アナログ派停止が大きなターニングポイント(薄型テレビ出荷動向:2012年9月分)

2012/10/29 06:50

先日【2012年9月度のチェーンストアの売上高、前年同月比マイナス2.0%】でチェーンストアの販売動向中、住関品の中でも薄型テレビ周りの売り上げが不調であると言及した。多分に「地デジ特需」の反動によるところが大きいのだが、影響が長期化する様相も見せている。そこで今回は薄型テレビ、そしてテレビと大いに関係のあるBD(ブルーレイディスクプレイヤー・レコーダー)の小売市場への出荷動向をまとめてみることにした。

スポンサードリンク


データ取得元の詳細やデータ内容に関する諸注意、「出荷数」の定義については一連の記事のまとめページ【定期更新記事:薄型テレビなどの出荷動向(電子情報技術産業協会(JEITA))】にて行っている。そちらを参考のこと。

さてまずは純粋な出荷台数。統計値に「薄型テレビ」の項目が登場した2009年以降は薄型テレビ全体とBD(それ以前は「プラズマ」「液晶」で分離掲載されている)、さらに薄型テレビは2010年以降限定だが、画面サイズ区分が記されているため、そちらも合わせてグラフ化する。

↑ 薄型テレビ・BD国内出荷実績(万台)
↑ 薄型テレビ・BD国内出荷実績(万台)

↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、万台)
↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、万台)

ぱっと見で2つの大きな山が出来ているのが分かる。一つ目、左側、2010年10月前後にピークを迎えているものは、2010年7月4日に行われた「全国一斉地デジ化テスト」放送をはじめとした各種公知啓蒙による効果。


↑ 「全国一斉地デジ化テスト」放送を伝えるニュース映像(公式)。
↑ 「全国一斉地デジ化テスト」放送を伝えるニュース映像(公式)。

そしてもう一つ、右側の2011年6月にピークを迎えた山は、2011年7月のアナログ波停止前の駆け込み需要に対応するもの。その後は季節変動(年末や年度末はテレビが良く売れる)による凸凹はあるが、概して低迷が続いている。

また薄型テレビの型別に見ると、アナログ波停止までは小型-中型が売れていたが、今年に入ってからは大型の伸びが確認できる。地デジへの切り替えの際に「とりあえず一台だけでも」と小型・中型のテレビの更新をした後、大型の切り替えに入ったものと思われる。また昨今の大型テレビの価格下落も、購入を後押しするきっかけの一つと見なして良い(買い替えでは無く、新規購入派の対象も大型化していると考えられる)。

昨今の出荷(≒売上)低迷が分かりやすいように、季節変動を無視できる前年同月比の推移を示したのが次のグラフ。

↑ 薄型テレビ・BD国内出荷実績(前年同月比)
↑ 薄型テレビ・BD国内出荷実績(前年同月比)

↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、前年同月比)
↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、前年同月比)

2010年夏の啓蒙運動の成果、そして地デジ切り替え直前の駆け込み需要が季節変動盛り上がりが、季節変動を考慮しても大きなものだったこと、そして切り替え後は「特需」が完全に過ぎ去り、低迷状態が継続中であることが分かる。上記で「昨今では大型テレビが中小サイズと比べて堅調」としたが、それはあくまでもサイズ区分における比較論に過ぎず、全体としてはマイナス域に違いは無い。

またブルーレイに関しては2009年前半までの「普及序盤のブーム的な需要」の後、薄型テレビの活況化に伴う形で伸びたものの、やはり地デジ切り替え後に勢いは沈静化してしまっている。

最後に季節変動を考慮しなくても済むもう一つの切り口として、毎月の動向を経年で比較した形にしたのが次のグラフ。上記で触れたように、毎年年度末・年末にテレビが売れること、そして2010年の年末は「当時(2010年)の翌年(2011年)に切り替えが行われる」ことから良い機会として、爆発的な売れ行きを示したのが確認できる。

↑ 薄型テレビ国内出荷実績(万台)
↑ 薄型テレビ国内出荷実績(万台)

今年2012年は年初から概して不調。年度末の盛り上がりにも欠け、直近9月は年末に向けてのラッシュの気配すらない。今後発表される10月以降の動きが気になるところだ。



薄型テレビの動向は上記のチェーンストアの売上高の記事以外に、景気ウォッチャーでもたびたび登場する。関連性も高い内容なので、今後機会があれば継続精査をしていくことにしよう。

なお薄型テレビの動向を推し量る手立てとしては、【経済産業省生産動態統計】からのデータ取得という手もある。こちらはJEITAの算出方式とはやや異なるようで数字がいくぶん低めに出る傾向があり、薄型テレビの大きさ別区分も無い。代わりに出荷だけでなく、生産・在庫に関するデータも提示されている。

↑ 2012年8月の薄型テレビ動向(経済産業省生産動態統計から、万台)
↑ 2012年8月の薄型テレビ動向(経済産業省生産動態統計から、万台)

生産調整の他、8月は夏季休暇ということもあり、随分と生産数が抑えられている。

こちらはどちらかといえば小売では無くテレビ製造企業サイドの動向を知るデータとなる。今回は覚え書き程度にしておき、必要があれば中長期化の動きをチェックすることにしよう。

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2017 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー