世界の二酸化炭素排出量比率をグラフ化してみる(2015年)(最新)

2015/11/30 11:44

2015-1130電力事情の変化や仮説・論文内容の正確性に関して嫌疑が起きていることもあり、以前と比べて話題性そのものが薄れつつある二酸化炭素の排出量問題。当サイトではそれでもなお、定期的に世界主要国の二酸化炭素の排出量を公的データでチェックし、その状況を精査している。その動向を確認することにより、地球温暖化のリスクだけでなく、各国の工業化、公害対策の進展なども推し量れるからに他ならない。今回は2015年に発表された最新値を基に、「世界の二酸化炭素排出量比率」などを調べ、状況の確認を行うことにした。

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主要国の排出量と世界全体比


データの抽出元は国際エネルギー機関(The International Energy Agency (IEA))のサイトにある【IEA - Free publications(資料集一覧ページ)】中の「CO2 Emissions from Fuel Combustion - Highlights-」。こちらは逐次最新版が更新・公開されており、現時点では2015年発行分を取得することができる。ここから各種データ(2013年時点でのデータが最新の数字)を取り込み、グラフ化を行う。

まずは世界全体の二酸化炭素排出量における、各国の比率。これまで掲載してきた最新のデータ、2012年分では中国・アメリカの順だったが、2013年分でもそれに変わりはない。

↑ 世界の二酸化炭素排出量比率(2013年時点、IEA調べ)
↑ 世界の二酸化炭素排出量比率(2013年時点、IEA調べ)

↑ 世界の二酸化炭素排出量(億トン)(2009-2013年時点、IEA調べ)(上位国のみ)
↑ 世界の二酸化炭素排出量(億トン)(2009-2013年時点、IEA調べ)(上位国のみ)

注目すべき動きとしては、上位国、特に新興国で増加を示していること。2013年はといえば、2007年から始まる金融危機、そしてリーマンショックを経て、欧州債務危機では最大の山場を越え、世界の経済が回復基調に転じた年。消費・生産が活発となり、当然排出量も増加する。特に中国の増加ぶりが目に留まる(中国一国で世界の1/4超の二酸化炭素を排出している計算になる)。絶対量は中国と比べれば少ないものの、インドも伸び方が著しい。他方アメリカ合衆国では経済復調の中でも横ばいを維持しており、炭酸ガス排出対策が進んでいることがうかがえる。ドイツやロシアも同様。

日本はといえば、単なる経済復興だけでなく、震災起因による発電様式の変更を余儀なくされたことによるところも小さくない。グラフ化は略するが、天然ガスによる「増量」は2010年から2013年の間で2割強、石油で6%にも達している。

複数の切り口で動向を確認


主な上位国について、前世紀末の2000年、そして直近5年分となる2009-2013年時点における全体比の動向を示したのが次のグラフ。中国、アメリカ合衆国など上位国の相対的な位置関係の変化が見て取れる。

↑ 世界の二酸化炭素排出量比率(2000年・2009-2013年時点、IEA調べ)(赤囲みは日本)
↑ 世界の二酸化炭素排出量比率(2000年・2009-2013年時点、IEA調べ)(赤囲みは日本)

上位2国(中国・アメリカ)による全体比も上昇しているが、2000年から2009年の間に中国とアメリカ合衆国がほぼその立ち位置を逆転、そしてそれ以降ますますその差が広がっているのが確認できる。また直近の2013年では中国以外に第3位のインドもシェアを拡大し、上位3か国で全体の49.7%にまで達している。

最後に示すのは、排出量を単純に各国人口で除算して、一人当たりの排出量を算出したグラフ。

↑ 一人当たりの二酸化炭素排出量(2009-2013年時点、排出量上位国、IEA調べ)(トン/年)
↑ 一人当たりの二酸化炭素排出量(2009-2013年時点、排出量上位国、IEA調べ)(トン/年)

各国の国内事情、都市集中の度合い、工業化・公害対策技術の違いなど多種多様な要因があり、単純に「一人当たりの量」だけで各国の二酸化炭素排出量について判断することは難しい。例えばこのグラフでは、中国の値はアメリカの約4割でしかないが、上のグラフにあるように「国単位での総量」では中国ははるかにアメリカを上回る値を占めている。国単位で「中国」の二酸化炭素排出量が世界最大である事実に違いはなく、たとえ一人頭の排出量が他国より少なくとも、「国単位として」科せられた責任は大きい。そもそも「国」とはその領域内におけるさまざまな要素の集合体であり、内包するものを統括する存在なのだから。



やや余談となるが、日本の一人当たりの排出量が少なめなのが目に留まる。電力消費総量でも同じ傾向が確認できるが(【日本の一次エネルギー供給の動きをグラフ化してみる】)、いずれも相当な省エネ化・効率化が進んでいる証といえよう。


※2015.11.30. グラフを中心に、大幅に記事の内容を更新しました


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