域社会や個人、団体の福祉増進のために行う活動を指す。ただし、交通費などの実費程度の金品の支払いは報酬と見なさず、ボランティア活動に含められる。一方、ボランティア団体が開催する催し物に参加しただけの場合は、該当活動とはみなされない。

先に別記事で記した通り、前回調査の2006年時点と比べ、2011年においては「災害に関係した活動」の値が大きく伸びているのが確認できる。冒頭でも触れた通り、2011年の震災の影響によるものと考えられる。

↑ 「ボランティア活動」の種類別行動者率(2006年、2011年)(再録)
↑ 「ボランティア活動」の種類別行動者率(2006年、2011年)(再録)

この動きをもう少し詳しく見たのが次以降のグラフ。まずはもう1回分過去までさかのぼり、2001年・2006年・2011年分における、「災害に関係した活動」の行動者率(過去1年間に該当する行動をした人の割合)を、世代別に見たのが次の図。なお2001年は元データの時点で、高齢者層部分において70歳以上でひとまとめにしてあるため、75歳以上が記述されていない。

↑ 「ボランティア活動」の種類別行動者率(「災害に関係した活動」)(2001年、2006年、2011年)
↑ 「ボランティア活動」の種類別行動者率(「災害に関係した活動」)(2001年、2006年、2011年)

●「災害に関係した活動」の具体例
・救援物資の確保・輸送
・炊き出しなどの災害時の救援
・災害復旧のための資金の募集
・現地での労力奉仕
・災害後の被災者への救援

2001年と2006年の間にはゼロカンマ数%ポイントの変移があるが、これは「ぶれ」の範囲で、社会的情勢の変化に伴うものではない。一方、2006年から2011年にかけての動きは、「何らかの状況変化に伴う動き」であることは、誰が見ても一目瞭然。そしてその理由は上記にある通り、震災によるものに他ならない。特に従来ほとんど動きの無かった若年層における大きな伸び、中堅層の活躍ぶりが見て取れる。

この2006年から2011年への変移を、倍率計算したのが次のグラフ。

↑ 「ボランティア活動」の種類別行動者率(「災害に関係した活動」)(2006年から2011年への変移、倍率)
↑ 「ボランティア活動」の種類別行動者率(「災害に関係した活動」)(2006年から2011年への変移、倍率)

元々20・30代は値が低めだったのも一因だが、この層の大きな伸びが実体として表れているのも事実に他ならない。先の震災におけるボランティア活動に、多数の若年層が参加するようすが伝えられているが、それが単なる見た目だけのもの、演出的な切り貼りによるものではないことが、改めて確認できるというものだ。また、2006年時点では最多階層が50-60代だったものが、2011年では40-50代前半にシフトしたことも、注目すべき動きと言えよう。


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