賃貸住宅の平均居住年数をグラフ化してみる(2012年11月発表分)

2013/01/12 12:00

1月6日に掲載した記事【メディア別賃貸住宅業者への反応の変化をグラフ化してみる(2012年11月発表分)】でも解説しているが、賃貸住宅の管理会社で構成される協会「日本賃貸住宅管理協会」が半年ごとに最新情報として公開している【賃貸住宅景況感調査日管協短観】の最新版となる、「賃貸住宅景況感調査日管協短観・2012年度下期(2012年4月-2012年9月)」の公開値をベースに、以前の記事について最新値を反映させ昨今の賃貸住宅動向を再精査している。今回は賃貸住宅管理会社が管理する物件における、住んでいる人の平均居住年数のグラフ化を試みることにする。

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調査要項や用語の解説は、先行する「メディア別賃貸住宅業者への反応の変化をグラフ化してみる(2012年11月発表分)」で行っている。詳細はそちらを参考のこと。

利用客層を「学生」「一般単身者(学生除く)」「一般ファミリー」「高齢者(65歳以上)」「法人」「外国人」に大別した上で、それぞれの平均居住年数をグラフ化したのが次の図。一般ファミリーと高齢者において、長年居住している人が多いことが分かる。居住スタイルを考えれば、ごく普通の結果といえよう。

↑ 平均居住年数(全国)(2012年度上期)
↑ 平均居住年数(全国)(2012年度上期)

学生は2-4年が大半で、4年以上はほとんどいない。これは学生の賃貸住宅利用者の大半が大学生であること、そして通常の大学が4年制であることを考えれば、大体つじつまが合う。また外国人は4年までの短期滞在が大部分であり、学生に近いのが確認できる(さらにいえば「1-2年」が多く、学生よりも短期性が強い)。そして高齢者は他の区分とは比較にならないほど、6年以上の長期滞在型が多数を占めている(過半数)。

これを首都圏・関西圏て分けてグラフ化すると、地域別の特徴が出てくる。

↑ 平均居住年数(首都圏)(2012年度上期)
↑ 平均居住年数(首都圏)(2012年度上期)

↑ 平均居住年数(関西圏)(2012年度上期)
↑ 平均居住年数(関西圏)(2012年度上期)

首都圏は全国平均とほぼ変わらない傾向を示している。違いといえば一般単身・法人の長期利用者がやや多いくらいだろうか(中長期のビジネス用として使われている事例の多いことが想定される)。一方で関西圏は法人・外国人の短期利用者比率が大きいのが見て取れる。一般単身の比率は全国比でさほど変わりはないので、関西地方に中長期的スタンスで腰を据える企業が少なくなっているのではないかとも考えられる。

なお今回は前半期に見られた「高齢層の変動」に関しては、大きな動きは無かった。そしてリリースでは「前年同期と比べ大きな変化は見られない」とのコメントが見られる。しかしながら上記にある通り前半期との比較で、関西圏にやや特異な動きが見えるのが気になるところではある。

無論前半期と比べて大きな変動が無かったとはいえ、高齢者の平均居住年数が長めな実態に、注視する必要があることに違いはない。【「お年寄りがいる家」のうち1/4・414万世帯は「一人きり」】の通り、現時点で高齢者世帯の1/4弱は一人暮らしであることが分かっている。また一人暮らしのお年寄りは、近所に住まう(時として同一賃貸住宅内に住む)類似環境の人とコミュニティを創る場合が多い(自由に出来る時間が多い一方で、行動範囲が狭いのが原因)。長期間借りている賃貸住宅が老朽化で建て直しなどをする際、引っ越しをせざるを得なくなる場合も出てくるが、それによるコミュニティの崩壊を危惧し、立ち退きを拒む事例も少なくない。一人暮らしの高齢者の場合、新たに賃貸住宅を借りるのには相当難儀するのも一因。

今後賃貸住宅の建て直し・取り壊しの際には、スマートで皆が困らない形での、高齢者への対応策が注目を集めるようになることだろう。

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