都道府県別の新聞発行部数の変化をグラフ化してみる(最新)

2020/01/06 05:15

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2020-0102先行記事で【社団法人 日本新聞協会】の発表データを基に、2019年における新聞の発行部数が前年比で210.0万部・5.26%ほどの減少を示していることをお伝えした。今回は同協会の公開値を用い、同じく2019年における、都道府県別の新聞発行部数の前年分と比較した変移を確認していくことにした。新聞発行部数はすべての都道府県で一様に減っているのだろうか。

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新聞発行部数が漸減しているのは、先の記事にもある通り。

新聞発行部数(万部)(朝夕刊セットを1部で計算)(再録)
↑ 新聞発行部数(万部)(朝夕刊セットを1部で計算)(再録)

今回の主旨は都道府県別の発行部数を抽出した上で、直近2019年分とその前年2018年分を比較するもの。2018年分は前年記事作成時に用いた値をそのまま活かし、2019年分は協会公式ページで提供されている公開値を取得。各都道府県別に計算を行い、出来上がったのが次のグラフ。

↑ 日刊紙の発行部数(前年比比率、都道府県別)(2019年)
↑ 日刊紙の発行部数(前年比比率、都道府県別)(2019年)

まずグラフの全体像だが、プラス領域は無し。つまり、すべての都道府県で新聞の部数は前年比で減少していることになる。全国平均ではマイナス5.3%。

先の震災の影響で被災3県、岩手・宮城・福島の新聞発行部数(≒購入者・世帯)が減少しているのでは、との懸念はよく耳にするが、2010年から2011年の変異ならともかく、それ以降においては特段他の地域と差が出るような形での減少ぶりは見られない。今回の2019年分においては3県とも減少しているものの下げ幅はむしろ他地域よりも小さめ。震災時の混乱から脱し、居住環境が落ち着いて新聞を購読する余裕が持てる人が増えたのか、あるいは新聞購読性向が比較的高い高齢者が増えたのかもしれない。

新聞一方、傾向的に見ると関東地域における下げ率が大きい≒新聞の購読者数・世帯が大きく減少しているのが分かる。また近畿地方や九州・四国地方でも下げ幅が大きめなのが目に留まる。一方、視点を変えると都市圏での下がり方が大きく、都市居住者における新聞離れが懸念される。和歌山県の突出した下げ幅は原因不明。言葉通り突出した下げ方を示している。また愛媛県もそれに続く大きな値を示しているのが注目に値する。

今回イレギュラーの可能性がある、そしてグラフ作成上不都合があるため上記図からは除外しているが、海外における発行部数が大きく減っているのも注目される。具体的には2018年時点で約2万6700部だったものが、2019年では約1万9100部となり、前年比でマイナス28.5%もの高い下げ率を示している。デジタル化への移行に伴う紙媒体としての新聞の必要性の低下は、海外利用者の方が強い認識を示しているのだろう。

ともあれ、2011年3月の震災を直接起因とした新聞の発行部数へのマイナスの影響は、2019年時点ではすでに無いと断じてよい。むしろ関東地域など人口密集地域の減少にこそ注目したい。都市圏の動きは「インフラ整備が進んでいる」「デジタル化の促進」「インターネットによる情報取得傾向が強い」「紙媒体の必要性の低下」との流れである程度説明はつく。あるいは世帯人口数の減少、新聞忌避の傾向が強い若年層比率の増加の動きも一因だろう。

ちなみに都道府県別の世帯あたり部数を確認すると、関東地方・中部地方は高めだが、東京都・大阪府のような大都市圏は低め、そして東西日本では西日本が低めの結果が出ている。

↑ 日刊紙の世帯あたり部数(都道府県別)(2019年)
↑ 日刊紙の世帯あたり部数(都道府県別)(2019年)

特に中国、四国、九州地域での世帯あたり部数の少なさが傾向として見受けられる。また東京都だけでなく、その周辺(埼玉県、千葉県、神奈川県)でも低い値が確認できる。この1都3県では部数そのものも大きく減少しているが、それでも2019年時点で全新聞部数の26.7%を占めているだけに、今後この地域における動向が、新聞業界全体にも大きく影響するのはもちろん、業界にとって注力すべき課題となるに違いない。

ちなみに直近年の2019年分を震災のあった2011年と比較した結果が次のグラフ。

↑ 日刊紙の発行部数(2011年比比率、都道府県別)(2019年)
↑ 日刊紙の発行部数(2011年比比率、都道府県別)(2019年)

福岡県が30.0%、それ以外にも多くの地域が2割以上の減少を示している。他方、1割足らずしか減少していない地域も複数確認できる。あくまでも紙媒体での話だが、新聞離れが大きく進んでいること、そして地域によって小さからぬ差異が生じていることが改めて確認できよう。


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