米教師が考える、今後のデジタル社会のために生徒に求められる技術とは

2012/12/03 14:00

検索米国大手調査機関の【Pew Research Center】は2012年11月1日、インターネット検索が子供にどのような影響を与えているのかに関して、教師に尋ねた調査結果【How Teens Do Research in the Digital World】を発表した。子供達自身では無く教師の立場からだが、生徒とインターネット検索との関係が垣間見られる報告書として、チェックするのに値する内容となっている。今回はその中からアメリカにおいて、「生徒の今後のために、どのような技術習得に重点を置くべきか」について見ていくことにする。

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調査対象母集団の詳細については先行する形で2012年11月20日に【米教師のほぼすべてが実感する「インターネットで生徒は新しい検索・情報の活用技術を身に着けた」】として掲載した記事に書かれているので、そちらを参考のこと。

先に【米教師が見た、デジタル技術の浸透で変わった生徒達の学習スタイル】でも伝えた通り、デジタル技術の普及浸透により、生徒達にはより多くの選択肢が与えられ、可能性が積み増しされたと認識している。

↑ デジタル技術の浸透が生徒の学習に与えた影響に関する分析への見解
↑ デジタル技術の浸透が生徒の学習に与えた影響に関する分析への見解(再録)

それでは視点を変え、子供達の将来のためには、どのような技術(特にデジタル技術関連で)を重視すべきだと教師たちは考えているだろうか。いくつか選択肢を挙げ、それぞれに「不可欠」「重要だが不可欠では無い」「そこそこ重要」「重要ではない」で割り振りしてもらい、それを集計したのが次のグラフ。

↑ 生徒が良き人生を送るため、次の技術はどの程度重要だと思うか
↑ 生徒が良き人生を送るため、次の技術はどの程度重要だと思うか

まず目に留まるのは「重要ではない」の回答率の低さ。ウエイトの違いはあれど、挙げられたデジタル系技術はどれも重要であるという認識を、教師たちは持っていることになる。

それらの中でも最重要視されているのは「情報の質の判断」と「影響力のある文章の執筆」。前者は大量の情報に押しつぶされそうになる昨今のデジタル社会において、その流れの中から正しい情報を精査してつかみ取り活用し、悪質な情報に惑わされないようにするというもの。過去の経験を活かし、周辺の情報をリンクさせて精査し、的確に判断するという、俯瞰的なモノの見方が求められる。一方後者はデジタル社会以外でも欠かせない技術だが、共通する部分とデジタル社会ならではの部分があり、双方の習得が求められる。

次いで多くの教師が求めているのは「責任ある行動」。無責任な行動が嫌われ、トラブルの元になるのはデジタルである無しを問わず常識的な話だが、匿名性が多々あるインターネットでは特に重要な(倫理上の)問題となる。

また昨今のソーシャルメディアの浸透でよく問題になるのが、第4位の「デジタル・オンラインの世界にはプライバシーに絡んだ問題があること」。良くやりとりする相手が自分の知り合いだけだからと言って、自分の書き込みがそれら「知り合いだけ」に見られているわけではない。インターネット上に情報をアップロードした・書きこんだ瞬間に、その情報は全世界に知らされる可能性があることをしっかりと認識しなければならない(閉鎖的な掲示板の上での書込みですら、参加した人が別の場所に転送して大いに広まる可能性もある)。「友達にだけ」と思って掲示した動画が、全世界に浸透してしまう事例も、過去に何度となく報告されている(たとえば【成長した「スターウォーズ・キッド」、苦難を乗り越え弁護士への道のりを歩む】)。

他方、マルチメディアの有効な活用法については、教師側も「重要ではあるが優先順位はさほど高くない」との認識を示している。今後さらにデジタル技術による映像・動画による表現能力は高まり、高性能なモバイル端末の普及で世界に広める手法も増えていく。需要が増えるのに違いは無いが、すべての人が習得する必要もないだろうということか。

これらの技術は押し並べて、あればあるに越したことはないし、その技術が高ければ高いほど、選択肢も増え、高みに足を運べる可能性も増えていく。直接的には必要ないかもしれないが、間接的には大いに役立ち、リスクを減らしてくれる。そしてもちろん生徒だけでなく、教師も含めた大人すべてが注意を払い、習得を心掛けるべき技術といえよう。

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