ボランティア活動の実態をグラフ化してみる(最新)

2017/11/05 05:05

総務省統計局は2017年7月14日に発表した「生活行動に関する結果」を皮切りに、2016年社会生活基本調査の結果を逐次発表している。今調査は1976年以降5年おきに行われているもので、1日の生活時間の配分と過去年間における主な活動状況などを調べている。そしてその結果は仕事と生活の調和の推進や男女共同参画社会の形成、少子高齢化対策などの各種行政施策の基礎資料として役立てられることになる。今回はその中から、ボランティア活動への取り組み具合について見ていくことにする(【平成28年社会生活基本調査】)。

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今調査は2010年時点の国勢調査の調査区のうち、2016年の熊本地震の影響を受けて調査が困難な一部地域を除いた、総務大臣の指定する7311調査区に対して行われたもので、指定調査区から選定した約8万8000世帯に居住する10歳以上の世帯員約20万人を対象としている。ただし外国の外交団やその家族、外国の軍人やその関係者、自衛隊の営舎内や艦船内の居住者、刑務所などに収容されている人、社会福祉施設や病院、療養所に入所・入院している人は対象外。2016年10月20日現在の実情について回答してもらっているが、生活時間については2016年10月15日から10月23日までの9日間のうち、調査区ごとに指定した連続する2日間についての調査となる。調査方法は調査員による調査世帯への調査票配布と回収方式。

今件における「ボランティア活動」とは、報酬を目的とせずに自分の労力や技術、時間を提供して地域社会や個人、団体の福祉増進のために行う活動を指す。ただし、交通費などの実費程度の金品の支払いが生じても報酬と見なさず、ボランティア活動に含む。一方、ボランティア団体が開催する催し物に参加しただけの場合は、該当活動とはみなされない。

調査時点において過去1年間にボランティア活動をしたか否かを聞いたところ、2016年では26.0%の人が経験ありとの結果が出た。

↑ 「ボランティア活動」の年齢階級別行動者率(2016年)
↑ 「ボランティア活動」の年齢階級別行動者率(2016年)

↑ 「ボランティア活動」の年齢階級別行動者率
↑ 「ボランティア活動」の年齢階級別行動者率

ボランティア活動の行動率は未成年者で1/4以上に達しているが、20代後半にかけて漸減し、それ以降は再び増加、40代をピークとし、以降は60代前半まで下がったあと、再びいくぶんの増加を示し、75歳以上で大きく落ちる。活動内容にもよるが、時間的・精神的余裕があるか否かが大きいと見れば納得のいく動きではある。

実際、普段の就業状態別で見ると、働き盛りの中堅層では無業者の方がボランティア活動をしている人の割合は高い。就業者は時間が取りにくいので行動者率が落ちる次第。

↑ 「ボランティア活動」の年齢階級別行動者率(2016年)(普段の就業状態別)
↑ 「ボランティア活動」の年齢階級別行動者率(2016年)(普段の就業状態別)

経年変化で中堅層の値が落ちているのは、この層が多忙になったことに加え、女性の就業率が共働きで上昇しているのが要因だろう。

他方50代以降では有業者の方が高い値が出ているのは、時間的余裕よりも精神的な、あるいは身体上の理由によるところが大きいと考えられる。75歳以上で大きく無業者の値が落ちているのが好例だが、高齢層の無業者は仕事ができないほどに気力や体力が減退し、ボランティア活動に手を出すのも難しいという次第。

前回調査の2011年分から直近の2016年への動きを見ると、きれいな形で現役世代の値が減り、高齢層が増加している。

↑ 「ボランティア活動」の年齢階級別行動者率(2011年から2016年への変移、ppt)
↑ 「ボランティア活動」の年齢階級別行動者率(2011年から2016年への変移、ppt)

働き盛りの人たちは仕事が多忙になり、高齢層ではボランティア機運が高まっている、というところか。15-19歳層の上昇は、学校での後押しがあるのかもしれない。

さて「ボランティア活動」とひとまとめにしてあるが、中身としては多種多様な活動がある。その内容を確認したのが次のグラフ。

↑ 「ボランティア活動」の種類別行動者率(2016年)
↑ 「ボランティア活動」の種類別行動者率(2016年)

「まちづくりのための活動」がもっとも多く11.3%、ついで「子供を対象とした活動」が8.4%、「安全な生活のための活動」が5.0%、「自然や環境を守るための活動」が4.0%で続く。2011年の震災時に大きく伸びた「災害に関係した活動」は前回調査の2011年における3.8%から大きく後退し、1.5%に過ぎない。

なお各ボランティアの種類だが、その内容に関連する年齢や性別で、活動に参加する人の割合は大きな違いが生じている。例えば「子供を対象とした活動」では中堅層の女性が大きな値を計上している。

↑ 「ボランティア活動」の種類別行動者率(2016年、男女・年齢階層別、「子供を対象とした活動」)
↑ 「ボランティア活動」の種類別行動者率(2016年、男女・年齢階層別、「子供を対象とした活動」)

男性も中堅層で大きめの値が出ているが、女性は男性の数倍の行動者率。40代前半では3割近い人が子供を対象にしたボランティア活動をしている。自分の子供も対象になりうるとなれば、参加する人が多いのも理解できる話ではある。


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