急激に伸びるモバイル・ソーシャルメディア…主要国のモバイル機でのソーシャルメディア利用率(2012年発表版)
2013/01/14 10:00
先に【世界主要国のテレビ視聴時間(2012年発表版)】でも記したように、イギリスの情報通信庁は2012年12月14日までに、同庁が毎年発表している、世界各国の通信業界・メディア動向をまとめたレポート「International Communications Market Report」の最新版にあたる【International Communications Market Report 2012】を公開した。発信元の都合もありイギリス中心の内容ではあるが、有意義なデータが多数盛り込まれていて、検証に値する内容といえる。今回はその中から「主要国におけるモバイル機経由でのソーシャルメディアの利用状況」を見て行くことにする。
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先日【際立つ日本の特異性…主要国のソーシャルメディア利用率(2012年発表版)】で解説したが、デスクトップ・ノートパソコン経由でのソーシャルメディア利用においては、Facebookが圧倒的、日本の特異性などが目に留まる状態。
↑ ノート・デスクトップPCにおける各ソーシャルメディア利用率(2012年8月)(再録)
これは直近のデータだが、それではここ数年(ソーシャルメディア全体が飛躍的な普及を進めた時期でもある)の動向はどのようなものなのだろうか。その一端を見たのが次のグラフ。あくまでも「自宅のインターネット回線」で、モバイル機による利用は含まれていないが、各国とも増加傾向を示している。
↑ 自宅のインターネット回線経由でソーシャルメディアへアクセスする人の割合(18-64歳)
ただし伸び率は日本を除き限定的(スペイン・中国は2010-2011年についてはデータが無い)。むしろ横ばいに近いと表現しても良い。ここでもまた、日本のソーシャルメディアを取り巻く環境における「特異性」が見受けられる。
ではソーシャルメディアの普及を推し進めた主要因とは何だろうか。答えはもちろんモバイル機経由での利用。
↑ 携帯電話(スマホ含む)でソーシャルメディアにアクセスする人の割合(携帯電話保有者限定、18-64歳)
こちらもスペインと中国の2011年におけるデータが欠けているが、状況的には他国とさほど変わりは無いものと考えられる。どの国でも1年間で成長を果たしているが、中でもイギリス・アメリカ・オーストラリア・日本の伸び率が高いことに気が付く。
この傾向についてレポートでは「英語圏と日本で大きな飛躍を遂げた」(英語圏はFacebook、日本はFacebookに加えツイッター主導と考えられる)とすると共に、「成長の大部分はスマートフォンによるものと考えられる」「日本はパソコン経由でソーシャルメディアを使う傾向が強かったので2011年では低い値に留まっていたが、モバイル端末の普及・活用により、1年間で大きな伸びを示した。日本ではフランスやドイツ、イタリアよりも高い割合で、モバイル端末経由にてインターネットのサイト閲覧をしている」などと解説している。もちろん日本の「モバイル端末」もまた、具体的にはスマートフォンを指していると考えて良いだろう。
モバイル端末の高性能化、普及の進行は、同時にソーシャルメディアの利用性向を押し上げる働きを持つ。所有・利用ハードルがデスクトップ・ノートパソコンよりも低く、機動性に優れていれば、利用する人が多いのも当然といえる。今後各国でのモバイル・ソーシャルメディアの動きは、さらに加速するに違いない。
■関連記事:
【国内主要ソーシャルメディアのアクセス機器傾向】
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