「持ち家無し」の人の間に広まる「マイホームは要らない」傾向

2012/03/10 05:40

住宅金融広報中央委員会の「知るぽると」は2012年2月22日に同委員会の公式サイトにて【家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](2011年)】【家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯](2011年)】の双方をを発表した。発表資料では主にお金のやりくりの視点から、一般世帯の実態を推し量れる数多くのデータが開示されている。今回はその中から、「持ち家無しの人が住宅を調達しようとする意志と予定時期」について焦点を当てることにする。

スポンサードリンク


調査対象母集団の詳細や項目名の定義などは2012年3月の記事【金融資産を持たない世帯、二人以上は3割近く・単身は4割近く】などで確認してほしい。過去もほぼ同形式で行われているが、「単身世帯」調査は2007年以降に限定されている。

「一国一城の主」という言い回しがある通り、二人以上世帯でも単身世帯でも、自分の持ち家を持つことは一つの夢である。世帯全体に占める持ち家率は増加しているが、これは世帯主の平均年齢の上昇に伴うもので、特定世代における持ち家率は(中堅層以下の若年層では)むしろ減少傾向にある(【持ち家と借家の割合をグラフ化してみる】)。
http://blog.livedoor.com/smartphone/
今調査母体では、単身世帯は24.5%、二人以上世帯では71.6%が持ち家に住んでいると回答している。単身世帯の方が圧倒的に持ち家率が低い、逆にいえば借家住まいの人が多い。

↑ 持ち家率(2011年調査)
↑ 持ち家率(2011年調査)

それでは現在持ち家に住んでいない人、つまり借家住まいの人は、将来自家を取得する予定はあるのだろうか。自前で購入する以外に、親などから相続を受ける可能性もあるため、それも含めた回答をしてもらったのが次のグラフ。

↑ 非持家世帯における自家取得予定時期(2011年)
↑ 非持家世帯における自家取得予定時期(2011年)

予算の都合や必要性も合わせて考えれば当然なのだが、二人以上世帯の方が持ち家取得意向が高いのが分かる。また、単純計算で確率が2倍に増えることから、「持ち家は相続で譲り受ける予定」との意見も、二人以上世帯の方が2倍近く多い。

興味深いのは単身・二人以上世帯間で「相続予定・時期不明」と「目下考えていない」を合わせた比率がほぼ同じこと。「取得予定なし」はノー、「-以内」は明確なスケジュール付きのイエスのため、「取得できる・できない・しない」の差はあれど、「住宅取得について直近で深く考えたことはない、考えていない」という人は単身・二人以上世帯共に同程度の比率ということになる。

これをデータが残っている2007年以降の推移でみると、単身・二人以上世帯共に住宅取得意欲が減退しているのが確認できる。

↑ 非持家世帯における自家取得予定時期(単身世帯)
↑ 非持家世帯における自家取得予定時期(単身世帯)

↑ 非持家世帯における自家取得予定時期(二人以上世帯)
↑ 非持家世帯における自家取得予定時期(二人以上世帯)

「相続予定」「目下考えていない」は多少のばらつきがあれどあまり変わらず、具体的年数を決めて取得する意向の値が少しずつ減り、その分「取得予定無し」が増えているのが分かる。特に単身世帯の持ち家取得性向の減り方は著しく、2007年から2011年の間に「予定なし」の人が6ポイント近くも増加している。

相続による取得以外では、自前で手に入れるしかない自家。相場は安定しているとはいえ、可処分所得の減退や雇用の安定度を考え、取得をあきらめる人が増えているのかもしれない。

また、2011年は特に大きく取得予定率が減り、「考えていない」「予定なし」が増えている。この傾向について資料では何の言及もないが、2011年3月の東日本大地震・震災が心理的に影響している可能性は否定できない。幸いにも今調査は毎年行われているため、来年改めて同一項目で確認をし、推測の確からしさを検証したいところだ。

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2018 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー