歩行者から見た道路整備、「歩道の設置や拡大などの整備」需要が一番

2012/12/14 08:30

道路の自転車走行場所指定内閣府は2012年12月3日、道路に関する世論調査の結果を発表した。それによると、歩行者、特に高齢者の立場から見て交通安全のためにどのような道路整備が求められるかとの質問に対しては、「歩道を設置したり幅を広げたり、段差・傾きの解消などを行う」との意見が最も多く、全体では6割を超える賛同者が確認できる結果となった。続いて「自転車と歩行者の通行空間を分離する」「車いす使用者や高齢者が快適に移動できるバリアフリー経路の案内をする」などが続いている。世代別では概して中堅層の希望が高いが、「休憩のできる歩道の整備」は高齢者も若年層と変わらない要望率を見せている(【発表リリース】)。

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今調査は2012年10月4日から14日にかけて、日本国内で日本国籍を有する20歳以上の男女の中から層化2段無作為抽出法によって選ばれた3000人に対して行われたもので、調査方法は調査員による個別面接聴取法。有効回収数は1866人。男女比は847対1019、世代構成比は20代165人・30代266人・40代318人・50代275人・60代425人・70歳以上417人。

先に【道路や橋は「予防補修で長持ちさせる」が6割、「補修よりも作り直し」が2割強】でも記したが、道路行政・整備全般に関しては、「予防補修と長期活用、そして更新」というスタイルを望む人が6割を超えている。

↑ 道路構造物の維持、修繕、更新の考え方(2012年10月)(再録)
↑ 道路構造物の維持、修繕、更新の考え方(2012年10月)(再録)

今回は歩道周りに限定し、歩行者、特に高齢者などに対する配慮に重点をおいた上で、どのような道路整備をすべきかを尋ねたもの。取られうる施策を選択肢として用意し、ウエイトを置いてほしいものに複数回答で答えてもらった結果が次のグラフ。最上位についたのは「歩道を設置したり幅を広げたり、段差・傾きの解消などを行う」で、63.3%の人が整備実行を求めていた。

↑ 特に高齢歩行者などに対する配慮として、交通安全のために、歩行者の立場からどのような道路整備が必要だと思うか(複数回答)
↑ 特に高齢歩行者などに対する配慮として、交通安全のために、歩行者の立場からどのような道路整備が必要だと思うか(複数回答)

そもそも歩道が無かったり、あっても幅が狭かったりなど、歩行者用の設備が十分でないところが多く、「歩行者の配慮のためには、まず歩道をしっかりしてもらわないと」という意見が多数を占めていることになる。どの程度までの整備で満足いくのかは回答者一人一人の感性の問題だが、整備が十分でない歩道が多いのも事実と考えて問題はない。

次いで多いのは「自転車と歩行者の通行空間を分離する」。これは【警察庁、自転車の歩道通行への対応見直しを通知】などでも触れているが、昨今の健康ブーム、特に東日本大地震・震災後における自転車への注目度アップを機会に問題視されている事象。完全に双方が分離できればリスクは減らせるが、場所そのものが確保できなかったり、予算の都合などもあり、なかなか現実化させるのは難しい。

高齢者といえばバリアフリーの問題もある。第3位には「車いす使用者や高齢者が快適に移動できるバリアフリー経路の案内をする」がついており、実際に問題が少なからず起きていることがうかがえる。

これを世代別に見ると、概して40-50代の中堅層の意識が高い。

↑ 特に高齢歩行者などに対する配慮として、交通安全のために、歩行者の立場からどのような道路整備が必要だと思うか(複数回答)(世代別)
↑ 特に高齢歩行者などに対する配慮として、交通安全のために、歩行者の立場からどのような道路整備が必要だと思うか(複数回答)(世代別)

これは自らが間もなく高齢者入りすることから、高齢者対策の必要性を「肌身で」感じていることが要因だと考えられる。特に「車いす使用者や高齢者が快適に移動できるバリアフリー経路の案内をする」ではこの層は高い値を示している。

他方、冒頭でも触れたが「休憩のできる歩道の整備」は40代以降ほぼ同じ値で、世代別の格差があまりない。高齢者でも値が下がらないのは、実体験でその重要性を認識するからだろう。

回答者居住地域別に見ると、概して都心部の方が要望が強い。

↑ 特に高齢歩行者などに対する配慮として、交通安全のために、歩行者の立場からどのような道路整備が必要だと思うか(複数回答)(居住地域別)
↑ 特に高齢歩行者などに対する配慮として、交通安全のために、歩行者の立場からどのような道路整備が必要だと思うか(複数回答)(居住地域別)

一見、道路整備がなされているように見える都心部でも、歩道に関しては需要がまだまだ大きいということだろう(むしろ十分な歩道を確保できず、だからこそ需要が大きいのかもしれない)。あるいは地方ではわざわざ歩道を別途用意しなくても十分な領域が確保されている、または交通量の面で(比較的に)気にならない可能性もある。もちろん上位項目では元々の要望率は高めなのだが。

ただし、「バリアフリーの案内」「休憩のできる歩道」のような、特に高齢者に配慮をした整備については、地域別の差異が少ないのが目に留まる。高齢者の利用に気を配った道路の整備は、過去においては多分に優先順位が低い、あるいは考慮そのものが行われていなかったことも一因。地域を問わず「これから」の問題といえよう。

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