「連絡が取れやすくなった」8割、「静かに過ごしにくくなった」2割…米携帯保有者が思う、生活の変化

2013/01/31 20:00

携帯電話アメリカの調査機関【Pew Research Center】は2012年11月30日、アメリカにおける携帯電話(一般携帯電話・スマートフォン双方。タブレット機などは含まれない。以後「モバイル端末」と記す)の利用状況と、保有者がモバイル端末に対して思うことを調査した報告書【The Best (and Worst) of Mobile Connectivity】を発表した。今回はその中から「モバイル端末保有で、生活にどのような変化が生じたか」について見ていくことにする。

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今調査は2012年3月15日から4月3日にかけて、RDD方式によって選択された番号に対する電話による通話でのインタビュー形式で、18歳以上の男女に英語とスペイン語で行われたもの。有効回答数は2254人。固定電話による回答者は1351人、携帯電話での回答者は903人(そのうち410人は固定電話非保有)。回答者のうちインターネット利用者は1803人。各種国勢調査の結果に基づいたウェイトバックが行われている。

機動力が高く相手との意思疎通が容易で、SMSを使えば文字列のやり取りもでき、さらにスマートフォンならば多種多様なアプリにより機能は桁違いに増え、インターネットへのアクセスも可能となる。モバイル端末は人の生活、特にコミュニケーション周り常識を一変させてしまった。そこで6つの「モバイル端末の普及で変化を見せた社会生活、状態」の項目を挙げ、良くあることか、時々あるかなど、自分自身の状況・所感を聞いた結果が次のグラフ。

↑ 携帯電話に関するプラス・マイナスの所感(携帯電話所有者限定)
↑ 携帯電話に関するプラス・マイナスの所感(携帯電話所有者限定)

モバイル端末の機動力の高さで、さらにはSMSや電子メールなどの活用により、他人との連絡が取れやすくなったとする意見は8割を超えている。また、スケジュール機能の活用や連絡のハードルが低くなったことで、スケジューリングがしやすくなった人は5割近く。いわゆる「すきま時間」に何かをすることができるようになったとの意見もほぼ同数の賛意が得られている。

一方マイナス方面では、賛同者は2割前後でしかない。例えば「いつでもどこでも連絡が取れる」は見方を変えれば「いつでもどこでも連絡が来るかもしれない」を意味する。「週末の休み時や平日の夜・自宅などでも仕事周りの連絡を気にしなければならなくなった」との意見に賛同する人は19%。いつも誰かとのつながりを気にしなければならず、心の安ねいが奪われたとする人は21%、ついつい目を通してしまうためか、一つのことに集中することが難しくなったとの意見も2割近く確認できる。

とはいえ、プラス意見と比べればマイナス意見の回答率は数分の一でしかない。報告書でも「モバイル端末保有者の大半は、マイナス面で人生に影響を受けたとは思っていない」としている。どうやら保有による弊害を苦にしていないか、許容できる範囲であると考えているようだ。

興味深いのは、これら所感の世代別傾向。印象的には「若年層ほどプラス面が強調され、高齢者ほどマイナス面が強くなる」と思うものだが、実態は少々異なるものだった。

↑ 携帯電話に関するプラス・マイナスの所感(携帯電話所有者限定)(世代別、「よくある」+「時々」の回答率)
↑ 携帯電話に関するプラス・マイナスの所感(携帯電話所有者限定)(世代別、「よくある」+「時々」の回答率)

プラスだけでなく、マイナス面でも「若年層ほど同意者が多い」「歳を経るほど同意意見が減る」という結果になった。この動きに関して報告書では特に説明は無く、単純に事実内容をなぞらえる形で触れているに過ぎない(「高齢者と比べて若者は正と負双方に強い影響を受けると感じている」)。

これはあくまでも推測でしかないが、今件設問の対象母集団が「モバイル端末保有者」でしかなく、利用頻度までは区分対象となっていない点にヒントがあるものと思われる。つまり「若年層は多用するので、メリット・デメリットを共によく認識・理解する」「高齢者は利用頻度が低く、提示された社会的変化の面でのメリットやデメリットを実感するまでには至らない」というもの。

マイナス面はともかく、プラス面は高齢層にももっと知ってほしい。反面、少なくとも今件に挙げられたプラス面の多くは、高齢者には必要の程度は低いものも多いことも否定できない。難しいものではある。


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