電話による通話時間の推移をグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/12/20 05:28

2016-1219通話による電話利用が今なおコミュニケーションにおいては重要な手段の一つには違いないものの、インターネットの普及、特にソーシャルメディアをはじめとした各種コミュニケーションサービスの浸透に伴い、重要性は薄れつつあるのも否定できない。今回は総務省が2016年12月14日に発表した、2015年度(2015年4月1日-2016年3月31日)における固定電話や携帯電話などによる音声通信の利用状況に関する調査結果【通信量からみた我が国の通信利用状-平成27年度における利用状況-】を基に、日本国内の音声通話による総通話時間などを通して、電話を用いての通話の実態を確認していくことにする。

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今件調査結果によると日本国内の「音声通話」総通信時間は直近2015年度では33億7200万時間となり、前年度比で0.8%の減少。様態区分別では前年度比でIP電話、固定系が減少、携帯電話・PHS共が増加している。IP電話は前年度の2014年度において、データ取得が可能な2005年度以来はじめて前年度比でマイナスに転じたが、今年度もその動きは変わらず、「電話による通話」そのものへの手控え感が進んでいる実態がさらに顕著化する形となった。それゆえに、携帯電話・PHSの区分で増加したのは注目に値する(2010年度以来5年ぶりの増加)。

↑ 通信時間(通話・国内・百万時間)
↑ 通信時間(通話・国内・百万時間)

↑ 通信時間(通話・国内・対総時間比率)
↑ 通信時間(通話・国内・対総時間比率)

↑ 通信時間(通話・国内・前年比)
↑ 通信時間(通話・国内・前年比)

取得可能なデータで最古となる2000年度では、通話時間の8割が固定電話、2割が携帯電話だった。つまり「電話での通話」といえば固定電話によるものが一般的な世の中で、携帯電話の通話は少数派。しかし直近の2015年度では、固定系電話はIP電話を合わせても4割足らずでしかなく、携帯電話やPHSで6割強。今や「電話での通話」は主に携帯電話でのやりとりが普通となっている。

各様態区分別では、長らく前年度比でプラスを示したIP電話は、多分に契約数を大きく伸ばしていたのがプラスの要因だった。【固定電話数の移り変わりをグラフ化してみる】にもある通り、契約数の増加傾向は続いているが、それ以上に個々の契約における通話時間の減退率が大きくなり、今回の2015年度では前年度に続き、IP電話総数でマイナスを示している。

携帯電話・PHSではPHSこそ契約数は減少に転じたものの、携帯電話では契約数は増加している。しかし通話回数は先行記事で言及の通り減少している。電話によるコミュニケーション手段が、音声からデジタル(電子メールやチャット、ソーシャルメディアなど)にシフトしつつあるからだ。しかしながら総通話時間は、今年度は増加に転じた。理由に関しては特に報告書では言及されていないものの、興味深い動きに違いない。もっとも詳しくは別途解説するが、1通信あたりの平均通話時間は増加の傾向にあり、これが原因の可能性は高い。

【モバイル持ちは親子とも「リアルでも連絡手段はまずメール」、スマートフォン持ちはLINEやツイッターも多用】などでも解説しているように、知人との間、そして親子でも手持ちのモバイル端末で、音声による通話では無くデジタル(電子メール、チャットなど)での意志疎通へとシフトが進んでいる。LINEのように音声通話もできるチャットアプリが汎用化するにつれ、そしてそれを実装できるスマートフォンの普及と共に、電話における通話は時間も回数もますます減少していく。

今年度における通話時間の増加がイレギュラー的なものか、それともトレンドの転換によるものかは、現時点では分からない。来年度以降も増加の動きを示し続けるのであれば、携帯電話などにおける通話への姿勢に変化が生じていると見るべきだろう。


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