アメリカで聞いた「携帯持たない理由」「スマートフォンに買い替えしない理由」

2013/01/30 07:30

携帯電話アメリカの調査機関【Pew Research Center】は2012年11月30日、アメリカにおける携帯電話(一般携帯電話・スマートフォン双方。タブレット機などは含まれない。以後「モバイル端末」と記す)の利用状況と、保有者がモバイル端末に対して思うことを調査した報告書【The Best (and Worst) of Mobile Connectivity】を発表した。今回はその中から「モバイル端末非保有者における持たない理由」「一般携帯電話を持つ人の、スマートフォンに買い替えない理由」について見ていくことにする。

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今調査は2012年3月15日から4月3日にかけて、RDD方式によって選択された番号に対する電話による通話でのインタビュー形式で、18歳以上の男女に英語とスペイン語で行われたもの。有効回答数は2254人。固定電話による回答者は1351人、携帯電話での回答者は903人(そのうち410人は固定電話非保有)。回答者のうちインターネット利用者は1803人。各種国勢調査の結果に基づいたウェイトバックが行われている。

今調査対象母集団のうち300人・13.3%はモバイル端末を保有していない。そこでこれらの人に、なぜ保有していないのかを聞いたところ、もっとも多くの人が主な理由として示したのは「要らない・固定電話で十分」とするものだった。実に4割近くの人が選択している。

↑ 自分用の携帯電話を保有しない主な理由(非保有者限定)
↑ 自分用の携帯電話を保有しない主な理由(非保有者限定)

以前【「固定電話のみ」世帯は7.8%…アメリカでの電話の種類別世帯普及率推移をグラフ化してみる(2012年上半期まで)】で記したように、固定電話に固執するアメリカの人は随分と減ったが、今件は「世帯単位」ではなく「個人単位」での回答。そのため、「家族は携帯を持っているが、自分は要らない。固定電話で十分」という人がこれだけいてもおかしくない。とはいえ、調査対象母集団比では約5%に当たるため、妥当な値ともいえる。

次いで多い意見は「高過ぎる」。これはコストがかかりすぎることを意味する。本体はともかく利用コストの高さは世界共通の問題ともいえる(それだけ携帯電話の運用には必要経費がかかることをも意味しているのだが)。

一方、モバイル端末は保有しているが、保有機種は一般携帯電話であり、スマートフォンでは無い(今件では多分に「一般携帯電話=インターネットが出来ないモバイル端末」「スマートフォン=インターネット可能なモバイル端末」の意味合いがある)人に、なぜ買い替えをしないのかを聞いたのが次のグラフ。やはりコストの問題が最上位にあるが、ほぼ同数で「必要ない」との意見が並んでいるのが目に留まる。

↑ スマートフォンに買い替えない主な理由(現在自分用に一般携帯電話を持ち、スマートフォンを持っていない人限定)
↑ スマートフォンに買い替えない主な理由(現在自分用に一般携帯電話を持ち、スマートフォンを持っていない人限定)

「高過ぎる」は全般的なランニングコスト。下位層にある「通話料金が高い」「データプランが高い」あたりも意味的にはほぼ同じ。他方、機動力の高いモバイル端末には音声通話とSMSしか求めていない。広い画面やインターネットへのアクセスはパソコンでやれば良い……という人が「必要ない」を選択していると考えられる。スマートフォンは確かに便利だが、必要性を感じず、コストパフォーマンスの点で手が出せないのなら、選ばなくても当然。「今の携帯で十分」の回答も、上位2項目と思うところは一致している。

興味深いのは、買い替えしない理由の一部に、明確な世代間格差が生じていること。

↑ スマートフォンに買い替えない主な理由(現在自分用に一般携帯電話を持ち、スマートフォンを持っていない人限定)(世代別、一部)
↑ スマートフォンに買い替えない主な理由(現在自分用に一般携帯電話を持ち、スマートフォンを持っていない人限定)(世代別、一部)

コスト問題は若年層の方が高い値を示している。18-29歳では実に6割近い人が最大理由に挙げている。財力上、スマートフォンを持つのにはお財布事情が許さないのだろう。他方、「必要性が無い」「難しい」は歳を経るほど回答率が上がる。デジタル技術を会得する困難さや、最大の利点である「機動力の高さを活かしつつ、多種多様な機能を用いることができる」ことへの魅力を(歳を経ると活動的では無くなり、機動力をあまり考えなくても良くなるため)覚えないものと考えられる。

これらのスマートフォン周りの世代間格差は、多分に日本でも同じような事情だと思われる。もっとも現状の環境に満足しているのなら、無理にスマートフォンに買い替えさせる必要は無い。日本のように一般携帯電話でもそれなりにインターネットが出来る環境なら、なおさらといえよう。もちろんスマートフォンを使いこなせるようになった時の便益は、しっかりと啓蒙する・させるべきではあるのだが。

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