賃貸住宅の平均居住年数をグラフ化してみる(2012年6月発表分)

2012/11/21 12:00

先日2012年11月16日付で掲載した記事【メディア別賃貸住宅業者への反応の変化をグラフ化してみる(2012年6月発表分)】でも解説しているが、賃貸住宅の管理会社から構成されている協会「日本賃貸住宅管理協会」が半年ペースで公表している【賃貸住宅景況感調査日管協短観】の最新版にあたる【賃貸住宅景況感調査日管協短観・2011年度下期(2011年10月-2012年3月、2012年6月発表)(PDF)】の内容を精査する形で、過去の類似主旨の記事の更新について最新値を反映させ、昨今の賃貸住宅動向を確認している。今回は賃貸住宅管理会社が管理する物件における、住んでいる人の平均居住年数をグラフ化し、状況の判断を行うことにする。

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調査要項は先行する記事「メディア別賃貸住宅業者への反応の変化をグラフ化してみる(2012年6月発表分)」にある通り。詳しくはそちらを参照してほしい。

利用客層を「学生」「一般単身者」「一般ファミリー」「高齢者」「法人」「外国人」に大別した上で、それぞれの平均居住年数をグラフ化したのが次の図。一般ファミリーと高齢者において、長年居住している人が多いことが分かる。居住スタイルを考えれば、ごく普通の結果といえる。

↑ 平均居住年数(全国)(2011年度下期)
↑ 平均居住年数(全国)(2011年度下期)

学生は2-4年が大半で、4年以上はほとんどいない。これは学生の賃貸住宅利用者の大半が大学生であること、そして通常の大学が4年制であることを考えれば、大体つじつまが合う。また外国人は短期滞在・長期滞在の両パターンが存在しており、居住年数も短期・長期の双方に分散していることが確認できる。そして高齢者は他の区分とは比較にならないほど、6年以上の長期滞在型が多数を占めている。

これを首都圏・関西圏て分けてグラフ化すると、地域別の特徴が出てくる。

↑ 平均居住年数(首都圏)(2011年度下期)
↑ 平均居住年数(首都圏)(2011年度下期)

↑ 平均居住年数(関西圏)(2011年度下期)
↑ 平均居住年数(関西圏)(2011年度下期)

首都圏は全国平均とほぼ変わらない傾向を示している。違いといえば一般ファミリー・法人の長期利用者がやや多いくらいだろうか。一方で関西圏は一般ファミリーと高齢者、特に高齢者の長期利用の割合が極めて高いのが分かる。逆に一般単身利用者の「1-2年」の割合が大きいが、これは大阪方面への単身赴任などが主要因ではないかと思われる。

単純に関西圏で高齢化が急速に進行しているのか、それとも高齢者が関西圏に集まっているのか、このデータだけでは判断がつきにくい。いずれにせよ、関西圏の方が関東圏よりも、長年賃貸住宅に居住している高齢者が多いのは確かである。

気になるのは高齢者世帯の世帯構成。【「お年寄りがいる家」のうち1/4・414万世帯は「一人きり」】にもあるように、現時点で高齢者世帯の1/4弱は一人暮らしであることが分かっている。また一人暮らしのお年寄りは、近所に住まう(時として同一賃貸住宅内に住む)類似環境の人とコミュニティを創る場合が多い(自由に出来る時間が多いのが原因)。長期間借りている賃貸住宅が老朽化で建て直しなどをする際、引っ越しをせざるを得なくなる場合も出てくるが、それによるコミュニティの崩壊を危惧し、立ち退きを拒む事例も少なくない。また一人暮らしの高齢者の場合、新たに賃貸住宅を借りるのには相当難儀するのも一因。

今後賃貸住宅の建て直し・取り壊しの際には、今まで以上に高齢者問題が注目を集めるようになることだろう。

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