メディア別賃貸住宅業者への反応の変化をグラフ化してみる(2012年11月発表分)

2013/01/06 16:00

賃貸住宅の管理会社による協会「日本賃貸住宅管理協会」が公開中の【賃貸住宅景況感調査日管協短観】において、最新情報として2012年11月に「賃貸住宅景況感調査日管協短観・2012年度下期(2012年4月-2012年9月)」が発表されていることが確認できた。そこで同短観を定点観測的にチェックしている当サイトとしても、各関連記事のデータの更新をして昨今の動向を推し量ることにした。今回はメディアごとの賃貸住宅業者への反応に関して見ていくことにする。

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今調査は2012年10月から11月にかけて、インターネットによる日本賃貸住宅管理協会会員に対して行われたもので、有効回答数は303社。回答対象期間は2012年4月1日-2012年9月30日についてのもの。なお項目の目安としては「増えた……+10%以上」「やや増えた……+5%」「変わりなし……プラスマイナスゼロ」「やや減った……-5%」「減った……-10%以上」である。また、公開されている図版・数字の多くでは3段階評価で示されており、この場合「増えた」「やや増えた」が「増加」、「減った」「やや減った」が「減少」に該当する。

リリースでは「反響効果」と「反響数」が別個の項目で掲載されている。前者はどちらかといえば回答者の主観的な判断によるところが大きく(あるいは「利用媒体」による結果が直接には結びつきにくいもの)、後者は具体的な数字のカウントで比較できるもの(あるいは利用「される(お客から)」媒体そのもの)。ニュアンスとしてはほぼ同じであり、区別をしながらも同一のグラフにまとめ、状況の把握がしやすいようにした。

↑ 賃貸住宅管理会社に対する反響効果・反響数の変化(2012年4月-2012年9月における、前年同期比で)
↑ 賃貸住宅管理会社に対する反響効果・反響数の変化(2012年4月-2012年9月における、前年同期比で)

ぱっと見で分かるのは、カタカナ項目の「緑(=増加意見)の多さ」と、漢字項目の「赤(減少意見)の多さ」(ただし「電話」は別)。それぞれ「ネット系項目の”増えた”が多い」「旧来メディアの”減った”が比較的多い」を意味しており、

・賃貸住宅情報を一番の売りにしている「情報誌」の集客効果が減少。
・インターネットやメールなどITツールを用いた賃貸物件に関する情報提供の成果が出ている、実感できる。
・「直接来店」も来客数は増加する傾向にあるが、電話やメールの勢いには及ばない。「ある程度の探り」はインターネット上で済ますお客が増えていると考えられる。

など、前回(【メディア別賃貸住宅業者への反応の変化をグラフ化してみる(2012年6月発表分)】)の傾向がほほぼ継続しているのが把握できる。つまり「検索性・比較性・情報のスピード感の点ではインターネットやメールにかなうものは無く、半ば情報誌・自社誌の需要がインターネットなどに食われた形」。

一方前回(前半期)の値と比べると、IT系・非IT系共に「増加」回答率が減り、「変わらない」「減少」回答率が増えているのが分かる。回答者、つまり賃貸住宅業界関係者の体感として、市場にやや冷え込みが見えてきた感があるのかもしれない。

また、「看板」は非IT系の中では堅調さが目立つ。これは元々新旧メディアではカバーできない領域を抑えていることもあり、「旧来メディアから新メディアへの移行」の流れに巻き込まれていないものと思われる。震災以降の「旧来屋外広告媒体への価値見直し」にそった形。

これらの動きを把握しやすくするため、「増えた派」から「減った派」を引いたDI値を算出した結果が次のグラフ(リリース本文にあるDI値ではなく、今記事作成にあたり独自に算出していることに注意)。

↑ 賃貸住宅管理会社に対する反響数の変化・DI値(2012年4月-2012年9月における、前年同期比で、増えた派-減った派)
↑ 賃貸住宅管理会社に対する反響数の変化・DI値(2012年4月-2012年9月における、前年同期比で、増えた派-減った派)

前回記事で確認できた「旧来紙メディア=マイナス」「新メディア、直接アプローチ(手段を問わず)=プラス」という図式に変化は無い。ただしプラス傾向にある項目のプラス幅は縮まり、マイナス傾向の項目はマイナス幅を拡大している。いずれにせよ直上で指摘した通り、業界全体の冷え込み感を覚えさせる。当然「情報誌」「自社誌」業界の危機感が並大抵でないことはいうまでもない。

反響数項目では「メール」が一番効果が上がり、「電話」「直接来店」の順を成している動きからは、利用者側の「できるだけ手間をかけずに、時間を拘束されずに業者へ確認をしたい」という考えが見て取れる。

・「来店」……時間がかかる、足を運んでも担当がいないかもしれない(再来店が必要になるかも)
・「電話」……時間はかからないが、担当がいないかもしれない(再電話が必要になるかも)
・「メール」……時間はかからないし、担当の都合に合わせて返事がもらえる(一度送ればOK)

効率よく良い物件探しをしたいと考えている借り手の立場で考えれば、より適切なツールを選んでいるに過ぎない。モバイル系端末の普及ぶりから見れば、今後は今まで以上にモバイル端末、特にスマートフォンによる応対が受け入れられるに違いない。

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