スマートフォンが一般携帯を凌駕…主要国の「自宅にあるモバイル系ネット接続ツール」の普及状況(2012年発表版)
2013/01/12 10:00


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先に【ノートパソコンやや優勢…主要国の「自宅にあるネット接続ツール」の普及状況(2012年発表版)】で解説した通り、「自宅で使っている、モバイル系以外のインターネット接続機器」(接続目的は何でも良い。例えばウェブ閲覧以外に電子メールの送受信、オンラインゲームのプレイ、ファイルのダウンロードなどが挙げられる)を聞いた結果が次のグラフ。あくまでも何らかのネット接続環境を持つ人に限り尋ねていることに注意(つまり世帯全体に占める割合では無い)。全体的にはノート系パソコンがやや優勢な状況にある。

↑ 家庭内にある、普段インターネットへ接続している機器(2012年9月、18歳以上、複数回答)(何らかの機器を所有し、インターネットにアクセスしている人限定)(再録)
さてそれでは、タブレット機、一般携帯電話、スマートフォンなどのモバイル機では、どのような動きを示しているだろうか。

↑ 家庭内にある、普段インターネットへ接続している機器(2012年9月、18歳以上、複数回答、モバイル系)(何らかの機器を所有し、インターネットにアクセスしている人限定)
タブレット機の意外なまでの浸透ぶり(多くの国で1割超え)、スマートフォンの圧倒的な普及、一般携帯電話の低迷ぶりと、その中でも日本の大きな値など、さまざまな特徴が見えてくる。なお中国が異様に高い値を示している件についてレポートでは「調査対象のうち中国の回答者は、同国におけるアーリーアダプター(新技術などが登場した際に、早期に購入利用する・できる人)で占められており、他の諸外国と比べて高い値を示してしまっている」と説明しており、他国動向とは直接比較せずに考える必要がある。
自宅でのインターネットアクセス用モバイル機器としては、スマートフォンが圧倒的。そして次にタブレット機が付き、一般携帯電話はその次……むしろ携帯音楽再生機(iPod Touchなど)や電子書籍リーダーの方が高い国すらある……に位置している。設問が「単に存在する」ではなく「普段ネットに接続している」であることを考えると、多くの国では一般携帯電話を所有していても、ほとんど使われていないことが分かる。また、上記にも挙げた「日本の一般携帯電話利用率の高さ」「アメリカでの電子書籍リーダーの利用率の高さ(多分にKindle系端末によるものだろう)」にも留意するだけの価値はある。
さて、モバイル・非モバイル双方の「普段ネット接続している端末」が分かったところで、気になるのは「もっとも使っているのはどれだろうか」ということ。幸いにもレポートでは、その疑問に応える形のデータも掲載されている。

↑ インターネットアクセスの際に最もよく使っている機器は(2012年9月、18歳位以上、何らかの機器を所有し、インターネットにアクセスしている人限定)
先の記事でも触れた「ノート系パソコンがデスクトップパソコンを凌駕する時代」について、イギリス・イタリア・日本ではそれがすでに果たされた状態にある。その他の国も双方にあまり大きな差異は無く、今後数年間で立場が逆転しそうな感はある。
また多くて10%だが、「スマートフォンを一番よく使っている」という回答者が居ることにも注意したい。この回答者の自宅にデスクトップ、ノートパソコンがあるかどうかまては分からないが、少なくとも1割近い人が「ネットアクセスはスマートフォンがメイン」という人がいることには違いない。スマートフォンの高性能化・普及率の高さと共に、インターネット界隈の状況そのものに変化が生じていることを、十分認識させるだけの結果といえよう。
■関連記事:
【日本のスマートフォン普及率は2割強…OSシェアはAndroidが6割強・iOSは3割強】
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