大学種類別仕送り額の推移をグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/04/11 11:50

大学生活における本業は学業に違いないが、高校までと比べて自由度の高い世界の中で私生活を存分に楽しみたい人も多い。そして学業・私生活共に相応のコストが求められる。一人暮らしで大学生活を過ごすとなれば、生活費もかさむ。そのコストをまかなうためにアルバイトをしたり、実家からの仕送り(家庭給付)を受け、やりくりをすることになる。今回は大学生における収入のうち、「実家からの仕送り」について、独立行政法人日本学生支援機構が2016年3月29日に発表した【「平成26年度学生生活調査」】などの内容をもとに確認をしていくことにする。

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今調査の調査要項は先行記事【大学生のアルバイト事情をグラフ化してみる】を参照のこと。そして【大学生のふところ事情を収入面からグラフ化してみる】で解説の通り、直近2014年度では大学昼間部の平均的な仕送り額は約120万円となっている。2年前からほんのわずかだが減少している。

↑ 大学生収入事情(大学昼間部・万円)(再録)
↑ 大学生収入事情(大学昼間部・万円)(再録)

そこで気になるのは国立・公立・私立それぞの大学種類別の仕送り額の違い。一般的、そして今調査における調査結果(平均値)でも、学費は国立がもっとも安く、やや上乗せする形で公立、そして私立が大幅高との状況にある。当然仕送り額は私立の方が額面上で大きなものでないと、学生側の生活が成り立たなくなる。

次にあげるグラフでは、その大学種類別・仕送り額について、値を取得できた2000年度以降の推移を描いている。無論この値は年間のもの。

↑ 家庭からの給付額推移(大学種類別・昼間部)(万円)
↑ 家庭からの給付額推移(大学種類別・昼間部)(万円)

学費は国立が一番安いのだが、仕送り額は公立の方が安い。これは今数字が「自宅(実家)」「下宿」合わせた上での平均値であることに加え、「自宅」通いの割合は公立の方が高いのが原因。「自宅」通いの場合は必要となるコストが安く済むので、保護者から受け取れる生活費も抑えられる次第である。ただし額の差異は10万円内外に収まっている。当然、国立大の大学生の方が平均値の上では、生活費の面で(多少ながらも)余裕が持てる次第。

一方、私立大学の仕送り額は公立・国立と比較して30万円から40万円程度の差が出ている。それだけ学費に圧迫されているのだから仕方ない。実際、直近2014年度のデータを見ると、国立・公立の大学生と比べて、仕送り額が多いのにも関わらず、厳しい生活をしているようすが確認できる。

↑ 2014年度における大学種類別学生生活費(年間、万円)
↑ 2014年度における大学種類別学生生活費(年間、万円)

元々私立大学は費用がかかるため、世帯収入が高めな世帯の子供が通う傾向が出てしまう。それでもなお、仕送り額が大きく違うこともあり、家庭にかかる負担は大きい。

↑ 家庭からの給付額推移(大学種類別・昼間部)(家庭の年間収入に対する割合)
↑ 家庭からの給付額推移(大学種類別・昼間部)(家庭の年間収入に対する割合)

直近2014年度では国立・公立大学では11%台なのに対し、私立では15%強を示しており、4%ポイント程度の差が出ている。それだけ私立大学に通う子供を持つ世帯では、家計が圧迫されていることになる。

また両グラフの経年推移を見ると、

・額、家計収入比率共に漸減傾向。2010年度は経済不況を受けて大幅減、2012年度は国立がやや額面を上げたものの、家庭への負担は増大。その動きも2014年度では双方下落へ。

・2012年度では国立と公立間で家庭負担率に大きな差ができたが、2014年度では再びほぼ同率となった。

などの傾向が確認できる。前者は国立大学に通う学生を持つ世帯の年収が落ちていること、後者はそれに加えて公立大学生の世帯年収が増えたことが要因である。

グラフ記述の該当期間では消費者物価指数はほとんど変化が無いことも合わせて考えると(消費税率の改定や資源価格の高騰に伴う物価上昇の影響は、次回の2016年度調査で出てくるだろう)、学生の生活が厳しさを増していることは容易に想像がつく。私立の場合は【大学生の自宅・下宿割合の推移をグラフ化してみる】でも記したように、実家通い率が漸増しているのも一因だが、それでも、学生本人、そして実家の保護者もそろばん勘定に頭を痛めている状況が続いていることには違いあるまい。


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