2012年9月の熱中症での病院搬送者、4209人に

2012/10/17 06:40

総務省消防庁は2012年10月16日、同年9月における熱中症による全国の救急搬送の状況(確定値)を発表した。それによると同年9月における熱中症による救急搬送者は4209人となり、昨年2011年の9月での数字3960人と比べ6.3%の増加が見られたことが分かった。例年と比べて中旬に至るまで太平洋高気圧の勢力が強く、高気圧に覆われて晴れた日が多かったこと、高気圧の張り出しで暖かい空気が流れ込んだことで気温が高くなり、また継続している節電に伴う冷房に対する敬遠意識が、搬送者増加の一因となったようだ(【発表リリース、PDF】)。

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今年の9月は中旬に至るまで残暑が続き、特に北日本では月平均気温が統計を開始した1946年以降で最も高くなり、記録的な高温となった。また日照時間もかなり長く、平均気温が高まり、真夏日が相次いだ。節電意識も相まって全般的には熱中症リスクは下旬の気温が穏やかになる時期まで、高いままで推移した。

今回の発表によれば、2012年9月の全国における熱中症による救急搬送人員(要は救急車で医療機関に搬送された人)は4209人となり、昨年2011年の9月における3960人の6.29%増という値になった。

↑ 熱中症搬送人員(2009-2012年、各9月、人)
↑ 熱中症搬送人員(2009-2012年、各9月、人)

↑ 熱中症搬送人員(2010-2012年、各9月、人数比)
↑ 熱中症搬送人員(2010-2012年、各9月、人数比)

昨年同月と比べると、成人・少年では人数は減少しているが、それ以外の階層では増加している。そして前年比を算出すると、高齢者(65歳以上)の増加が一番大きい。絶対数でも高齢者の増加数が他を抜きんでている。これら体力的に劣る人たちは熱中症を発症しやすく、逐次留意を求めていただけに、残念な話ではある。

搬送時の初診傷病程度も昨年比でわずかながら変化。全体に占める中等症の増加が確認できる。

↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2009-2012年、各9月、人)
↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2009-2012年、各9月、人)

↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2009-2012年、各9月、人数比)
↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2009-2012年、各9月、人数比)

軽 症:入院を必要としないもの
中等症:重症または軽症以外のもの
重 症:3週間の入院加療を必要とするもの以上
死 亡:医師の初診時に死亡が確認されたもの

「中等症」とは上記説明から「3週間未満の入院を必要とするもの」となる。それだけ搬送時に状態が悪化していたことを考えると、本人が無理をしていたか、あるいは発見が遅れたことが想定できる(入院の必要性の有無という点では、軽症と中等症との差は大きい)。体力に不安がある高齢者の搬送数が増えれば、そのような事例が増加する結果となるのも理解はできる。

リリースでは今回の状況を受け、「熱中症を予防するには、暑さを避け、こまめに水分を補給し、急に暑くなる日には注意することなどが必要」「高齢者は温度に対する皮膚の感受性が低下し、暑さを自覚できにくくなるので、屋内においても熱中症になることがあるので注意が必要」と呼びかけている。

幸いにも今年は熱中症のリスクが高い時期は過ぎたが、来年以降のことを考えると、自分自身はもちろんのこと、身の回りに該当しそうな人がいる場合、積極的に声をかけるなどして、事象の発生を極力防ぐ習慣を身に着けることをお勧めする。【東京都荒川区が実は先進的な節電方法「クーリングスポット」を実行していた件について】で紹介したような、公的機関における「クーリングスポット」へ誘う手法を覚えておくのも一つの手。

なお今リリースでは2012年7月-9月における熱中症による救急搬送者が4万5834人となり、2011年の3万9489人よりは多く、2010年の5万3843人よりは少なかったとしている。

↑ 夏期熱中症救急搬送人員(2009-2012年)
↑ 夏期熱中症救急搬送人員(2009-2012年)

今年会得した知識と経験を糧に、そして今年のようなエネルギー周りの苦節が無くなることを願いつつ、来年に備えたいものである。


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