米で大幅に伸びる「本を読む人における電子書籍読者率」

2013/01/06 12:00

電子書籍の購読アメリカの調査機関【Pew Research Center】は2012年12月27日、同国の電子書籍の普及を含めた読書性向に関する調査結果【E-book Reading Jumps; Print Book Reading Declines】を発表した。それによれば直近1年間で米成人のうち「本を読んだ経験がある(媒体問わず)」の人において、紙媒体の本を読んだことがある人は9割近くだった。一方で電子書籍を読んだ人は3割に達している。電子書籍に関する値をほぼ1年前のものと比べると、全体で1.4倍など、大幅な伸びが見て取れる。

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今調査は2012年10月15日から11月10日にかけて、アメリカ合衆国内に住む16歳以上の男女に対し、RDD方式で選ばれた電話番号に対する電話による通話でのインタビュー形式で、英語・スペイン語にて行われた。有効回答数は2252人。うち固定電話は1127人、携帯電話は1125人(そのうち固定電話無しは543人)。回答者中インターネット利用者は1945人。調査結果は国勢調査などの統計に基づいてウェイトバックが行われている。

調査対象母集団のうち、紙媒体・電子書籍を問わず、過去12か月に1冊でも本を読んだ経験がある人は75%。その人たちに「どの媒体の本を読んだのか」について複数回答で聞いた結果が次のグラフ。89%は紙媒体、30%は電子書籍だった。

↑ 過去12か月に読んだ本の種類(該当期間に任意の媒体で本を読んだ経験のある、全体比75%が対象)(米、16歳以上)(2012年11月)
↑ 過去12か月に読んだ本の種類(該当期間に任意の媒体で本を読んだ経験のある、全体比75%が対象)(米、16歳以上)(2012年11月)

読書性向のある人においても、まだ紙媒体が圧倒的に多いことを示している一方、3割は電子書籍もたしなむこと、最低でも19%の人は電子書籍・紙媒体を併用していることが分かる。

この「読書経験者における電子書籍読書率」を、ほぼ1年前の2011年12月時点での値と比較したのが次のグラフ。せっかくなので双方期間の差異の伸び率を計算し、合わせてグラフ化した。元々の値が整数値までなので多少のぶれが懸念されるが、大体の動きを推し量るのには十分な精度といえる。

↑ 過去12か月に1冊でも本を読んだことがある人における、電子書籍を読んだことがある人の割合
↑ 過去12か月に1冊でも本を読んだことがある人における、電子書籍を読んだことがある人の割合

↑ 過去12か月に1冊でも本を読んだことがある人における、電子書籍を読んだことがある人の割合(2011年12月から2012年11月にかけての増加比率)
↑ 過去12か月に1冊でも本を読んだことがある人における、電子書籍を読んだことがある人の割合(2011年12月から2012年11月にかけての増加比率)合

属性で伸び率に違いはあるものの、一様にこの1年間で大きく増加した、つまり電子書籍の読書性向が強まっていることが分かる。特に世代別の30-49歳は昨年の時点でもかなり高い値を示していたにも関わらず大きく伸び、実に4割強の人が経験者という結果に。また「世帯年収が高い」「学歴が高い」方が読書率が高いのは、一般的なデジタルメディアの利用率における差異と同じ傾向。環境・必要性の違いが後押ししているものと考えられる。

特に目立つのは16-17歳の世代。元々比率が小さかったこともあるが、そして対象人数が少なめのためぶれが生じている可能性もあるが、唯一2倍超えの値を示している。報告書では特に言及は無いものの、図書館での電子書籍貸出の増加が著しいことにも触れていることから、電子書籍リーダーの安価化と共に、読書対象となる電子書籍に手が届きやすくなったことが、大きな原因と考えられる。

一方で世代的には正反対となるが、65歳以上でも大きな伸びを示している。このこととあわせて考えると、電子書籍には世代の枠を超え、「読書」「デジタル」双方で裾野を広げる効用が期待できそうだ。


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