年末でセールス堅調、ただし前年同月比はすべて3-5割減(薄型テレビ出荷動向:2012年12月分)

2013/01/28 11:55

電子情報技術産業協会(JEITA)は2013年1月23日、【民生用電子機器国内出荷統計】の情報更新を行い、2012年12月分を発表した。それによると2012年12月の薄型テレビの出荷台数は85.3万台となり、前月比でプラス65.0%、前年同月比でマイナス46.7%の動きを示している。今回は先月展開した記事に続く形で、薄型テレビ、そしてテレビと大いに関係のあるBD(ブルーレイディスクプレイヤー・レコーダー)の小売市場への出荷動向をまとめていくことにする。

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データ取得元の詳細やデータ内容に関する諸注意、また「出荷数」の定義などは一連の記事のまとめページ【定期更新記事:薄型テレビなどの出荷動向(電子情報技術産業協会(JEITA))】を参照してほしい。

さてまずは純粋な出荷台数。統計値に「薄型テレビ」の項目が登場した2009年以降は薄型テレビ全体とBD(それ以前は「プラズマ」「液晶」で分離掲載されている)、さらに薄型テレビは2010年以降限定だが、画面サイズ区分が記されているため、そちらも合わせてグラフ化する。

最初に挙げるのは直近2012年12月分の出荷台数。合わせて前月比・前年同月比を算出しておく。

↑ 薄型テレビ・BD国内出荷実績(万台)(2012年12月分、JEITA発表)
↑ 薄型テレビ・BD国内出荷実績(万台)(2012年12月分、JEITA発表)

↑ 薄型テレビ・BD国内出荷実績(前月比・前年同月比)(2012年12月分、JEITA発表)
↑ 薄型テレビ・BD国内出荷実績(前月比・前年同月比)(2012年12月分、JEITA発表)

冒頭でも触れた通り、2012年12月の薄型テレビ国内出荷台数は85.3万台。年末商戦の期間に入り、先月比では大きく値を伸ばしているが、季節変動を無視できる前年同月比では激しいマイナス値を示している。これは以前の記事でも説明した通り、2011年7月のアナログ波停波に伴う数年間の買い替えラッシュの反動。この数か月は季節変動に助けられる形で「前月比」をプラスにしているが、状況的に思わしくないことは容易に理解できる。

【カラーテレビの買い替え年数をグラフ化してみる(2012年分対応版)】の通り、テレビは8-10年単位で買い替えるのが常。1年や2年程度で(数年間続いてきた)「特需」の反動が収まるとは考えにくい。実際、販売台数そのもの・台数前年同月比でグラフを構成しても、「停波前特需、特に年末・年度末」「停波直前特需」「停波後の年末に慌てて購入」の3つの波があり、それ以降は停波後、押し並べて軟調な動きを示しているのが確認できる。

↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、万台)
↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、万台)

↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、前年同月比)
↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、前年同月比)

薄型テレビの型別に見ると、アナログ波停止までは小型-中型が売れていたが、2012年に入ってからは大型の奮闘(前年同月比でマイナスには違いなく、あくまでも比較論だが)が確認できる。具体的には切り替えまでは緑色(大型)と青色・赤色(小型・中型)の差が大きく開いていた一方、切り替え後はその差が縮まり、「前年同月比」ではむしろ立ち位置を逆転しているというもの。地デジへの切り替えの際に「とりあえず一台だけでも」と小型・中型のテレビの更新をした後、大型の切り替えに入ったものと考えれば道理が通る。また昨今の大型テレビの価格下落も、購入を後押しするきっかけの一つと見なして良い(買い替えでは無く、新規購入派の対象も大型化していると考えられる)。

2010年夏の啓蒙運動の成果、そして地デジ切り替え直前の駆け込み需要が、季節変動を考慮しても大きなものだったこと、そして切り替え後は「特需」が完全に過ぎ去り、低迷状態が継続中であることが分かる。

地デジ切り替えのお知らせが入った封筒特に注目すべきは、「前年同月比」のグラフにおいて、切り替え・値のマイナス化が起きた2011年夏季から1年が経過した2012年秋季以降においても、前年同月比でマイナスを維持し続けていること。これは「切り替え前の特需との比較による反動だから、売上が落ちても仕方がない」とする「前年比のワナ」による説明がつかないレベルでの、売上減少を意味することになる。もっとも前年同月比のマイナス値そのものは2012年7月をピークに以前よりも小さくなっており、少しずつだが改善の方向へ歩みを見せているのも事実ではある。

最後に季節変動を考慮しなくても済むもう一つの切り口として、毎月の動向を経年で比較した形にしたのが次のグラフ。毎年年度末・年末にテレビが売れること、そして2010年の年末は「当時(2010年)の翌年(2011年)に切り替えが行われる」ことから良い機会として、爆発的な売れ行きを示したのが確認できる。

↑ 薄型テレビ国内出荷実績(万台)
↑ 薄型テレビ国内出荷実績(万台)

今年2012年は年初から概して不調。年度末の盛り上がりにも欠け、直近12月は同年中では3月同様(季節属性上)堅調な出荷を示しているが、これも昨年の半分程度でしかなく、不調に違いはない状況。毎月確認をしているチェーンストア、そして景気ウォッチャーでもテレビ関連商品のさえない動きが定期報告のように伝えられているが、今年の年末商戦は去年以上に厳しい状況であることを認めねばなるまい。

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