2012年12月度外食産業売上はマイナス1.0%・客単価の減少で売上もダウン、総選挙が忘年会のキャンセル誘発

2013/01/26 08:00

日本フードサービス協会は2013年1月25日、協会会員会社を対象とした外食産業の市場動向調査における2012年12月度の調査結果を発表した。それによると総合売り上げは前年同月比でマイナス1.0%となり、先月から転じて前年同月を下回った。客数はわずかに増加したが、忘年会をはじめとする団体系予約が総選挙の影響などでキャンセルされた事例が多く、結果として客単価が前年同月比で減少。そして売り上げもマイナスになった(【発表リリースページ】)。

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今調査はファストフードやファミレス、パブレストランや居酒屋、ディナーレストラン、喫茶店などを対象に行われたもので、対象数は事業者数が216、店舗数は3万1512店舗。今月は前月と比較して事業社数は増加、店舗数は減少している。

全業態すべてを合わせた12月度売り上げ状況は、前年同月比で99.0%と前年同月を下回った。今回月は前年同月と比べて休日が1日多かったものの雨天の日も多く、日取り・天候的にはまちまち。一方で各種キャンペーンによりファストフード・ファミリーレストラン系で客数は増加したものの、外食への消費性向の減退に加え、総選挙の実施によって客単価の大きな底上げが期待できる忘年会のキャンセルが多分に発生し、それが客単価を引き下げる形となった。

業態別ではファストフードが先月から転じてマイナス。客数的には各種キャンペーン効果が奏功したが、消費性向の衰えや昨年同月の堅調さに追いつくには勢いが足りず(和風セクター)、客単価はマイナスに。持ち帰り米飯・回転寿司は逆で、客単価は良かったものの、寒さが特に中高齢層に堪え、客足が減り、売上高を落とすこととなった。なお牛丼チェーン店が含まれている「和風」では、「売上99.0%」「客数97.6%」「客単価101.4%」。新メニューの展開による客単価の上昇は継続中だが、客足の遠のき具合を補うまでには至らなかった。

ファミリーレストラン部門はプラス。焼肉部門は今月では前年同月比でプラス10.0%と上げ幅を拡大している。客数増加がプラス6.7%と大きめなことから、昨年の風評被害の反動が一部残っているようだ。

全店データ
↑ 全店データ

寒さで中高齢層の足並み衰え、
外食向け消費性向の減退、
さらには総選挙の実施が
忘年会のキャンセルを招き、
マイナスに作用。
東日本大地震・震災の影響はほぼ数字上は過去のものとなったが、震災によって発生、加速した消費性向における自粛・倹約シフト、食品の安全に関する問題などの二次的影響(風評、扇動によるもの含む)は消費者・提供側双方の懸念材料として残り、中長期的な客数・客単価の減退が一部に現れている。

また「焼き肉」業界では震災による風評被害に加えて畳み掛けるように、個別業態の動向を大きく揺るがす事象「牛レバー生食問題」も発生した(【厚生労働省発「牛レバーを生食するのは、やめましょう」】)。今回月はその多くが震災風評被害の反動によるプラス値だが、それと重なる形で今問題も起きており、しばらく反動という形で同業界はプラス値を示すものと思われる。この「焼き肉」業界はやや特殊だが、食品を取り扱う事業である以上、どのセクターでも似たような事象の発生による、売り上げの激変はリスク要因としてありうる。

震災を経て、すでに各種プロモーションなどで新たな歩みを進めている企業・業態も多い。他業種との共同企画による活性化試行も珍しいものでは無くなった。確実に変化を遂げた消費者の生活・消費スタイル(特に中高齢層の動向に注目が集まる)、そして影響を及ぼし得る電力需給問題に、外食産業がどのような対策を講じていくのか。各社とも尽力は続けているが、平穏時以上の努力と知恵が無ければ、業績の底上げどころか維持もままならない。中には空回りをするばかりの大手チェーンも見られ、状況打破が容易でないことが見て取れる。

今後も各外食店の動向、手腕の発揮ぶりに注目したいところだ。

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