日本から主要5か国への親近感推移をグラフ化してみる(最新)

2017/12/28 05:10

2017-1227内閣府は2017年12月25日、外交に関する世論調査を発表した。それによると調査時点においてアメリカ合衆国への親近感を抱いている人は78.5%に達していた。選択肢として用意された国・領域では次いでヨーロッパ諸国が高く、東南アジア諸国、インドが続いている。今回はその親近感について、主要国(アメリカ合衆国・ロシア(ソ連)・中国・韓国・インド)に対する値の推移を過去データから抽出し、グラフ化を行うことで、各国に対する日本国内世情の長期的な動向の精査を行うことにする(【発表リリース:外交に関する世論調査】)。

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今調査の調査要項は先行記事【日本のアメリカ合衆国への親近感78.5%、対中親近感はやや回復(最新)】を参照のこと。

今調査では対象国に対する親近感に関して回答者に「親しみを感じる」「どちらかというと親しみを感じる」「分からない」「どちらかというと親しみを感じない」「親しみを感じない」の5選択肢を提示し、その中から1つを選んでもらっている。今件ではこのうち前者2つ「親しみを感じる」「どちらかというと親しみを感じる」を合わせた値を「親近感」と位置付け、その推移を見たもの。なおインドは1991年から2007年は「南西アジア諸国(インド、パキスタンなど)」と尋ねているため、厳密には連続性は無い。

↑ 主要国への親近感推移(「親しみを感じる」「どちらかというと親しみを感じる」の合計)
↑ 主要国への親近感推移(「親しみを感じる」「どちらかというと親しみを感じる」の合計)

今調査の先行記事でも触れているが、アメリカ合衆国への好感度は押し並べて高い。一方中国は全体的に右下がりで、この30年ほどの間に1/2から1/3ほどまでに減少しているのが一目瞭然。ここ1、2年の持ち直しも、トレンド転換を予見させるレベルのものでは無いことが分かる。

ロシアは10%強を低空飛行したまま。1990年前後に一時的に盛り上がりを見せたが、すぐに急降下。2000年前後からは再び上昇しているが、これはプーチン政権の発足と対日融和政策によるところが大きい(特に当時の日本の小泉首相の仲のよさはテレビでも繰り返し伝えられており、これがポジティブに働いている)。さらに2012年以降は再び大きく上昇を見せているのが興味深い。ロシアの大統領選挙が2012年3月に実施され、ウラジミール・プーチン氏が当選したこと、それに伴いプーチン氏が再び日本のメディアに登場し、好意的な印象を与えているのが継続して影響しているものと考えられる。

最近では2014年に発生したウクライナ騒乱、クリミア危機、さらにはロシアの直接・間接的軍事侵攻を受け、負のイメージが生じた結果として、同年以降は下落を示している。

韓国やインドは基準値こそ違えども同じようなカーブを描いて上昇中。ただし2009年以降韓国は頭打ち、そして2011年から2012年にかけて大幅な下落を記録し、2014年もさらなる急落、2015年以降はようやく持ち直しを示している。

中国は尖閣諸島と反日暴動、ガス田、小笠原諸島のサンゴ違法搾取、沖縄や尖閣諸島などの問題をはじめとする日中間の直接の対立に加え、南シナ海の人工島造成問題など、韓国は竹島、さらに双方の国とも強圧的・理不尽・理不尽な外交姿勢・対日経済施策が大きく影響しているものと考えれば、2012年以降における急落の納得はできる。

ここ1、2年の上昇ぶりは報道頻度など情報の伝達ウェイトが軽減した結果によるところが大きく、中韓それぞれに対する親近感減退の要因が解決に向けて動いているわけでは無いことを留意しておく必要がある。

↑ 諸外国との親近感(対米中韓限定)(再録)
↑ 諸外国との親近感(対米中韓限定)(再録)

今件はあくまでも不特定多数の母体による世論調査の結果であり、それがそのまま日本国全体としての各国への外交施策における判断につながるわけでは無く、国民の総意としての対外公的ステートメントを意味するものでも無い。一方で、主要国への印象を推し量るとの視点では、十分に役立つ値ではある。

注意すべきは「親しみを持たない」が「マイナスのイメージを持つ」には直結しないこと。単に親近感を持つ・持たないに関して判断するだけの材料が無い、認識度が薄い可能性も多分にある。ロシアをはじめとした旧共産国や日本から距離的に遠い国で親近感が薄いのは、多分になじみが薄いのも要因なのだろう。


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