大型機3DS LLの効果は出たのか、しかし早くも今期販売目標を下方修正…ニンテンドー3DS販売数動向(2012年度2Q)

2012/10/25 12:00

[任天堂(7974)]は2012年10月24日、2012年度(2013年3月期、2012年4月-2013年3月)第2四半期決算短信を発表した。為替差損やニンテンドー3DSのソフト・ハード両面での売れ行き不振などから内容は思わしいものではなく、四半期単位での赤字計上は続いている。今回はそれらの業績はさておき、過去の記事に続く形で、ニンテンドー3DSの販売動向をまとめ、グラフ化してみることにする。

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データの取得場所の解説、対象としている機種(3DSシリーズ)の概要などは一連の記事まとめページ【定期更新記事:ニンテンドー3DS販売動向(任天堂)】で説明されている。そちらで確認をしてほしい。

なお今件記事からは、7月28日に発売された大型版の「ニンテンドー3DS LL」を受け、原則として、短信各種資料と同様に、3DSの数には3DS LLも含めて計算している。

今回発表されたデータを元に、先の記事と同様に同機の販売動向をグラフ化したのが次の図。なお元データは万台単位までの表記で、今回はその値を差し引きしているため、項目によっては実数値と2-3万台程の差異が生じている場合がある。

↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)
↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)

現時点で発売開始からの累計販売台数は、全世界で2219万台。今期に限れば506万台。現時点で今期販売目標台数が1750万台(全世界)(※今回の四半期短信発表にあたり、目標台数が1850万台から100万台分下方修正された)であり、その3割近くという計算になる。このようにグラフ化すると、改めて(値下げ効果も大きいが)年末商戦の大きさが確認できる。なお最初の期「2010年4月-2011年3月」は一年分の時間区分ではあるが、発売日が2011年2月26日以降(日本での発売が世界で最初)のため、実質的に他の期同様四半期と見て問題は無い。

そして直近の2012年度第2四半期(2012年7月-9月)においては、売上はやや堅調。すべての地域で前四半期比プラスを見せている。もっともこれは上記にある通り3DS LLの発売によるところが大きい。

↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(2012年7月-9月期、3DSと3DS LL区分)
↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(2012年7月-9月期、3DSと3DS LL区分)

これを販売時期に区分し、それぞれの時期における各地域での販売数を積み上げた形にしたのが次のグラフ。2011年度第1四半期の不調ぶり、そして値下げ効果と年末商戦効果が2011年度第3四半期の大きな上昇気流となったこと、さらにはその反動で次の四半期が再び大きく落ち込んだのが良く分かる。

↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(期別推移)
↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(期別推移)

日本での値下げ発表は2011年7月28日、値下げ開始は同年8月11日。第2四半期における値下げ効果が発揮された時期は2か月足らずでしか無い(日本国内の話)。にもかかわらず販売台数は日本国内だけで4倍強(21万台→87万台)に達している。そしてそこからさらに3倍以上もの売上が第3四半期に発生しており、年末商戦の勢いが改めてうかがい知れる。その分、第4四半期の失速ぶりが目立つ(とはいえそれでも第2四半期よりは多い)。

今回発表分の2012年度第2四半期ではやや盛り返しを見せ、特に米大陸・その他地域での動きが堅調。これもやはり上のグラフにある通り、3DS LLの貢献によるところが大きい。

最終的な2012年度期における販売目標台数に対する、進捗状況結果をグラフ化したのが次の図。なお先にも触れている通り、今期の販売目標は当初の1850万台から1750万台に下方修正されている。

↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(2012年4月-2013年3月期における目標販売台数1750万台に対する達成状況)(第2四半期時点での同期内販売累計)
↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(2012年4月-2013年3月期における目標販売台数1750万台に対する達成状況)(第2四半期時点での同期内販売累計)

達成率はおおよそ29%。月日の長さだけで考えれば50%に届いていないと目標達成は難しいことになる。もっとも今記事冒頭や以前から繰り返している通り、任天堂のハードは年末商戦で大きく伸びるのに加え、3DSとの相乗効果が狙える新型家庭用据え置き型ゲーム機「Wii U」を年末展開として控えており(【任天堂、新しいゲーム機「Wii U」の発売日を12月8日に決定】)、今回の「期内目標に対する達成率約29%」は想定の範囲内という解釈もできる。



前四半期の記事でも触れているが、3DSの採算性の問題については目途が立っている。先日のロイター電【任天堂<7974.OS>、13年3月期の営業利益予想を43%下方修正 「3DS」販売計画は100万台減】でも、製造原価が販売価格を上回る「逆ざや」は3DSにおいて解消していると伝えられており、営業成績上の懸念の一つは払しょくされている。

一方で同記事では携帯ゲーム機全般の動向について、「日本国内では想定通り、部分的には想定以上」としたものの、海外では「(国内のような堅調さと比して)そこまで行っていない」と述べており、予想を下回る動きであったとの任天堂社長・岩田聡氏の感想が伝えられている。

また、繰り返しになるが、「Wii U」の年末発売が予定されているため、任天堂全体としても、例年以上に「年末商戦の比重が高くなる」。その「Wii U」と連動する3DSも大きく動く可能性が高い。見方を変えると、今四半期までは3DSの動きが鈍くても仕方ないともいえる。

視点を変えると、利用者の支配時間・可処分所得の視点でライバルの立ち位置にある、スマートフォンをはじめとしたモバイル機は、引き続き売れ行きを伸ばし、普及率を押し上げている。そして【アマゾン、日本向けKindle各種の予約受付開始】でも伝えたように日本でもアマゾンのKindleの発売期日が確定し、「時間の奪い合い」がさらに激化する様相を見せている。これらの周辺状況の中、ニンテンドー3DSがどのような売れ行きを示していくのか、気になるところだ。

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