特需らしきものと、その沈静化と…震災後のラジオ聴取動向をグラフ化してみる

2013/02/05 09:00

ビデオリサーチは2013年1月17日、首都圏を調査範囲とした自主ラジオ個人聴取率の、2012年12月度分の結果を公開した。今回はその公開値を活用する形で、調査対象母集団全体のラジオ聴取率の推移に関して、2011年の震災直前からの動きを見ていくことにする。震災をきっかけに、少なくとも仕組みそのものにおいて見直される場面が多くなったラジオだが、聴取率に変化は表れているのだろうか(【発表リリース「2012年12月度首都圏ラジオ調査まとまる」】)。

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今調査は2012年12月10日~16日に無作為系統抽出法を用いて選ばれた、首都圏(東京駅を中心とする半径35キロメートル圏内)に住む12-69歳の男女を対象とし、1週間分の調査票を一括郵送・回収する日記式郵送留置調査方式によって行われた。有効回答数は2831人。

なお今件項目における「週平均の聴取率」についてだが、「週全体(平日、土日を合わせた)における、1日単位での平均聴取率」を表している。例えば「1週間全体において、1度でもラジオを聴いた人の割合」ではないことに注意。

まずは全体的な聴取率の時系列推移。リリースなどから取得・利用可能なデータは2011年2月以降のもののため、それらの値をグラフ化する。東日本大地震・震災の発生は2011年3月11日だが、それ以降聴取率が上昇しているのが確認できる。

↑ 全局個人聴取率・時系列比較(6時-24時、週平均)
↑ 全局個人聴取率・時系列比較(6時-24時、週平均)

【直後はラジオと口コミ、そして地上波テレビと携帯電話…震災被災地のメディア評価の変遷(2012年版情報通信白書より)】【地震情報で見直される「ラジオ」、評価を受ける「ソーシャルメディア」、そして……】にある通り、震災を機会にラジオは大きくその価値を見直され、再評価を受けることになった。また本震以降も余震が相次いでいるため、ラジオを新たに用意し、聴く機会を設けた人も少なくない。すでにラジオを持っている人も、しばしば耳を傾けるようになった人も多いはずだ。結果として聴取率は7%台を回復する。

しかし本震から時間が経過し、余震発生頻度が下がるにつれ、聴取率も減少を見せ始める。季節変動を考慮しなければ、減少を見せ始めたのは2012年春。直近では幾分戻しを見せているが、ほぼ震災前の水準に戻ったと見て良い。

これを世代別に見たのが次のグラフ。

↑ 全局個人聴取率・時系列比較(6時-24時、週平均)(世代別)
↑ 全局個人聴取率・時系列比較(6時-24時、週平均)(世代別)

若年層、具体的には34歳までは直近の減少は見られない。10代は震災直後による上昇をそのまま維持しているし、20-34歳は震災前後で変化がない。ところが35歳以降になると、震災後の上昇分を打ち消すかのような動きが2012年春先以降起きている。震災後からラジオを整備したり、聞き始めた層が、必要性を感じなくなり、再び離れていったものと考えられる。

この動きを分かりやすくするため、そして季節変動による誤差を考慮しなくても済むよう、世代別に前年同月比を計算したのが次のグラフ。

↑ 全局個人聴取率・時系列比較(6時-24時、週平均)(前年同月比、%ポイント)
↑ 全局個人聴取率・時系列比較(6時-24時、週平均)(前年同月比、%ポイント)

2012年2月までと4月以降で、明らかにトレンドが変わっているのが分かる。そして青系統の棒グラフ(高齢者)の下への伸びが大きく、高齢層で大きな現象が起きているのが確認できる。

若年層の減退が起きていないことも驚きだが、それ以上に高齢層で聴取率上での減少が起きているのは、かなり意外。今後の動きが気になるところであり、今後リリースが伝えられることがあれば、継続してチェックしたいところだ。

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