「交通制限」36%「劣化確認次第補修」31%…車両の大型化に伴う道路の劣化への対応意見は多種多様

2012/12/10 11:55

道路工事内閣府は2012年12月3日、道路に関する世論調査の結果を発表した。それによると、車両の大型化に伴い橋や道路が劣化しやすくなる問題に対する意見・行うべき施策として、「重い車両が走行できる道路を限定し、橋や道路への影響を少なくすべきだ」とする回答率がもっとも高く、36.1%に達していた。一方「走行制限はせずに重い車両も走らせ、劣化が確認され次第補修していくべき」とする意見も31.2%と3割を超えていた。「橋や道路そのものを強化して重量車両も問題なく走らせるようにすべき」との約2割の意見も合わせ、車両の大型化に伴う道路や橋の劣化への対応は、意見が大きく分かれているようすがうかがえる(【発表リリース】)。

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今調査は2012年10月4日から14日にかけて、日本国内で日本国籍を有する20歳以上の男女の中から層化2段無作為抽出法によって選ばれた3000人に対して行われたもので、調査方法は調査員による個別面接聴取法。有効回収数は1866人。男女比は847対1019、世代構成比は20代165人・30代266人・40代318人・50代275人・60代425人・70歳以上417人。

需要の拡大や車両性能の向上化、コスト削減なども合わせ、道路上を走る車両は(貨物車両を中心に)大型化する傾向がある。必然的に橋や道路の痛みは増し、また建設時には想定していなかった力が加わり、経年劣化を速める一因にもなる。

このような状況に対し、道路行政はいかなる対応をすべきかについて、4つの選択肢の中から1つを選んでもらうのが、今回の設問部分。全体では「耐久度的に不安を覚える道路・橋については走行を制限し、重量車両の走行を限定。道路・橋の影響を軽減すべき」という意見がもっとも多く、36.1%の人が同意を示した。

↑ 車両の大型化に伴う橋・道路の劣化への対応(2012年10月)
↑ 車両の大型化に伴う橋・道路の劣化への対応(2012年10月)

言い換えれば「道路や橋に無茶はさせない」とする意見だが、それに近い値の31.2%は「重量車両も走行させる。ただし橋や道路が劣化したらその都度費用をかけて補修していく」との意見だった。現状では主にこの上位2つのパターンだが、後者では劣化が発見されてから修復されるまでの間に、事故を生じる可能性が出てくる。「劣化の発見」が「事故の発生」によって行われたのでは遅すぎる(無論逐次の検査は内包された上での選択肢だが……)。

やや同意率は下がるが、「費用をかけて道路や橋を頑丈にし、重量車両も気兼ねなく走れるようにする」という意見も2割強見られる。リスクの観点ではこれが一番なのだが、費用のハードルが立ちはだかる。なお「特に対策はとらない。橋や道路が劣化しても仕方ない」とする意見は3.5%でしかない。

これを世代別に見ると、60代まではほぼ横並び、あえて言えば若年層ほど「走行制限派」が多い傾向が確認できる。

↑ 車両の大型化に伴う橋・道路の劣化への対応(2012年10月)(世代別)
↑ 車両の大型化に伴う橋・道路の劣化への対応(2012年10月)(世代別)

これが70代になると大きく様変わりする。「走行制限」「逐次修復」が1/4、「強靭化」が2割強と大きく伸びる。そして「良くわからない」が2割を超える。以前の【道路や橋は「予防補修で長持ちさせる」が6割、「補修よりも作り直し」が2割強】同様、「自分の今後」の長さと自分の得られる便益とを天秤にかけた変化と考えられる。

気になるのが回答者の居住地域別。

↑ 車両の大型化に伴う橋・道路の劣化への対応(2012年10月)(居住地域別)
↑ 車両の大型化に伴う橋・道路の劣化への対応(2012年10月)(居住地域別)

東京都区部がややイレギュラー的な感もあるが、概して「都市圏ほど走行制限」「地方ほど強靭化」の意見が強くなる傾向がある。これもまた回答者の周囲環境に応じた回答と考えれば納得はできるというものだ。特に町村部では「走行制限」と「強靭化」、さらには「逐次補修」がほぼ同列に並んでおり、道路施策に対する想いが複雑であることをうかがわせる結果となっているのが興味深い。

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