日本から主要5か国への親近感推移をグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/03/14 14:10

内閣府は2016年3月14日、外交に関する世論調査を発表した。それによると調査時点においてアメリカ(合衆国)への親近感を抱いている人は8割を超え84.4%に達していた。選択肢として用意された国・領域では次いでヨーロッパ諸国が高く、東南アジア諸国、インド中南米が続いている。今回はその親近感について、主要国(アメリカ・ロシア(ソ連)・中国・韓国・インド)に対する値の推移を過去データから抽出し、グラフ化を行うことで、各国に対する日本国内世情の長期的な動向の精査を行うことにする(【発表リリース:外交に関する世論調査】)。

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今調査の調査要項は先行記事【日本のアメリカ合衆国への親近感84%、対中親近感は過去最低継続(2016年)(最新)】を参照のこと。

今調査では対象国に対する親近感に関して回答者に「親しみを感じる」「どちらかというと親しみを感じる」「分からない」「どちらかというと親しみを感じない」「親しみを感じない」の5選択肢を提示し、その中から1つを選んでもらっている。今件ではこのうち前者2つ「親しみを感じる」「どちらかというと親しみを感じる」を合わせた値を「親近感」と位置付け、その推移を見たもの。なおインドは1991年から2007年は「南西アジア諸国(インド、パキスタンなど)」と尋ねているため、厳密には連続性は無い。

↑ 主要国への親近感推移(「親しみを感じる」「どちらかというと親しみを感じる」の合計)
↑ 主要国への親近感推移(「親しみを感じる」「どちらかというと親しみを感じる」の合計)

今調査の先行記事でも触れているが、アメリカ合衆国への好感度は押し並べて高く、ここ数年では一段高の状態にある。一方中国は全体的に右下がりで、この30年ほどの間に1/2から1/3ほどまでに減少しているのが一目瞭然。

ロシアは10%強を低空飛行したまま。1990年前後に一時的に盛り上がりを見せたが、すぐに急降下。2000年前後からは再び上昇しているが、これはプーチン政権の発足と対日融和政策によるところが大きい(特に当時の日本の小泉首相の仲の良さはテレビでも幾度となく伝えられており、これがポジティブに働いている)。さらに2012年以降は再び大きく上昇を見せているのが興味深い。ロシアの大統領選挙が2012年3月に実施され、ウラジミール・プーチン氏が当選したこと、それに伴いプーチン氏が再び日本のメディアに登場し、好意的な印象を与えているのが継続して影響しているものと考えられる。

もっとも最近では対ロ関連のニュースも少なく(ロシア自身が対日関係どころではない状態なのが多分にあるのだろう)、親近感を覚える機会が少なくなっているのが、ここ数年の下落の理由かもしれない。※もっとも2014年に発生したウクライナ騒乱、クリミア危機、さらにはロシアの直接・間接的軍事侵攻を受け、負のイメージが生じている可能性も否定できない。

韓国やインドは基準値こそ違えども同じようなカーブを描いて上昇中。ただし2009年以降韓国は頭打ち、そして2011年から2012年にかけて大幅な下落を記録し、前年の2014年もさらなる急落、直近の2015年でようやく少しながらも持ち直しを示している。

中国は尖閣諸島と反日暴動、ガス田、小笠原諸島のサンゴ違法搾取、沖縄や尖閣諸島などの問題をはじめとする日中間の直接の対立に加え、南シナ海の人工島造成問題など、韓国は竹島、さらに双方の国とも強圧的・理不尽・理不尽な外交姿勢・対日経済施策が大きく影響しているものと考えれば納得はいく。2013年に見られた一時的な状況の改善は単年のイレギュラー的なもので、概して低い値が継続していることが、今回のグラフから改めて実感できる。また先行記事にある通り、前回調査となる2014年と比較すると、中国は内部的に見ても「親近感」派は希薄化しており、実質的には親近感はより薄まったと判断できる。

↑ 諸外国との親近感(対米中韓限定)(再録)
↑ 諸外国との親近感(対米中韓限定)(再録)

今件はあくまでも不特定多数の母体による世論調査の結果であり、それがそのまま日本国全体としての各国への外交施策における判断につながるわけでは無く、国民の総意としての対外公的ステートメントを意味するものでもない。一方で、主要国への印象を推し量るとの視点では、十分に役立つ値ではある。

注意すべきは「親しみを持たない」が「マイナスのイメージを持つ」には直結しないこと。単に親近感を持つ・持たないに関して判断するだけの材料が無い、認識度が薄い可能性も多分にある(ロシアをはじめとした旧共産国や日本から距離的に遠い国で親近感が薄いのは、多分になじみが薄いのも要因なのだろう)。他方、今後各国との関係(善し悪しの他に単純な密接度)に変化があれば、調査結果にもこの数年の中国・韓国の値のように大きな、または少しずつではあるが確実な動きが見られるはずだ。


※ウクライナ騒乱に関する言及を追加しました。

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