基本は現金・クレカ…二人以上世帯の代金支払い方法の移り変わりをグラフ化してみる(2015年)(最新)

2015/11/17 05:08

人が日常生活を過ごしていく中で、欠かせないのが金銭消費行動。要はお金を払って物品やサービスを調達する行為のことだが、その際の対価支払いには現金だけでなくクレジットカードや電子マネーなど、多彩な手段を用いることができる。そして昨今では使い捨て型のプリペイドカード(マネーカードやギフトカードと呼ばれるもの)の普及浸透に合わせ、「支払い」の概念もさらに多様化しつつある。今回は金融広報中央委員会の「知るぽると」が2015年11月6日に発表した「家計の金融行動に関する世論調査」の最新版となる2015年分などのデータを基に、「二人以上世帯における、お金の決済手段とその移り変わり」について、状況の確認と精査をしていくことにする(【知るぽると:調査・アンケート公開ページ】)。

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少額は現金、多額はクレジットカードも


今回は支払いの決済方法のうち、二人以上世帯にスポットライトを当てることにする。単身世帯との間では大きな違いが生じるため、別個で見ていく方が混乱を招かずに済む(差異が生じる理由は後述)。

まずは直近2015年における、金額別主要決算手段。4つの選択肢のうち「主なもの2つ」を答えてもらっているので、事実上「何を使っているのか」に等しい結果となっている。

↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答)(2015年、二人以上世帯)
↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答)(2015年、二人以上世帯)

二人以上世帯の場合、小口決済でも電子マネーなどが使われる状況はあまり無い。大体が現金支払いで、金額が大きくなるに連れ、クレジットカードの比率が高くなる。5万円を超えると現金以上の使用率にまで上昇する。

ここで、電子マネーの利用頻度の低さに首をかしげてしまいそうになる。スマートフォンの普及、対応店舗数の拡大に伴い、少額決済が便利な電子マネーはもっと普及しているはずではないか、と。

そこで質問用紙を確認すると、文言には「あなたのご家庭では、日常的支払い-」とある。つまり世帯構成員一人ひとりのプライベートでの支払いではなく「世帯全体の家計として」との認識で回答している可能性が高い。

クレジットカードを家族全体の買い物に使う事はあっても、基本的に個々の持ち物である(スマートフォンなどの携帯電話に組み込んでいる)電子マネーを「家庭全体向けの」買い物に使うことは多くない。電子マネーは「家計全体のお財布」では無く、「世帯構成員一人ひとりのお小遣い・お財布」的な要素が強いからだ(無断に自分のおサイフケータイで、妹の漫画雑誌や家族全員の夕食の材料を買われたら、怒らないはずが無い)。そのように考えれば、二人以上世帯で電子マネーの「日常的支払」比率が低いのも納得がいく(必然的に家庭(世帯)の支払い=個人の支払いとなる単身世帯では、電子マネーの利用頻度も高い結果が出ている)。

それでも少しずつ増える電子マネー利用率


二人以上世帯では現金とクレジットカードが主流で、電子マネーなどはあまり使われない。これが基本となるが、時代の流れと共に少しずつ変化も見受けられる。

↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答で「現金」回答率)(支払金額別)(二人以上世帯)
↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答で「現金」回答率)(支払金額別)(二人以上世帯)

↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答で「クレジットカード」回答率)(支払金額別)(二人以上世帯)
↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答で「クレジットカード」回答率)(支払金額別)(二人以上世帯)

↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答で「電子マネー・デビットカード」回答率)(支払金額別)(二人以上世帯)
↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答で「電子マネー・デビットカード」回答率)(支払金額別)(二人以上世帯)

データが公開されているのは2007年から2015年の9年分。その9年の間で現金の利用は各金額領域で漸減し(但しごく少額の支払いにおいては現金回答率はあまり変わらない)、クレジットカードや電子マネーの利用が少しずつ増加しているのが分かる。特に電子マネーは2010年以降急増しており、従来型携帯電話・スマートフォンの「おサイフケータイ」普及が大きなトリガーとなったことは容易に想像できる。また、その時期においてもクレジットカードの少額決済での利用頻度は落ちておらず(むしろ増加中)、現金の比率が1000円超の金額では減少していることから、「おサイフケータイが現金の代わりに(少しずつながらも)使われ始めた」と考えれば道理は通る。

また電子マネーの動向を詳しく見ると、5000円以下ではますます利用率が高まるのに対し、それを超えると利用率の上昇度合いは足踏み状態。少額決済の便利ツールとしての認識が強まり、クレジットカードとの使い分けが進んでいるようにも見える。

「現金」から「おサイフケータイ」への流れは、単身世帯では、より大胆な動きが確認できる。これについては機会を改めて見て行くことにしよう。



やや余談ではあるが。「日常生活における買い物」ではなく、公共料金などの定期的な支払では、口座振替が主流となっている。ただしポイント制の恩恵(利用金額次第でポイントが加算され、ポイントが貯まると色々なサービスを受けられる仕組み)を受けるためだと考えられるが、クレジットカードの利用が漸増している。

↑ 公共料金等の定期的な資金決済手段(2つまでの複数回答)(2007年-2015年、二人以上世帯)
↑ 公共料金等の定期的な資金決済手段(2つまでの複数回答)(2007年-2015年、二人以上世帯)

現金比率にあまり変化が無いこと、口座振替の値が漸減していることから、現金支払いをする対象はほぼそのまま、そして口座振替の手口が一部クレジットカード支払に切り替えられているようだ。ただし直近数年に限ると、現金比率ですら低下の動き≒クレジットカードへのシフトが見えている。少しでも特典を得ようとする、賢い選択をしている動きが見受けられよう。


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