増える肉類、減る魚類、そして野菜はどうだろう?…魚介類・肉類の摂取量をグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/11/18 05:16

昨今の日本人の食生活においては、昔と比べると欧米化の傾向にあり、肉食が増えて魚を食べる量が減ったといわれている。その実情を統計の上から確認できる値が、厚生労働省が定期的に調査・発表している「国民健康・栄養調査」の、2015年分に関する詳細報告書で先日公開された。今回はその公開値を基に、主菜としてよく用いられる肉と魚、さらには野菜や乳類にスポットライトをあてて、日本人の食生活の現状と変化を垣間見ることにする(【発表リリース:国民健康・栄養調査】)。

スポンサードリンク


今調査公開データを基に、魚介類・肉類(それぞれ加工品を含む)、そして野菜類、加えて乳類(牛乳、加工乳、乳製品全般、粉乳類、クリーム類、乳酸菌飲料、チーズ類やアイスクリーム類など)の一日あたりの平均摂取量を示したのが次のグラフ。最新値となる2015年分、そしてそれからきっかり10年前の2005年分についてデータを併記する。なお今件では未成年者の値も計上されていることから、「総数」は成人だけでなく未成年者も合わせた全員の平均値であることに注意が必要。

↑ 肉類の摂取量の平均値(男女計・年齢階級別)(1日あたり、グラム)(2005年と2015年の比較)
↑ 肉類の摂取量の平均値(男女計・年齢階級別)(1日あたり、グラム)(2005年と2015年の比較)

↑ 魚介類の摂取量の平均値(男女計・年齢階級別)(1日あたり、グラム)(2005年と2015年の比較)
↑ 魚介類の摂取量の平均値(男女計・年齢階級別)(1日あたり、グラム)(2005年と2015年の比較)

↑ 野菜類の摂取量の平均値(男女計・年齢階級別)(1日あたり、グラム)(2005年と2015年の比較)
↑ 野菜類の摂取量の平均値(男女計・年齢階級別)(1日あたり、グラム)(2005年と2015年の比較)

↑ 乳類の摂取量の平均値(男女計・年齢階級別)(1日あたり、グラム)(2005年と2015年の比較)
↑ 乳類の摂取量の平均値(男女計・年齢階級別)(1日あたり、グラム)(2005年と2015年の比較)

まず直近の平均値だが、冒頭で語られている世間一般の話の通り、魚介類は69.0グラム・肉類は91.0グラムと、肉類の方が魚介類よりも多い。また世代別では魚介類が大よそ歳と共に摂取量が増える一方、肉類は15-19歳の摂取量が最大で、あとは歳を重ねるに連れて減少していく。60代になると魚肉・肉類の関係が逆転し、魚介類の方が多く摂取している計算になる。両食品の特性、普段イメージされている好き嫌いがそのまま数字となって表れており、非常に興味深い。やはり歳をとると肉類は敬遠される傾向にあるようだ。

あるいは個々の「世代」の食生活の日常が、ある程度踏襲されている可能性も否定できない。つまり年齢階層による違いではなく、世代(西暦何年生まれなどの区分)による違いが多分に影響しているのでは、との考えである。それが事実ならば今後、シニア層でも少しずつ肉類の摂取量が増え、魚介類が減り、高齢者でも肉類の摂取量が魚介類以上になる可能性はある。

野菜類は1-6歳時点でこそ少なめなものの、それ以降は40代ぐらいまではほぼ同量、50代以降はむしろ増加していく傾向がある。健康志向の高まりを受けてのものだろう。そして乳類は1-6歳が多め、7-14歳で最大となり、以降は漸減、そして50代以降は再び増加していく。乳幼児は子供向けの粉ミルクなど、未成年では学校給食などにおける牛乳や健康のため保護者から与えられる事例が多いのが主要因だと考えられる。高齢になるに連れて増えるのも、健康志向によるものと考えれば道理は通る。

なお乳類の男女別を確認すると、30代以降は女性の方が摂取量が多い。ヨーグルトなどの健康志向性の高い乳類を多く摂っているのだろう。

10年前の2005年当時の値も併記してあるが、それと直近となる2015年との比較をすると、「魚介類の摂取量が大きく減る」「肉類の摂取量が増える」「野菜類は中堅層でわずかに減少だがそれ以外で増加」「乳類は未成年層で減少」などの動きが確認できる。「食文化の欧米化」との表現はあまりにも陳腐だが、肉食に傾きつつあることは間違いあるまい。また牛乳の全体消費量が減退していることがしばしば話題に登っているが、今データの限りでは未成年層へのアピールが必要なように見える。

10年間の変化を算出した結果が次のグラフ。

↑ 魚介類・肉類・野菜類・乳類の摂取量の平均値(男女計・年齢階級別)(2005年から2015年への変化率)
↑ 魚介類・肉類・野菜類・乳類の摂取量の平均値(男女計・年齢階級別)(2005年から2015年への変化率)

どの世代でも肉類は増え、魚介類は減っている。他方変化率では肉類・乳類において高齢層の増加率が大きい結果が出ている。肉類の動きはやや妙に思えるかもしれないが、10年間における重量の増加分に大きな違いは無いため、元々摂取量が少なかった高齢者ほど、比率面では大きな値が出る次第。他方、野菜はプラスマイナスが生じてはいるが、大きな変化は見られない。

今件はグラフ・詳しい解説を省略しているが、「国民健康・栄養調査」では他にも果実類・卵類についてもデータを公開している。それによれば両者とも10年前と比べ、重量・率に違いはあれど、多くの世代で摂取量が減っている。健康的な食のバランスを保つためには、偏りなく、多彩な種類の食材を口にしたいものだ。


■関連記事:
【男性シニアの料理、気にするのは「メニュー」「作り方」そして「量」】
【日本の食文化を物語と共に提供・イトーヨーカドーで新食品PB「つくるものがたり」展開開始】
【脳に良い イメージがある 食べ物は お魚野菜に キノコや海そう】
【生鮮食料品の入手困難な理由、最多意見は「価格が高い」(国民健康・栄養調査2012年版)】
【「お値段2倍でも国産野菜・検査完璧な肉」進む食の安全志向】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー