教師が見た「生徒の検索慣れ」の良し悪し判断・米国の場合は…!?

2012/11/19 06:45

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検索をする子供アメリカの調査機関【Pew Research Center】は2012年11月1日、インターネット検索が子供達にどのような影響を与えているのかについて、教師の立場から見た調査結果【How Teens Do Research in the Digital World】を発表した。一昔前までは「出来る方が珍しい」、今では「誰もが気軽に、当たり前のように使いこなす」インターネット検索だが、子供達の生活、特に教育・成長過程にはどのような影響を与えていると「教師は考えている」のか、今報告書は興味深い内容となっている。今回はその中から、インターネット検索が包括的には子供に良い影響を与えているのか、悪い影響を与えているのかという、総論としての良し悪し判断について見ていくことにする。


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今調査は2012年3月7日から4月23日にかけて2462人の教師に対し、インターネット経由で行われている(2万2590人の教師に電子メールを用いてウェブ上で回答するよう依頼を行い、2462人が回答している)。全アメリカの教師の分布に即したウェイトバックは行われていないが、極力偏りなくデータを取得するよう、地域、教師自身の教鞭期間をはじめとした各種パラメータ、地理的状況、学校の種類などにおいて配慮がなされている。

冒頭にもある通り、今や「物事を調べるツール」の一つとして当たり前の存在となった、インターネット検索。教師の目から見て、子供達に良い影響を与えているのだろうか。各論はともかく総論としては、3/4以上の教師が「良い影響」と答えている。

↑ 全体的に見て、生徒がインターネットで検索するようになることは、良い事だと思うか、悪い事だと思うか
↑ 全体的に見て、生徒がインターネットで検索するようになることは、良い事だと思うか、悪い事だと思うか

肯定派が大半を占めていることになるが、教師の属性……具体的には教師自身の年齢や教鞭年数、教えている科目など……による違いはあるのだろうか。結果としては多少のぶれがあるものの、大勢は変わらず、肯定派が多数を示している。

↑ 全体的に見て、生徒がインターネットで検索するようになることは、良い事だと思うか、悪い事だと思うか(属性別)
↑ 全体的に見て、生徒がインターネットで検索するようになることは、良い事だと思うか、悪い事だと思うか(属性別)

興味深いのは教師の年齢が上になるほど肯定派が増えること。得てしてデジタル技術には高齢者ほど否定的になるものだが、教師の目から見た子供の動きについては、逆の流れを示している(あるいはだからこそ、生徒の進歩には目を留めるのかもしれない)。また、教科別では数学教師の肯定派の値が抜きんでて高いが、これには納得してしまう。

一方、詳しくは後日別個触れることになるが、生徒の世帯の裕福さにより、多少ではあるが明らかに違いが生じているのが気になる。具体的には「貧しい生徒ほど、インターネット検索の悪影響を受けているのではないか」とするもの。今件はインターネット検索をする・できることが前提なので、素行の悪さから「悪用してしまうかも」という懸念を教師が抱いてしまっているのかもしれない。


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