未成年者と高齢者の万引き推移をグラフ化してみる(2011年分反映版)

2013/01/23 08:30

グラフ化警察庁は2012年6月14日、2011年の各種データをまとめた「平成23年の犯罪情勢」を発表した(【警察庁・報道発表資料一覧ページ】)。今回はこの掲載データを基に、以前未成年者及び高齢者の万引きについて分析した記事の、データ更新を行うことにする。

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まずは今回発表分も含めた、取得可能なデータを基に生成した、万引き検挙人員推移のグラフ。警察庁における「万引き検挙人員」では、未成年者として公開されているのが14-19歳までであることに注意してほしい(14歳未満は「触法少年」の扱いになり、刑法第41条の規定「14歳に満たない者の行為は、罰しない」に従い、刑事処罰されない)。

↑ 万引き検挙人員(年齢階層別、警察庁発表)
↑ 万引き検挙人員(年齢階層別、警察庁発表)

全体としては2005年までは漸増、それ以降は漸減傾向だったものが、2009年に入り再び増加の動きを見せていた。2010年はそこからほぼ横ばい。そして直近の2011年には再び減少方向に。この動き自体は喜ばしい話ではある。

これを全体、及び今回スポットライトを当てている高齢者(65歳以上)・未成年者(14-19歳)に限定し、その動きを見たのが次の折れ線グラフ。

↑  全国の万引き検挙人員数(未成年の検挙・補導数は14-19歳)
↑ 全国の万引き検挙人員数(未成年の検挙・補導数は14-19歳)

2011年の未成年・万引きによる検挙数は2万6005人、高齢者は2万8066人。手元にあるデータ(1998年以降)においては、2008年に続き2回目となる「高齢者の万引き者数が未成年者以上」という状態となった。人口そのものの推移(未成年者の減退、高齢者の増加)も一因だが、留意すべき動きといえる。

さて最後に、「該当年齢階層人口」に占める「万引き検挙者」の比率を算出する。1998年以降の人口推移について総務省統計局の【人口推計】から1歳単位の人口を取得。「人口推計」では2000年・2005年・2010年と5年単位で、5歳区分の人口しか掲載されていない「簡易掲載年」が確認できるが、これは同年に【国勢調査】が行われており、その値を使うため。前回の記事において2010年分は推定値を元にしたが、今回は確定値が算出されているので、それを適用する。

↑ 全国の万引き検挙人員数の該当年齢階層人口に占める比率(一万人に対する人数)(未成年の検挙は14-19歳)
↑ 全国の万引き検挙人員数の該当年齢階層人口に占める比率(一万人に対する人数)(未成年の検挙は14-19歳)

↑ 全国の万引き検挙人員数の該当年齢階層人口に占める比率(一万人に対する人数)(未成年の検挙は14-19歳)(2010年-2011年)
↑ 全国の万引き検挙人員数の該当年齢階層人口に占める比率(一万人に対する人数)(未成年の検挙は14-19歳)(2010年-2011年)

高齢者は微増-横ばい。未成年者は大きな流れとしては減少傾向にあると見てよい。2001年からの数年間と、2008年-2010年の増加の動きを見ると「不景気になると未成年者の万引きが増える」という法則が推定できるが、今件データだけではそれを裏付けるには確証度が足りない。

一方、直近年とその前年における年齢階層別検挙比率を見ると、未成年者の万引き率の高さと共に、30代以降は歳を重ねるにつれて率が漸増していくようすが確認できる。以前【4人に3人は「お金持ってるけど、でも」… 万引きした人の所持金と心理的背景をグラフ化してみる】で示した、万引きをした人の心理的背景「歳を経るにつれて増加する孤独感が万引きの引き金の一因」と合わせて考えると、理解できる動きであると同時に、色々と複雑な思いが去来する。特に2010年から2011年にかけては、高齢者のみ比率が増加していることも覚えておかねばなるまい。



今回使用した元データである警察庁の「犯罪情勢」でも「万引き」という言い回しが使われているが、それが「窃盗」というれっきとした犯罪行為であることに違いは無い。さらにいえば「万引き」の際に店員や警備員に抵抗し、何らかの暴力を振るった場合には「強盗」(事後強盗)に該当する。もちろん罪は一層重いものとなる。

ちょっとした心の迷い、気の緩みが、自分自身の、そして周囲の人の人生を大きくゆがませる。そして「万引きだから」と印象論、「言葉のあや」で物事の重大性を読み違えることのないよう、くれぐれも注意してほしい。

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